権力争いが蔓延る後宮で、行方不明となった姉を探すべく自らも宮女となった鈴花(りんか)。だが生来の方向音痴と言った鈍臭さが足を引っ張り、上手くいかない所か同僚達に冷たく当たられる日々を過ごしていた。
その日も迷子になってしまった鈴花は、その見目麗しさから後宮中の女性の目を集める宦官、珖璉(こうれん)と偶然出くわす。人が「色」を纏って見える力を持つ鈴花は思わず、彼の美貌と彼が纏う色に見惚れてしまった。
それをきっかけに鈴花に声をかけた珖璉は、彼女の色が見える力を利用し、自身が追っている事件を解決出来ないかと鈴花を連れ出す。その事件は、後宮で起きている宮女殺し。何の糸口も見せず殺人を繰り返す犯人を捕らえる事は出来るのか。だがその事件は、国を揺るがす一大事へのきっかけに過ぎなかった。同時に恋物語の火蓋を切った事も気付かずに、二人は大いなる波乱へ身を投じる。
謎に陰謀、じれったい身分差の甘い恋までてんこもりな中華ファンタジーを読みたくなったら、是非本作を! 読んでて照れ笑いするぐらい甘いです!
主人公は故郷にいた頃から、見えないものが見えるせいで不気味がられ、厄介者扱いされていた健気で優しく、お姉さん思いの子です。
後宮で行方不明になった姉を探すために、自ら後宮へと探しに行く強い子でもあります。
主人公は、極度の方向音痴で、誰に目的地の行き方を聞いても、何故か全くの正反対へ行ってしまうほどの酷さ。
そんな方向音痴のせいで、運命の相手となるヒーローと出会い、物騒な殺人事件へと巻き込まれていきます。
姉探しから始まった生活ですが、後宮を巡る真っ黒な騒動へと繋がり、やがてそこで彼女の生きる居場所を見つける。
色々ハラハラしたり、理不尽さに怒りが湧いたりもしますが、最後は絶対にラブラブあまあまな幸せいっぱいの結末が待っています。
是非とも彼女達と一緒に、幸せな真実を目指して読んでみて下さい!
中華の後宮で起きた陰惨な殺人事件。
この小説はそんなショッキングな冒頭で始まります。
美しさを競う華麗な花々の中で、ひっそりと咲く小さな花。主人公の鈴花は目を離すとどこへ行くかわからない真正の方向音痴さん。そこに現れたのは後宮中の耳目を集める美貌の宦官、珖璉(こうれん)。
珖璉は鈴花の特殊能力を知り、事件の捜査のために彼女を侍女にします。
事件にかかわっているうちに、珖璉に恋心を抱くようになった鈴花のその後は、そして後宮全体を巻き込む事件の顛末は……。
蟲を使う不思議な術の存在が照らす後宮の闇。
普通なら絶対に交わることのなかったはずの運命が、いま、動き始める。
行方知れずとなった姉を追って、龍華国の後宮にあがった鈴花。だが、彼女はドジで要領が悪い上に、極度の方向音痴。おかげで、同僚の宮女に迷惑ばかりかけている。
ある夕暮れ時、いつものごとく後宮内で迷子になった鈴花は、夕闇の中、まばゆい銀色の光につつまれた美貌の宦官・珖璉(こうれん)に出会う。
彼は連続宮女殺人事件の謎を追っていたのだが、偶然出会った鈴花が、人が纏う光の色を視ることができる≪見気の瞳≫を持つことを知り、彼女を自らの侍女として犯人捜しを手伝わせることにする。
ドジだが特殊能力のある侍女・鈴花と、神懸かった美貌の宦官・珖璉の二人が、陰謀渦巻く後宮で起こる事件の謎に迫る。
恋あり、謎あり、陰謀ありの後宮ものがたり。
おいしいご飯と甘~いお菓子にうっとりにんまりの鈴花と、その身に謎を秘めた銀光纏う美貌の宦官・珖璉のコンビは、ときにすれ違い、ときに意気投合して、百花繚乱、絢爛豪華な後宮に蔓延る、憎悪と嫉妬の坩堝の中を、おのれの大切なものを守るために駆け巡る。もっとも片方は秒で道に迷うけど。
美食と毒と謎が山盛りの満漢全席。どうぞ、皿までお召し上がりください。
例えば、初めて行ったチェーン店の居酒屋でお手洗いに行ったとしましょう。
用を済ませて扉を閉め、記憶に従って通路を戻ります。
あれ?
おかしいですね。
さっきまで一緒にお酒を嗜んでいた仲間がいません。
見知らぬオジサマたちの宴会に混ざるわけにもいかず困惑する私。
この年になれば流石に察しがつきます。
ああ、またやってしまった……。
そんな経験、誰にでもありますよね?
え? ありますよね? あるでしょ!?
さて、今回の物語は、そんな私が非常に親近感を覚える女の子のお話。
彼女が出会うのは、赤ら顔のオジサマではなく、水の滴るような美貌の貴公子です。
彼の姿に銀色の光を見たことで、少女は後宮を震撼させる巨大な陰謀に巻き込まれます。
雰囲気たっぷりの中華ファンタジーをベースに繰り広げられるノンストップサスペンス!
そしてそして、お砂糖マシマシのダダ甘ロマンス!
さあ、心の血糖値スパイクにご注意あれ!
