公式連載をリニューアルし、様々な切り口で作品を探せるようになりました

カクヨムでは、公式連載ページをリニューアルしました。ページのデザインを一新し、「運営のオススメ」枠や公式連載の週間ランキングも新たに登場。公式の作品を様々な切り口で探せるようになりました。

公式連載リニューアル後

その他、公式連載の作品を新着順にチェックできるコーナーや、レーベルからのお知らせを一つにまとめるといった変更も行っています。

カクヨムでは、今後も公式連載ページを改善していく予定です。皆様からの感想やご意見・ご要望もお待ちしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

知らない名作との出会い方、教えます。 復活のカクヨムgoodレビュワー"大"表彰式!【第二回】



第3回カクヨムWeb小説コンテストの開催も、残り二週間となりました。
コンテスト後半戦では、幾多ある作品の中からキラリと光る原石を掘り出してその輝きを大勢に伝える、"レビュワー"にスポットを当てます。

カクヨムgoodレビュワー"大"発掘会では、応募作に寄せられたおすすめレビューより、運営が選出した秀逸なレビューを毎週10本ずつ紹介します。紹介された方には、カクヨムgoodレビュワーの称号を授与。さらに2,000円分の図書カードをプレゼントいたします。

第二回目の発表となる今回は、1月5日〜1月11日の間に投稿されたおすすめレビューが対象です。


今週のgoodレビュワー (期間:1月5日〜1月11日)


goodレビュワー No.1: 結葉 天樹
青春を駆け抜けろ。そのスピードの果てに見るものは!(だが台車である)
全力で真面目にやっているんですが絵面を想像するとどうしても笑ってしまう。そんなお話はいかがでしょう(笑)

青春時代、部活に、スポーツに打ち込んで仲間と高め合ったこともあるでしょう。この物語で彼らが打ち込んでいるのはレースです。
バイク?カート?
いいえ、台車です。

台車。

そう、あの台車です。荷物を積んで運ぶあれです。
あの上に乗ってキックボードみたいに走ってみたいと思ったことはあるのでは?
あれでレースをするんです。
とはいえ侮ることなかれ。坂道を下れば立派なマシン。カスタムするにも意外に高額。操作を誤れば大惨事。
聞くも涙、語るも涙の悲しい事情から台車レースを行う部活に入ってしまった主人公は癖のある面々に囲まれながら成長していきます。

だが、台車である。大真面目に先輩が理論を熱く語るが、やっていることは馬鹿馬鹿しい。
全力で馬鹿をやる。そんな話を楽しんでください。

ちなみにライバルは椅子です。
── レビュー対象作品: 『ダイシャライダー! 』作者:麓清


goodレビュワー No.2: まにふぁく茶
冴えないおっさんの元へ、超絶美人のお嫁さんがやってきた。
欲望に忠実、ド直球の素晴らしい作品です。
男の夢が詰まっております。

ビールは苦いが物語は甘い!
── レビュー対象作品: 『僕は異世界で、粉物屋を始めたよ!』作者:かず斉入道


goodレビュワー No.3: 節トキ
心は人間の女の子、体はオスドラゴン、それでも可愛く逞しく生きるのです!
ヒロインは元は人間の女の子。
ところがとある事情で死んでしまった――と思ったら、ドラゴンに生まれ変わっていた! しかもオスに!!

……という、始まりからいきなり驚きと興味と期待に胸が掴まれるお話です。

ところがこのヒロイン、とんでもなくマイペース。
普通ならこの過酷な現実を嘆いたり、苦しんだり悩んだりするものなのですが、せっかくドラゴンになったんだから、とドラゴンライフをのんびりエンジョイしてしまうのです。

このゆるさが、本当に可愛い!

真っ直ぐなんだけれどどこか抜けてて、頑張ってるんだけどどこか力の入れどころが違ってるヒロインの天然っぷりに、ほっこりしてしまいます。

またちょっと気持ちの表現が不器用な先輩ドラゴンのフェニックスさん、イケメン騎士のロスさん、その双子の妹である美女リディアさんなど、他の登場人物も個性満載!

ヒロイン、ドリアードはこれからどんな運命を辿っていくのか?
そして、恋のお相手は?

