中華の後宮を舞台に事件を追う、ドジっ子宮女と麗しき宦官の恋物語!

 権力争いが蔓延る後宮で、行方不明となった姉を探すべく自らも宮女となった鈴花(りんか)。だが生来の方向音痴と言った鈍臭さが足を引っ張り、上手くいかない所か同僚達に冷たく当たられる日々を過ごしていた。

 その日も迷子になってしまった鈴花は、その見目麗しさから後宮中の女性の目を集める宦官、珖璉(こうれん)と偶然出くわす。人が「色」を纏って見える力を持つ鈴花は思わず、彼の美貌と彼が纏う色に見惚れてしまった。

 それをきっかけに鈴花に声をかけた珖璉は、彼女の色が見える力を利用し、自身が追っている事件を解決出来ないかと鈴花を連れ出す。その事件は、後宮で起きている宮女殺し。何の糸口も見せず殺人を繰り返す犯人を捕らえる事は出来るのか。だがその事件は、国を揺るがす一大事へのきっかけに過ぎなかった。同時に恋物語の火蓋を切った事も気付かずに、二人は大いなる波乱へ身を投じる。

 謎に陰謀、じれったい身分差の甘い恋までてんこもりな中華ファンタジーを読みたくなったら、是非本作を! 読んでて照れ笑いするぐらい甘いです!  

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