概要
人の全身よりあふれ出る〝泥〟。
そのトラウマが癒えるより早く、彼は幼馴染みのオカルト動画配信者『黛希歌』とともに、奇妙な都市伝説〝泥泪サマ〟を追いかけることになる。
しかしそれが、世界の闇黒、真実の深淵をのぞき込む行為であることを、彼らは知るよしもなかった──
ワクワクと胸躍る、ホラーの楽しさを煮詰めた、これが現代の恐怖劇!
随所に潜む謎を読み解きながら、どうぞ最後までご観覧あれ。
登場人物一覧
https://kakuyomu.jp/users/aoi-ringo/news/1177354054893208450
※この小説には犯罪行為や残酷な描写が存在します。ですが、そ
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- ★★★ Excellent!!!被害規模のインフレが止まらないジェットコースターホラー!
売れない作家のかたわら、病床の子供たちを楽しませるホスピタル・クラウンとして活動している橘風太は先輩の作家から仕事を紹介される。
それはある動画配信者の心霊スポット探索にスタッフとして同行すること。この動画配信者が幼馴染の黛希歌であったこともあり、気軽に引き受けた風太が現場のスタッフから聞かされたのは泥泪サマと呼ばれる都市伝説。決して珍しいものではなく、そこまで深刻に考えていなかった風太だが、だがこの撮影が何人もの死者を生む大事件の始まりだった……。
撮影の序盤は被害者遺族へのインタビューに始まり、自称霊能力者によるお祓いのパフォーマンスなど、映画のJホラーのような静かな不穏さがちらつく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたのためのものがたり わらえ。
100年前に書かれたコズミック・ホラーを飽きもせず読み返し、サメやゾンビの溢れるB級映画を薄笑いと共に流し見るのをこよなく愛す酔狂者にとって、とかくweb小説は食い合わせの悪いもので。稀稀舌に馴染む作品に行き当たるのは、僥倖以外の何ものでもなく。
数寄者にして一徹者の作者、雪車町氏の紡ぐ本作は、その満たされない飢えを満たす希有にして珠玉の一品。
都市伝説に動画配信。最新のトレンドを取り入れた、和製ホラーの定型が展開する序盤。現れては退場するディフォルメの効いた霊能者たち。
主人公たち撮影班と、呪いの主体・泥泪サマとの対決で終わる程度の物語ではなく。仄見える宗教団体の暗躍により、事態は創…続きを読む - ★★★ Excellent!!!対比構造に挟まれて、ホラーの楽しさに飲まれていく
泥目と呼ばれる怪異と祟りを巡る、傑作ホラー小説。
圧倒的な知識と惚れ惚れするような筆致、そして興奮の止まらない展開は作者様の素晴らしい才能で、いつも安心して読める。
そして今作は特に、対比構造がとても興味深かった。
古より続くと言われる「祟り」や「呪い」と、新時代コンテンツである「動画投稿者」
聖なる物の象徴とされる「水」と、濁りにまみれた「泥」
そして、怪異の「嗤い」と、ホスピタルクラウンである主人公が求める「笑い」
対比されるからこそ、ギャップと歪さが浮き彫りになって、その狭間で読者は揺れながら夢中になって読了していく。
極上のエンターテインメント、オススメです! でも夜に読む…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これは、読むホラー映画です。
タイトルにも「嗤う」、チャッチコピーにも「笑う」があるように、ひと言で言っても多様なカタチがある「わらう」ことが、テーマになっているように感じてます。
実際、都市伝説の泥泪さまや、主人公のホスピタルクラウン風太の緊張したときの癖や、度々「えがお」に触れていくことになります。もちろん、恐怖や狂気をもよおす「えがお」にもです。
さてと、ホラー映画が好きな方ならわかってくれると思いますが、独特なワクワク感がありますよね。
(この胡散臭いやつ、すぐに死にそう)
(いや、意外としぶとかったりしてw)
などなど、怖いけど興奮気味に先の展開に期待しがちな人は、少なくないはずです。
この「嗤う泥泪」は…続きを読む