背の高さにコンプレックスを抱える貧乏貴族出身のソティアが、幼い子供達の面倒を見てきた経験を活かし、その子育てスキルで活躍していくストーリーは個性があって面白かったです。
悩みと長所がハッキリしているソティアを始めとし、各キャラクター達の心情も明確に伝わってきて、若き国王ジェスロッドとソティアの不器用な恋愛模様でキュンキュンします。
文章的にも非常に読みやすく分かりやすく、あらゆる要素で隙がない上に高クオリティです。
じれったい二人が子育てを共通点に交流し、少しずつ距離を詰めて愛や絆を深めていく。そういった甘々ラブストーリーが大好きな人にオススメです。
青年ジェスロッドは、朴念仁ながら剣に秀でたローゲンブルグ王国の若き王。
王族に課せられし、〝数十年に一度訪れる邪神を聖獣と協力し封じる〟という大役を見事果たすが、聖獣・ユウェルリースが力を使い果たし、赤ん坊の姿になってしまう。想定外の事態にジェスロッドは、慌ててユウェルリースのお世話係を募集する事に。然し、邪神封印の役目を果たすまで結婚はしないと公言していたジェスロッドのこの行動は、王妃の座を狙う令嬢達を焚き付けると同義だった。
応募者が殺到した結果採用されたのは、王妃を目指す高位貴族の令嬢達と、高い給金目当てに応募した貧乏令嬢のソティア。その長身から〝かかし令嬢〟と蔑まれていたソティアだが、実家できょうだいの面倒を見る内に培った経験で、ユウェルリースのお世話係を何とかこなしていく。
その真摯な仕事振りからジェスロッドの目に留まるソティアは、ジェスロッドと親しくなっていくが……。さて高位の令嬢達はどう出るか。そして邪神封印の裏で、ジェスロッドを陥れようとする者が動き出す。
朴念仁と称されるジェスロッドですが、武人然としてカッコいい! 少女漫画のイケメンのような爽やか王子様タイプではありませんが、男らしいイケメンが好きなら要チェックだ!
貧乏から脱する為にやって来たソティアが、ひょんな事で出会ったジェスロッドへ芽生えた恋は叶うのか。ジェスロッドを狙う陰謀の行く末は? 王道ド真ん中のシンデレラストーリーを、ご照覧あれ!
シンデレラストーリーを数多く手がけられている綾束さまの作品です。
今まではヒロインに隠れた才能があって、それが縁で結ばれることが多かったと思います。
本作のヒロイン・ソティアの特技は、なんと子育て。
訳あって赤ちゃんになってしまった聖獣ユウェルリースのお世話係となります。
目が離せず気が休まるときもない赤ちゃんのお世話。
そんな仕事に真剣に取り組む姿は、ソティアにとって雲の上の存在である若い国王陛下の目に留まります。
ソティアには恋愛面での苦い記憶があり、陛下は陛下で女心が分かりません。
裏では国王の地位簒奪を企む陰謀もあったりしてもう大変。
果たして、この二人は無事……。
でも、そんな読者の注目をさらっていってしまうのが赤ちゃん聖獣ユウェルリース。
可愛さにハートを奪われます。
凄いんですよ、もう。
楽しめる部分が多すぎるんですって。
まず、なんといっても『ときめき爆盛りキュン死必須の綾束 乙作品』ですから、もうキュン死を約束されたような甘々展開の片鱗がそこかしこに見え隠れしてるんですけど、そこにもちろん『ザマァ』もチラチラこっちを見ているわけです。
そこへ来て!
ヨチヨチばぶばぶの最高にキュートな赤ちゃんまで出て来るんですよ!
何、もう、どうしたの!?綾束さん、どんだけ引き出し持ってんの?!
このジャンルで子育て要素もぶっ込んでくるの?!もう、欲張り!!!(息切れ)
いやそもそもその赤ちゃんはどなた?って話なんですけれども、こちら、タイトルにもあります通りに聖獣様です。聖獣?怪獣みたいな?と思われた方、いるでしょう。わかりますわかります。ご安心ください、『獣』の文字はありますが、『獣』感はありません。一角獣様ですが、ちゃんと人型。なので、力を使い果たし、赤ちゃんの姿になってしまったユウェル様も可愛い可愛いベビーちゃんなのです!もう既に推せる!!!
それで、この赤ちゃん聖獣のユウェル様のお世話係を募集したわけですが――、募集した場所が悪かった。王城ですよ、王城。そんでその国王が未婚でイケメンとなればですよ。どんな方々が『お世話係』としてやって来たかもうわかりますよね?!
令嬢ですよ、令嬢!
一応、ユウェル様は聖獣ですから、お部屋に入れるのは王家の人間と清らかな乙女のみです。なので、その集まった令嬢も『清らかな』乙女ではあると思うんですけど、
そろいもそろって使えねぇ!
マージで令嬢!
だって、お世話なんてどうでも良いんですよ、彼女らにしてみたら。
そんなことよりあわよくば国王であるジェスロッド様とお近づきになりたい!