物語は二章に入り、やや不穏な気配が立ち込めておりますが、ドリアード達の新たな活躍を楽しみにしています!!
── レビュー対象作品: 『竜王騎士団のドリアード(ドラゴン)さん~戦いよりも恋に明け暮れるのです~』作者:スラ猫


goodレビュワー No.4: 新戸皆鳴
呪物を拾ってはいけない。絶対に。
まず、呪物というアイディアが面白いと思いました。自殺の名所となっている巨大な公園に落ちている特別な能力を持った呪われたアイテム。それはある者には力を、ある者には恐怖を与えます。不幸にもそれを拾ってしまった人々は困惑しながらもその不思議な力に魅入られ、やがて人生を狂わされていきます。

怪談の短編集のような形で語られる物語はやがて一つの物語へと繋がっていきます。その理由が明らかになるとき、突如として怨念と悪意に満ちた巨大な存在が姿を現します。そして小さな怪談の集まりだった物語は一気に世界の命運をかけた戦いの物語へと変貌を遂げます。

読み進めるうちに緻密に組み上げられた構成に気付き、単純な恐怖だけでなく物語としての面白さに引き込まれていきます。後半の展開は間違いなくいい意味で期待を裏切られることになるでしょう。この物語がどんな結末を迎えるのか、最後まで目が離せません。
── レビュー対象作品: 『呪物公園』作者:ぴぃた


goodレビュワー No.5: くろい
触手、激臭、ハニカム構造、ロリ! ……とプラスワン
コンビニに集まる異種族の女の子たちと繰り広げるギャグテイストな日常もの。
普通ではない彼女たちとどのようにコンビニで働くと言うのが、一味違くて面白いです。
これからも、キャラクターが持っている個性を生かした内容が繰り広げられるのに期待大。
ちょっと、変わったコンビニものが読みたい人にお勧めです。
── レビュー対象作品: 『コンビ二バイトをはじめたら、まともな人間が俺しかいないんだが!?』作者:神坂 理樹人


goodレビュワー No.6: 武州青嵐
私は戦う! セクメトに乗り、自分の『正義』のために!
舞台は古代エジプト。

主人公は十代の少女メルウトです。
この少女。
師である大神官からパピルスの巻物とアンクを預かり、アメン神官団から逃げ出すのですが……。

このメルウトが敵から身を守るために乗り込むもの。

それは、超古代文明が生み出した超大型兵器。

ええ、そうです。
これは歴史物では無く、超古代文明が生み出した大型ロボット同士が戦うSFなのです。

随所随所にちりばめられた歴史のミニ知識も楽しめますし、美少女同士がロボットに乗り込んで戦うシーンは圧巻です!

続編があるのかな、と思わせる終わり方なので。
ぜひぜひ、期待しています!
── レビュー対象作品: 『戦闘女神《イレト・ラー》セクメト』作者:平中なごん


goodレビュワー No.7: ヒロマル
俺、ゴリラの背中で風になってる。夢なら覚めてくれ。
ゴリラと異世界。それはイチゴと大福。カツとカレー。大悟とノブ。合うの?それ。
合うんです!
プロットの案を聞いた時、面白くなりそうだとは思っていたけど「異世界」っていう可能性の白いキャンバスが、「ゴリラ」というモチーフが持つパワーをこうも最大限に引き出すとは。
作者さんの異世界に対する現実感の演出も丁寧で、読んでいて自分が本当にゴリラ界に行ったような読書体験ができる。そうだよ!ゴリラ幅!YES!がっさがさの寝床!
神は細部に宿るし、生姜焼きが食べたくなるパワーとスピードのある作品。迷うな。駆け抜けろ。出口はもう前にしかない。
── レビュー対象作品: 『ゴリラと行く異世界魔王討伐』作者:豆崎豆太


goodレビュワー No.8: 坂神慶蔵
インパクト抜群の設定、前代未聞の女性向けフンドシ系ラブコメ爆誕!
ファンタジックなラブコメ&ライトミステリでありつつ、非常に強烈なパンチのある一作でした。

近年、男性向けのラブコメ系ラノベでは、美少女ヒロインのパンツを巡るイベントを軸に繰り広げられる作品がしばしば見受けられます。
いわゆる「パンツ物」とでも呼ぶべきジャンルのストーリーですね。

んで、この小説なのですが、驚くべきことにそんなトレンドを女性向けラブコメの世界まで持ち込んでしまったかのようなテイストがあります。なんと、まさかの「フンドシ物」作品なのです。正気か……。
まさしく前代未聞のジャンル的越境性なのですが、イケメンヒーローのフンドシに執着するヒロイン・ちえりの言動と妄想には抜群のパワーがありました。
そして、そんなフンドシの似合うイケメンとの恋をサポートする、もう一人の過保護なヒーローとの三角関係が何と言っても最大の見所かと。
果たして、ちえりはどちらのヒーローと恋を成就させるのか――?

