いなくなった息子を待ち続ける父親の、不抜の信念と愛情の話。
- ★★★ Excellent!!!
高校生の一人息子が何の手掛かりも残さず消えてしまった。
受け止め切れない衝撃に襲われた夫婦は消耗していく。警察はお手上げ状態、妻は「息子は異世界に転移したのだ」と流行りのラノベを読み漁っては現実逃避を始めてしまう中、気丈に息子の捜索を続ける夫が本作の主人公。
剣も魔法も無い現実世界で、警察でも探せない行方不明者をどう見つけるのか。主人公を襲う押し潰すような無力感と焦燥に、もし自分も、突然家族や大切な人がいなくなったらと考えてしまうリアリティがあり胸が詰まる。
それでも子供の無事を信じるのが親という生き物であり、何か息子に繋がる情報は無いかと息子の同級生らに話を聞いて行くが……。
子供の事は何でも知っている、一番理解していると傲慢になるのも、親という生き物ではないだろうか。
これぞ現代ドラマ。後悔に苛まれ、淡い希望に縋るしか術が無くとも息子を信じる父親の、不抜の信念と愛情の話。