誰だって何かしら心に翳りを持っている。 ふとした拍子に、その薄暗いものは人から人へ巡っていく。 仮にそういった人を見かけても、気安く接してはいけない。 きっとすぐに思うことだろう。「聞かなきゃよかった」と。・ 様々な人が持つ諸事情が繋がっていく短編連作。「聞かなきゃよかった」と思う嫌な話が続くのだが、 この作品は話し手と聞き手の両方の反応が生々しくて、ダブルで嫌になる。 人どうしの「追い詰め合い」は心がささくれるものだ。 それでも良ければ、是非とも聞いてみて欲しい。