尚、ただ単にイロモノな設定だけではなく、途中からはライトミステリ的なノリが強くなっていき、物語そのものもしっかり楽しめる作品になっています。
── レビュー対象作品: 『過保護な堕天使、ズボラなあたし。【本編】』作者:陽野ひまわり


goodレビュワー No.9: 真白 小雪
「ダウト」!叫べば恐怖が待っている。
同じ高校生が何故かテーマパークに集められた。

嘘をつくこととゲームは密接な関係にある。

シンデレラや白雪姫やラプンツェルなどの本当の物語から、恐怖の計画が綿密に練られていた。

物語に出て来る残酷なシーンが再現されるのだ。

「ダウト」と口にすれば、誰もが恐怖のスパイラルに堕ちて行く。

あの時、母の言葉を聞いていれば……!

ぜひ、ご一読ください。
── レビュー対象作品: 『ダウト』作者:月花


goodレビュワー No.10: まとりくれあ
隣にいるのに、この恋はとても遠い。
英語があまり話せないOL・香里さんと、イケメン英国人・ヒースさん。
素直になれない二人の、大人の恋が描かれています。
相手の気持ちがつかめない。自分の心もわからない。
戸惑いや不安、小さな嫉妬。
相手の態度や言葉、その一つ一つが気になってどうしても消えていかない。
微妙に揺れ動く心情が、とても自然に伝わってきました。
輪郭が浮き上がるすっきりとした描写。
アーバンでスタイリッシュな雰囲気が、とても素敵です。

気持ちを言葉にして伝えること。
自分の心に素直になること。
異国の言葉が誘う恋は、もどかしさと切なさがいっぱいです。

ぜひ読んでみてくださいね。
── レビュー対象作品: 『Sippin' on Rapsody』作者:小鳥遊 ちより

(※レビュー本文を対象としたピックアップ企画のため、同じ作品に対する複数のレビューが掲載される場合があります)


今回選出されたレビュワーのみなさまには、これからも素晴らしい作品の発掘と紹介を期待しています!

カクヨムgoodレビュワー大発掘会は、コンテスト終了直前の1月25日(木)投稿分まで受け付けています。気になる作品を見つけた方は、ぜひその感想を言葉にして伝えてみてください。第3回カクヨムWeb小説コンテストは、1月31日(水)まで開催中です。

除外キーワードを指定して小説を検索できるようになりました

カクヨムでは、検索時に除外キーワードを指定できる機能を追加しました。よりお好みに近い作品を探せます。

除外したいキーワードの直前にマイナス記号 - をつけて検索すると、その語句をタイトル・チャッキコピー・タグに含まない小説のみ検索結果に表示できます。
例えば 冒険 -魔法 と指定すると、「冒険」の検索結果で「魔法」の語句を含まない小説が表示されます。

除外検索入力の欄

除外キーワードにするためのマイナス記号 - は、半角記号のみ有効です。除外したいキーワードの直前に間を空けず置いてください。複数のキーワードで検索する場合は、語句と語句の間に半角もしくは全角のスペースを入れて区切ります。除外キーワードのみでも検索できます。
また、除外キーワードは最大3つまで指定できます。それぞれの除外キーワードに - をつけてください。

除外機能は、検索結果の「小説」欄のみが対象です。検索結果の下部にある「タグ」欄および「ユーザー」欄は対象外ですのでご了承ください。

除外ワードの検索結果(タグ・ユーザー欄)

カクヨムでは、今後も様々な改善・開発を進めてまいります。カクヨムへの感想やご意見・ご要望もお待ちしています。
より便利になった検索機能を、どうぞご利用ください。

文学はキミの友達。「カクヨム甲子園」の最終選考結果を発表しました。

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文学はキミの友達。「カクヨム甲子園」の最終選考結果を公開しました。

ロングストーリー部門、ショートストーリー部門の両部門を合わせ1089もの作品が投稿されました。

各部門の最終選考結果は以下のリンクより御覧ください。


▶【ロングストーリー部門】結果発表ページ
▶【ショートストーリー部門】結果発表ページ


高校生のみなさま、多数のご応募ありがとうございました。 改めて深く感謝申し上げます。



さて、突然ではございますが
”文学はキミの友達。「カクヨム甲子園」”は今年も開催いたします!