そんな邪な女が『清らか』であってたまるか!
お前らそろいもそろって無能だな!赤子の世話を舐めんじゃねぇ!(二児の母の叫び)
ですが、ご安心ください!
出来る子、います!
清らかで、子育てもばっちりOKな子、います!大丈夫です!!!
それがヒロインであるソティア!
もうね、これには二児の母である私もにっこりです。彼女なら安心して任せられます。もうね、ソティアちゃん以外全員クビでOK。だって使えねぇんだもん。
そうなれば当然、ソティアちゃんの株もぐんぐん上がって、このままシンデレラルート突入か?!と思うわけですが、もちろんシンデレラルートにしても苦難はあるわけで。むしろあるわけで。ごめんねソティアちゃん、そこも込みで、楽しめるのが綾束作品なんだ……!
というわけで、クソ腹立つ令嬢共にギイギイしたり、ソティアちゃん頑張れって応援したり、ユウェル様キャワイイ!と目尻を下げたり、ジェスロッド様しっかりしろ!と激励したりと、もう楽しめる要素てんこ盛りのお話です!
現在、怪しい影もちらついており、まったく目が離せません!ぜひぜひ!
異世界ローゲンブルグ王国。ここには国を守る聖獣様がいたのですが、その聖獣様が力を使い果たして赤ん坊の姿になったからさあ大変。
若き国王ジェスロッドは、赤ん坊となった聖獣のお世話をしてくれる令嬢を集めますが、集まってきたのはまともに面倒を見ることができないろくでもない令嬢ばかり。
ジェスロッドとお近づきになりたいという邪な理由でやってきた人が、ほとんどだったのです。
こんな人達にお世話されては、聖獣様が可哀想。
しかし、そんな中一人だけ、大当たりがいたのですよ!
それは貧乏男爵家の出のソティア。彼女は身分のせいで他の令嬢達からキツく当たられますが、弟や妹の面倒を見ていた経験を活かして、聖獣様をしっかりお世話してくれるのですよ。
ソティア凄くいい子。他の役立たずの癖にふんぞり返ってる令嬢達に、爪の垢を煎じて飲ませてあげたい!
しかしそんなソティアには、ある悩みが。
実は彼女は背が高く、「かかし令嬢」と呼ばれ、その事にコンプレックスを抱いていたのです。
背が高いなんて良いじゃないか。むしろ羨ましいと言う人もいるでしょう。しかし、彼女は身長の事で悪く言われ続けてきていて、悩みの種なのです。
かつては婚約者から、背が高い事を笑われた挙げ句に婚約を破棄された事も。
その婚約者、ぶん殴っていいですか?
(o゚Д゚)=◯)`3゜)∵
コンプレックスに負けるなソティア。
君の姿は、そして心は美しい! とっても健気な長身令嬢の、子守と恋の物語。
ソティアの良さを分かってくれる素敵な殿方と結ばれて、幸せになれますように。
ローゲンブルグ王国に住まう聖獣。一角獣のユウェルリース。
若き国王であるジェスロッドと共に邪神を封印したまではいいのですが、その影響で彼は、なんと赤ん坊の姿になってしまいました。
その世話をするため、彼の住まう館には何人もの令嬢が集められたのですが、ここで大きな誤算が。
この令嬢たち、子守りなんてろくにできないばかりか、あわよくばこれを機にジェスロッドとお近付きになろうと考えている者ばかり。お前ら仕事しろ仕事!
そんな中唯一の例外が、貧乏男爵家の娘、ソティア。
訳あって行き遅れだのなんだの揶揄されている彼女ですが、そんなもの子守りできるかどうかには何の関係もありません。
その働きぶりは、ジェスロッドも認めるところ。
やっぱりね、仕事を疎かにして自らの欲に走るような人には、ヒーローは振り向いたりしないのです。ヒーローが見てくれているかどうかに関わらず真面目に頑張る子だから放っておけなくなるのです。
ただそれがわかってない奴らは、理不尽な嫉妬だってするのですよね。
ジェスロッドの方も、邪神を封印したとはいえ、ユウェルリースが赤ん坊になってしまったことで、大変なことが山積み。
この騒動、無事に乗り切る術はあるのでしょうか。
王家に属する聖獣が、冒頭に子どもへと退行する。
国王ジェスロッドはお世話役を募集し、ソティアもその一員となった。
しかし、ソティア以外の貴族令嬢は、玉の輿狙いで赤子の世話などいっさいしない。
そこでソティアは自らお世話役を買って出る。
ジェスロッドはそのことを察して……。
果たして、ソティアは国王から聖獣ユウェルリースのお守をまかせてもらえるのか。
それとも家へと返されるのか。
物語は今、岐路に立たされています。
甘々展開お約束の『綾束乙マジック』は本作でも遺憾なく発揮しております。
ぜひ、カクヨムコン二週目から連載を追いかけてみてはいかがでしょうか。