概要
大国である龍華国の後宮に奉公に行ったまま、行方知れずになった姉・菖花(しょうか)を探すため、自らも宮女となった鈴花(りんか)。
だが、方向音痴で迷惑をかけてばかりの鈴花は姉を捜すどころか、毎日、同僚達に蔑まれ、叱責されてばかり。
ある日の夕暮れ。後宮内で迷子になった鈴花が出逢ったのは、銀の光を纏う美貌の宦官・珖璉(こうれん)だった。
人が「色」を纏って見えるという鈴花の力を知った珖璉は、後宮内で起こっている宮女殺しの犯人を見つけるために、鈴花の力を利用することを思いつき――。
超方向音痴などじっ子宮女・鈴
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- ★★★ Excellent!!!中華の後宮を舞台に事件を追う、ドジっ子宮女と麗しき宦官の恋物語!
権力争いが蔓延る後宮で、行方不明となった姉を探すべく自らも宮女となった鈴花(りんか)。だが生来の方向音痴と言った鈍臭さが足を引っ張り、上手くいかない所か同僚達に冷たく当たられる日々を過ごしていた。
その日も迷子になってしまった鈴花は、その見目麗しさから後宮中の女性の目を集める宦官、珖璉(こうれん)と偶然出くわす。人が「色」を纏って見える力を持つ鈴花は思わず、彼の美貌と彼が纏う色に見惚れてしまった。
それをきっかけに鈴花に声をかけた珖璉は、彼女の色が見える力を利用し、自身が追っている事件を解決出来ないかと鈴花を連れ出す。その事件は、後宮で起きている宮女殺し。何の糸口も見せず殺人を繰り…続きを読む - ★★★ Excellent!!!方向音痴な彼女は、真実への道だけは見逃さない
主人公は故郷にいた頃から、見えないものが見えるせいで不気味がられ、厄介者扱いされていた健気で優しく、お姉さん思いの子です。
後宮で行方不明になった姉を探すために、自ら後宮へと探しに行く強い子でもあります。
主人公は、極度の方向音痴で、誰に目的地の行き方を聞いても、何故か全くの正反対へ行ってしまうほどの酷さ。
そんな方向音痴のせいで、運命の相手となるヒーローと出会い、物騒な殺人事件へと巻き込まれていきます。
姉探しから始まった生活ですが、後宮を巡る真っ黒な騒動へと繋がり、やがてそこで彼女の生きる居場所を見つける。
色々ハラハラしたり、理不尽さに怒りが湧いたりもしますが、最後は絶対にラブラブあ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!小さな名もなき花は、道に迷いながらも運命へとたどり着く
中華の後宮で起きた陰惨な殺人事件。
この小説はそんなショッキングな冒頭で始まります。
美しさを競う華麗な花々の中で、ひっそりと咲く小さな花。主人公の鈴花は目を離すとどこへ行くかわからない真正の方向音痴さん。そこに現れたのは後宮中の耳目を集める美貌の宦官、珖璉(こうれん)。
珖璉は鈴花の特殊能力を知り、事件の捜査のために彼女を侍女にします。
事件にかかわっているうちに、珖璉に恋心を抱くようになった鈴花のその後は、そして後宮全体を巻き込む事件の顛末は……。
蟲を使う不思議な術の存在が照らす後宮の闇。
普通なら絶対に交わることのなかったはずの運命が、いま、動き始める。
- ★★★ Excellent!!!そのヒロイン、道には迷うが、見えないものを見ることが出来ます
行方知れずとなった姉を追って、龍華国の後宮にあがった鈴花。だが、彼女はドジで要領が悪い上に、極度の方向音痴。おかげで、同僚の宮女に迷惑ばかりかけている。
ある夕暮れ時、いつものごとく後宮内で迷子になった鈴花は、夕闇の中、まばゆい銀色の光につつまれた美貌の宦官・珖璉(こうれん)に出会う。
彼は連続宮女殺人事件の謎を追っていたのだが、偶然出会った鈴花が、人が纏う光の色を視ることができる≪見気の瞳≫を持つことを知り、彼女を自らの侍女として犯人捜しを手伝わせることにする。
ドジだが特殊能力のある侍女・鈴花と、神懸かった美貌の宦官・珖璉の二人が、陰謀渦巻く後宮で起こる事件の謎に迫る。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!それは糾える縄の如く、縺れた愛の物語
例えば、初めて行ったチェーン店の居酒屋でお手洗いに行ったとしましょう。
用を済ませて扉を閉め、記憶に従って通路を戻ります。
あれ?
おかしいですね。
さっきまで一緒にお酒を嗜んでいた仲間がいません。
見知らぬオジサマたちの宴会に混ざるわけにもいかず困惑する私。
この年になれば流石に察しがつきます。
ああ、またやってしまった……。
そんな経験、誰にでもありますよね?