詳細はこのブログや、カクヨムの公式ツイッターで順次お知らせいたしますのでお見逃しなく! ※まだ今回の「記念品」もお見せしてませんね・・・。

今回参加いただいた高校1年生、2年生の皆さん、今年も是非挑戦してください。
4月から新1年生という皆さんの作品も楽しみにしてますよ。
そして、今年晴れて卒業を迎える皆さんは、同じ趣味を持つ後輩にこのコンテストを教えてあげてください。

次回も、みなさまからの投稿を心よりお待ちしております。

▶文学はキミの友達。「カクヨム甲子園」特設ページ

目利きレビュワーは誰だ!? 復活のカクヨムgoodレビュワー"大"表彰式!【第一回】



第3回カクヨムWeb小説コンテスト後半戦! ……ということで、以前実施して大好評を頂いたイベントの復刻版であるカクヨムgoodレビュワー"大"発掘会が開催中です!

この企画では、応募作に寄せられたおすすめレビューより、運営が選出した秀逸なレビューを毎週10本ずつ紹介します。紹介された方には、カクヨムgoodレビュワーの称号を授与。さらに2,000円分の図書カードをプレゼントいたします。

第一回目の発表となる今回は、12月28日〜1月4日の間に投稿されたおすすめレビューが対象です。


今週のgoodレビュワー (期間:12月28日〜1月4日)


goodレビュワー No.1: ゆうけん
触ってはいけない。こんなに愛しているのに。
本作は恋愛小説です。しかし、恋愛描写だけではなく動きのあるアクションや民族学を練りこんだ妖怪物語でもあります。

主人公は鬼の末裔の男子高校生。人離れした身体能力を持つものの、現代社会に順応するために力を抑えて生きています。性格も鬼の血が入っているとは思えないほど内向的。いえ、人間にあまり感心がないと言った方がいいのかもしれません。
そんな彼が金の瞳の女性と出会ってしまい恋に落ちる物語です。

学園生活もそうですが、日常の描写がとてもナチュラルで主人公が鬼である事や非現実な出来事が、違和感無く入り込んでいます。
どのキャラクターも個性的ですが、物語の背景に溶け込むように活き活きと活躍する様は読み手を引き込むでしょう。

恋愛小説好きには勿論読んで欲しい作品ですが、それ以上に妖怪やもののけ等を題材にした作品が好きな方には是非拝読を薦めます。

物語の構成力が圧巻ですので、飽きる事なくワクワクドキドキしながら読み進める事、間違いなしの作品。

本編を読み終わると番外編が用意されており、その番外編を読むと最初からもう一度読みたくなる。それほど魅力的な物語でした。

ドラマチックな演出や幻想的な文章。
一癖も二癖もある登場人物たちの掛け合い。
どれをとっても一級品の作品。

最後に作者様。
時には楽しく、時には切なく、そして温かい物語を紡いで下さり感謝致します。
清々しい読後感でした。ありがとうございました。
── レビュー対象作品: 『金の瞳の彼女に、恋をした』作者:武州青嵐


goodレビュワー No.2: 斉賀 朗数
奇抜な構図の破壊と再構築。そして、新たな破壊。
第十四話までを読んでのレビューとなります。

「ごめんなさい。逃げます。探さないでください」という手紙から始まる物語は、昨今主流になりつつあるファンタジー作品の様に奇をてらったものの様に思えるが(とは言っても、自分があまりファンタジーを読まないので流行について行けているかは不明だが)、話を読み進めていく内に、昔ながらの丁寧なファンタジー作品の上に成り立っているコメディー作品である事に気付く。

そんな始まりなので、東の魔王ことアレフィオスを追う物語になるのかと思ったが、そうではない。アレフィオスは序盤ですぐに姿を現わすのだ。
そして勇者のリュースとその御一行の中の一員に取り込まれる。

作品の構造がステレオタイプな「魔王という敵を倒す」ではなく、「魔王を助ける勇者」という構造になる様に思えるのだが、作品内の王族の動きや、リュースとその姉的存在エリシアの過去、魔王という存在の秘密など散りばめられた伏線によってはストーリーはまた構造を新たにする予感がしてならない。

物語のジャンルにあるコメディーすら最後はひっくり返してしまうのではないかと思える作品で、これからの展開にも目が離せない。

最後に、文体や描写が丁寧で大変読みやすいのが良い。
しかしながら、一つの話内での視点の変更などがある所が、昔気質なもしくはライトノベルに慣れてない層には違和感を覚える可能性がある様に思う。
── レビュー対象作品: 『へたれ魔王は倒せない!』作者:綾坂 キョウ


goodレビュワー No.3: 夷也荊
死者との婚姻、計略の果てに――、姫は真の愛を知る。
 死者との婚姻を「冥婚」という。その冥婚を果たした一人の姫の物語。姫が身を寄せていたその国には「落し物を拾ってはいけない」という言い伝えがあった。しかし、何でも良い方に捉える姫は、落し物を拾ってしまう。その落し物こそ冥婚の印しだった。しかも、死者との婚姻のはずが男性はあることをきっかけに生き返る。
 姫の夫は皇太子の一人だった。夫の許婚との確執も、夫の呪詛も、次々と明らかになって行き、読者を飽きさせない。さらに、夫の父親を狙う敵国や、その首謀者との争いに、主人公夫婦は巻き込まれていく。  果たして敵の正体は? 呪詛の犯人は? 首謀者は?
 天真爛漫な姫が、死にかけ夫と繰り広げる宮廷恋愛譚!
 歴史小説という事で敷居が高いと思いきや、全くそんなことを感じさせずに最後まで引っ張って行かれました。一気読み必至の作品です。是非、ご一読ください。
── レビュー対象作品: 『死にかけ皇子と冥婚の后』作者:ココナッツ


goodレビュワー No.4: 南 伽耶子
真っすぐということの愛しさと難しさ
性は個性に優先するものではない。そんな結論に達する前の段階を、手探りで歩いている二人の高校生と友人たちの物語。
私事になって恐縮だが、今思い出すと母校の文学部は不思議な空間で、性自認が世間一般とやらとずれていた学生や教員が、普通に過ごしていた。
日文専攻クラスで一番おしとやかでなよやかなのは、小柄でポニーテールにワンピースの似合う「○○君」と呼ばれる戸籍の性別男子。だが男子にも女子にも受け入れられ、あるがままに過ごしていた。だから性別というのは自認によるものが一番強く、戸籍は便宜上、と、ずっと思ってきた。

世間ではどうやら違うらしい、と思い知ったのは就職してからだ。

いくつものお面をかぶり分け、危ういところで高校生活を送っている朧君と、朧君を好きになったことで自分を必死に見つめることにもなる小春ちゃん。
小春ちゃんの動きを心の的確に表すユーモラスな言葉遣いは、単なる「アイドル(偶像)に過ぎなかった朧君の様々な面をとらえていく。
年上のお兄ちゃんと親友の恋、自分の中の潔癖さと、朧君の現実への理解不足。そしてなにより「自分の考えを伝えること、受け取ることの難しさ」が過不足なく描写されている。
特筆すべきは空の描写。朧君と小春ちゃんの変わりゆく心持を実にさわやかに映していく。作者の筆力の確かさである。

中でも感動的なのはメイクボックスを手にした朧君がメイクをするのが、自分ではなく小春ちゃんなことだ。その筆致。二人の間の息遣いと脆い緊張感は実にエロティックで、愛しい。
ここがあるからこそ、セーラー服を着たいと願う朧君の強さが際立つ。

インターネットの掲示板で「女装したい男子のための着付けとメイク募集」という書き込みを見て、旦那と一緒に出掛けたことを思い出した。そのとき嬉々としてブロウをされ、頬や爪、唇を彩られていた大勢の少年たちは、今どうしているだろうか。

男も女も、若い人も年齢と人生経験を経た人も、みんなに広く読んでほしい作品。
カクヨムという場が生んだ鮮やかな傑作です。
── レビュー対象作品: 『はんぶんこの、おぼろくん』作者:犬飼鯛音


goodレビュワー No.5: 狼煙
創作には無限の方法があることを教えてくれる作品
読む前の俺
あれ? ダークファンタジーなのに、『暴力描写』や『残酷描写』なし……? ダークファンタジーってベルセルクみたいなもののイメージだけど、それ無しでダークファンタジーなんて書けるの……?(カチカチ)

ある程度読み進めた俺
確かに嘘はついてない……嘘は! 戦闘シーンはあるけど! 内臓が出てくるとか、相手をいたぶりつくすとか……それはない! でもこれは……! その制約がある中で何でこんなむごく作れるんだ……! 詳しくは見てほしいけど、ダークファンタジーの名に偽りなし! 見事だ!