え? ありますよね? あるでしょ!?
さて、今回の物語は、そんな私が非常に親近感を覚える女の子のお話。
彼女が出会うのは、赤ら顔のオジサマではなく、水の滴るような美貌の貴公子です。
彼の姿に銀色の光を見たことで、少女は後…続きを読む - ★★★ Excellent!!!今回ももちろんお砂糖過多でお送りしてますっ!
綾束さんのお話といえば、もうこれでもかっ、これでもかっ、てくらいにあっまあまなんですよ。
リアルの世界ならお砂糖は控えめであることに越したことはないんですけど、お話ならね?精神の方のお砂糖ならね?キログラム単位で摂取しても良いんですよ、無害なんですよ!むしろ明日への活力ゥ!!
今回のお話の舞台は『呪われた龍にくちづけを』シリーズでお馴染みの龍華国(もちろん『呪われた龍に〜』を読まなくても楽しめます)。という語感からもわかるように中華風ファンタジーです。しかも、女の嫉妬やらなんやらがぐーるぐるに渦巻いてる後宮!
今回のヒロイン鈴花ちゃんもまぁ、可愛くて健気でいい子なんですよ。その上スーパ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!後宮に渦巻くは女の陰謀と憎悪。行方不明の姉を探せ!
後宮で働く姉がある日行方不明になり、その消息を確かめるため自らも後宮に入った鈴花。意地悪な周りの侍女たちにいじめられながらも絶える日々を送っていたのですが、ある日銀色の気が見える、と発言したことにより美貌の珖璉様に見初められ後宮を揺るがす事件の捜査の手伝いをすることになります……
謎を配置したストーリーで事件を追う楽しさも感じながら、やはりそれを彩るのは美しい文章です。はっとするような表現が随所にちりばめられ、読むごとに物語世界へと身を沈めていく心地よさ。後宮の世界に心行くまで溶け込んで作品世界を満喫しました。
この作品を語るにおいて重要となってくるのはやはり妃賓と呼ばれる皇帝の寵愛を受け…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一粒で三度おいしい♡中華後宮ミステリ×異能力ファンタジー×甘々ロマンス
この作品は、後宮で起きた連続宮女殺人事件と、主人公・鈴花の穴の行方不明事件の調査を主軸に。
《蟲》を遣った術の存在や、人の纏う《気》の色が見える鈴花の異能というファンタジー要素を加え。
なおかつ輝くような美貌の宦官・珖璉とのじれじれもだもだシンデレラロマンスも楽しめてしまうという。
美味しい要素をこれでもかと盛り込んで見事に融合させた、まさに一粒で三度美味しい物語です。
淡麗な文章で綴られる緩急あるストーリーに、練り込まれた緻密な設定。
犯人を追っていくハラハラ感に、恋心のドキドキ感。
大変読み応えがありました。
丁寧に張り巡らされた伏線が、一気に回収されていく終盤の展開は圧巻。
そこか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!特別な力だけじゃない。彼女の魅力が周りを動かす
後宮に勤めているものの、生来のドジと方向音痴のせいで、失敗ばかりの鈴花。しかしそれでも彼女は、ある目的のため頑張ります。
同じく後宮に勤め、行方知れずになった姉、菖花。鈴花が後宮に来たのは、そんな姉を探すためでした。
ある日またもや道に迷った鈴花が出会ったのは、見目麗しい宦官、珖璉。とはいえ鈴花はそのお顔がよくわかりません。なぜなら鈴花の目には、珖璉が銀の光を纏っているように映っていて、珖璉本体がうまく見えないのです。
実は、鈴花には人の放っている《気》を見ることごできる、《見気の瞳》の持ち主。それに気づいた珖璉は、後宮内で起こっている宮女殺しの犯人を見つけるために、鈴花の力を借りようと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大国、龍華国を舞台とした、糖度高めの中華ファンタジー。
行方不明になった姉を探すため、姉が働いていた後宮に入った鈴花。
しかし姉を見つけるどころか失敗ばかりで、同僚達から役立たず呼ばわりされる日々。
そして同じ頃後宮では、官女が次々ころされるという事件が起きていました。
事件を解決すべく、美貌の宦官・珖璉が捜査をしますが、手がかり無し。しかしそんな中、偶然鈴花と珖璉が出会ったことで、物語は動き出します。
本作の推しポイントは、なんと言っても主人公の鈴花。
ドジで方向音痴。親にさえダメな子だ役立たずだと罵られてきた鈴花ですけど、唯一優しかった姉を探すために、後宮までやって来るとは、なんて健気な。
何事にも必死な頑張り屋で、ふとした事から手伝うこと…続きを読む