驚きました。
この作品、先にあげた通り『暴力描写』や『残酷描写』の指定がありません。では生ぬるい内容なのか、それには即NOと答えられるくらい、この作品はヘビー級のダークファンタジーで満ち溢れています。恐怖におののく姿、不気味な敵、ドライなまでの命のやり取り。創作には無限の方法があることを教えてくれる作品であると言えます。
── レビュー対象作品: 『ボクの纏う巫女装束《バトルドレス》』作者:へぼあざらし


goodレビュワー No.6: タカテン
相手への思いやりを持てなければ死ぬデスゲーム
なんとなく最近、他人への思いやりを持たない人が増えてきたような気がする。
そんなことをここ数年、感じていた。
僕は長年商売をやっているが、自分を神様だと信じ込んでいるお客は増える一方だし、街に出てもなんだかちょっとやれやれって感じの人が多くて困ってしまう。
みんなが少しずつでも他人への思いやりを持てるようになれば、今よりずっと生きやすい社会になるのに……そう思わずにはいられなかった。

だから今作のあらすじを見た時、強く惹かれた。
思いやりを持てないと死んでしまうとは物騒だが、「相手を思いやる気持ち」という、今の競争社会では忘れられがちな人間性で生死を決めるのは、実に小説らしくて魅力的な設定である。
なによりそうして生まれ変わった世界を見てみたいと思った。

そして僕は今作をのめりこむようにして読んだ。
サイコゲームによって作られた思いやり社会、同時に生まれた矛盾と不安。やがて思いやりとは逆の感情に支配されていく世界に、「思いやり」というのは強いられるとむしろ毒薬になるものだと知った。
それはサイコゲームのような過激なシステムのせいだけではない。
きっと「思いやり」は他人に強制したり、そのように仕向けたり、教育する類のものではなく、まずはひとりひとり自分自身がそれを意識する事でしか始められないからだろう。

今作をカフェで読み終えた後、外に出ると自転車置き場が満車になっていて、ひとりの女性が自転車から降りて困っていた。
「あ、今出ますからちょっと待ってて」
慌てて自分の自転車を出してスペースを空けると、女の人は笑顔を浮かべて「ありがとうございます」とお礼を言った。
それだけでほんの少し世界が良くなった気がした。
多分、そういうものなんだろう。
── レビュー対象作品: 『サイコゲーム』作者:丸山弌


goodレビュワー No.7: 高梨 千加
平安時代と聞いて尻込みする人にも読んでもらいたい
冒頭、清少納言をオバさん呼ばわりする主人公に、「あ、きっとこの小説は好きだ」と思いました。
平安らしくとか、そんなイメージに捉われない主人公。読んでいて、楽しいに決まってるじゃないですか。
それでいて平安時代の描写はリアリティを感じます。
でも、上述したような主人公ですから、時代小説として堅苦しくもなく、とても読みやすかったです。
時代小説が苦手な方にもオススメです。
大人しい主人公ではないので、時にはドキドキハラハラさせられながらも、一気に読んでしまいますよ。
── レビュー対象作品: 『都の空の朧月』作者:帆乃風 総持


goodレビュワー No.8: すずひめ
美丈夫(イケメン)たちの熱き戦い! 血潮のたぎる中国史スペクタクル
様々な氏族が群雄割拠する宋の時代。
地形や戦略にまつわることや、各氏族の勢力や文化など、丁寧に分かりやすく書かれており、歴史に詳しくなくてもすんなりと物語に入っていくことができます。

何より素晴らしいのは、「人間」の姿が活き活きと描かれていること。

主人公の趙萬年は18歳のイケメン。
彼は兄と慕う趙淳(精悍な顔立ちの熱い男)や趙淏(シュッとした感じの美形)と共に、宋国の領土を守る戦いに参加しています。
まだまだ若さが目立つ趙萬年は、割といつも突っ走り気味。主人公らしい熱い心と行動力を持ち合わせた人物です。
一方で、弟分の王才に体格で劣っていることをちょっと引け目に感じていたり(これ重要な尊みポイント)、仲間になった旅翠(すごい美人でめちゃ強い)が気になるのに素直になれなかったり、それまで敵対していた茶族と共闘することをうまく割り切れずに葛藤したりと、ちょっと可愛らしいところもある男子なのです。
今後の戦いで彼がどのように成長し、どんな活躍を見せるのかが、この作品の一つの注目ポイントではないでしょうか。

また、宋国と対立する金国側のお話も同時進行で語られており、それぞれの思惑や人間関係を両側から見られるのも非常に興味深いです。
金国側も、実直な人柄の道僧(イケメン)やその幼馴染の多保真と徳寿の姉弟(すごい美形)、そして老獪かつラスボスみ溢れる撒速(たぶん渋い感じのおじさま)など、魅力的な登場人物がいっぱいで要注目です。

なお、私の推しは趙淳です。

これから徐々に緊迫した戦況へ向かっていくと思われる本作。固唾を呑んで見守りたいと思います。
── レビュー対象作品: 『守城のタクティクス』作者:氷月あや


goodレビュワー No.9: aoiaoi
美貌の女子大生が底抜けのパワーで奮闘する、痛快なお仕事コメディ!!
誰もが振り返る美貌を持つ元気な女子大生、むつみ。彼女がちょっとした勘違いで応募してしまったアルバイト先は、なんともショボい清掃会社で……!?そんなアルバイト先で、彼女がヘタレな社長やなんとも風変わりな同僚と協力しつつ(?)ハードな仕事に立ち向かう、痛快なお仕事コメディです。

登場するキャラクターたちは、みんな強烈な個性の持ち主。思考回路がそれぞれあっちこっちを向いていて、どうにもまとまりそうには思えない。それが、苦しい会社の経営という一つの目標に取り組むことでデコボコながらも動き出していく。それぞれの持ち味をうまく生かしながら努力を重ねる彼らの姿は、この上なくコミカルでありながら、諦めずに前進する大切さをじんわりと教えてくれます。
そして、泥まみれの努力の末に、彼らが手にするものは——?

個性がぶつかり合う面白さと暖かさ。常に心に活気を絶やさず進むこと。そんなジワリと暖かなものが底抜けに明るく濃縮された、ホカホカと体の芯が温まる素敵な物語です。
── レビュー対象作品: 『絶対に、その家だけはやめておけ!』作者:高尾つばき


goodレビュワー No.10: 純太
リミットは24時間。大学生プロファイラーたちの戦い!
富永蒼、黒崎健、真壁朱里は同じ大学の心理学部、法律学部、理工学部に属する3人組。その蒼の恋人である鳴海橙花が「新種の毒物」による連続殺人事件に巻き込まれてしまう。被害者たちは発症から24時間以内に死亡している。解毒の方法は犯人と接触しなければ分からない。「待ってろ、橙花――俺が必ず、お前を助ける」。蒼たちはそれぞれの専門知識を生かし、かすかな手がかりから犯人のプロファイリングに挑んでいく。

24時間というタイムリミットがあるクライム・サスペンスです。

最後まで読んで、犯人のトリック、動機、アリバイ工作、それを読み解いていく大学生プロファイラーたちのロジックにとても納得感がありました。また、最後まで緊張感を途切れさせない工夫がなされています。

登場人物たちの関係も魅力的です。真っ直ぐな性格で、恋人の命がかかっているがゆえに崩れそうになる蒼、お調子者ながらも土壇場に強い性格で、蒼を支える健。その2人をハッカーとしての能力も持つ朱里がサポートする。さらに、登場機会は少ないですが、印象深いキャラクターが登場して作品に変化を与えています。

3人は犯人に辿り着き、橙花の命を救うことができるのか……!?

ミステリーを読み慣れない人にもおすすめできる作品です。
── レビュー対象作品: 『殺人珈琲店の怪~大学生プロファイラー・蒼の事件簿~』作者:貴堂水樹

(※レビュー本文を対象としたピックアップ企画のため、同じ作品に対する複数のレビューが掲載される場合があります)


今回選出されたレビュワーのみなさまには、これからも素晴らしい作品の発掘と紹介を期待しています!

カクヨムgoodレビュワー大発掘会は、コンテスト終了直前の1月25日(木)投稿分まで受け付けています。気になる作品を見つけた方は、ぜひその感想を言葉にして伝えてみてください。第3回カクヨムWeb小説コンテストは、1月31日(水)まで開催中です。