綾束さんのお話といえば、もうこれでもかっ、これでもかっ、てくらいにあっまあまなんですよ。
リアルの世界ならお砂糖は控えめであることに越したことはないんですけど、お話ならね?精神の方のお砂糖ならね?キログラム単位で摂取しても良いんですよ、無害なんですよ!むしろ明日への活力ゥ!!
今回のお話の舞台は『呪われた龍にくちづけを』シリーズでお馴染みの龍華国(もちろん『呪われた龍に〜』を読まなくても楽しめます)。という語感からもわかるように中華風ファンタジーです。しかも、女の嫉妬やらなんやらがぐーるぐるに渦巻いてる後宮!
今回のヒロイン鈴花ちゃんもまぁ、可愛くて健気でいい子なんですよ。その上スーパー方向音痴というドジっ子属性まで!これはもう、愛でるしかない!
そんでもちろん出るわ出るわイケメンが!イケメンしかおらんのか!ってくらい出ます!私の一押しは『禎宇さん』です!
そのイケメンの総大将(そんな役職ではありません)・珖璉様がもう!パーフェクトイケメンなんですよ!
えーっ、てことは、もうこれ鈴花ちゃんと珖璉様が良い感じになるじゃん絶対ー!今後の展開読めたでござるー!ってそんな浅いお話じゃないんですよ!
ミステリーですよ、ミステリー!
この後宮、実はとんでもない事件が起こってるんですよ!甘々してる場合じゃないんですよ!!早く、早く諸々解決して甘々展開になってくれよぉっ!(息切れ)
とまぁ、いささか興奮しましたけど、とにかくそのミステリー部分もですね、ハラハラしっぱなしなんですよ。犯人は誰だ、何が起こってるんだ、あの人は無事なのか!?って。
ミステリー部分で楽しめ、
鈴花ちゃんの可愛さに癒やされ、
珖璉様の美しさにため息をつき、
そして最後には――!
なんて楽しみてんこ盛りの本作、完結しております!
もう一度言います、完結しております!!
一気読みするならいまです!!
後宮で働く姉がある日行方不明になり、その消息を確かめるため自らも後宮に入った鈴花。意地悪な周りの侍女たちにいじめられながらも絶える日々を送っていたのですが、ある日銀色の気が見える、と発言したことにより美貌の珖璉様に見初められ後宮を揺るがす事件の捜査の手伝いをすることになります……
謎を配置したストーリーで事件を追う楽しさも感じながら、やはりそれを彩るのは美しい文章です。はっとするような表現が随所にちりばめられ、読むごとに物語世界へと身を沈めていく心地よさ。後宮の世界に心行くまで溶け込んで作品世界を満喫しました。
この作品を語るにおいて重要となってくるのはやはり妃賓と呼ばれる皇帝の寵愛を受ける個性豊かな女性たちの存在でしょうか。彼女らの間には相手を蹴落としてでものぼり詰めようとする強い意志を感じています。そこもまた作品の面白さかなと、女の執念ですよね。
やがて物語は後宮全体を巻き込んで恐ろしい事態へと発展していきます。
最後はかなり迫力があります。観応えたっぷりです。
事態を鈴花と珖璉様が無事解決できるのでしょうか。
そして姉の気になる行方は……
お砂糖たっぷりの後宮ミステリー読んでいかれてはいかがでしょう。
お勧めいたします(*´ω`*)
この作品は、後宮で起きた連続宮女殺人事件と、主人公・鈴花の穴の行方不明事件の調査を主軸に。
《蟲》を遣った術の存在や、人の纏う《気》の色が見える鈴花の異能というファンタジー要素を加え。
なおかつ輝くような美貌の宦官・珖璉とのじれじれもだもだシンデレラロマンスも楽しめてしまうという。
美味しい要素をこれでもかと盛り込んで見事に融合させた、まさに一粒で三度美味しい物語です。
淡麗な文章で綴られる緩急あるストーリーに、練り込まれた緻密な設定。
犯人を追っていくハラハラ感に、恋心のドキドキ感。
大変読み応えがありました。
丁寧に張り巡らされた伏線が、一気に回収されていく終盤の展開は圧巻。
そこから怒涛のハッピーエンドへ繋がり、文句なしの大団円で読了後の満足度も最高でした。
多くの方が楽しめる作品だと思います。ぜひご一読ください!
後宮に勤めているものの、生来のドジと方向音痴のせいで、失敗ばかりの鈴花。しかしそれでも彼女は、ある目的のため頑張ります。
同じく後宮に勤め、行方知れずになった姉、菖花。鈴花が後宮に来たのは、そんな姉を探すためでした。
ある日またもや道に迷った鈴花が出会ったのは、見目麗しい宦官、珖璉。とはいえ鈴花はそのお顔がよくわかりません。なぜなら鈴花の目には、珖璉が銀の光を纏っているように映っていて、珖璉本体がうまく見えないのです。
実は、鈴花には人の放っている《気》を見ることごできる、《見気の瞳》の持ち主。それに気づいた珖璉は、後宮内で起こっている宮女殺しの犯人を見つけるために、鈴花の力を借りようとします。
ドジで不器用な少女が、思わぬ力のおかげで大逆転?
と言いたいところですが、少し違います。もちろん、鈴花の持つ《見気の瞳》が本作の大きな要になっているのは間違いありません。ですがそれだけではないのです。
鈴花最大の魅力は、純朴さと一途さです。行方不明のお姉さんをわざわざ探しに来たのだってそう。陰謀や愛憎渦巻く後宮にはおおよそ似つかわしくない彼女ですが、それでも必死に頑張る姿は、周りの、そして珖璉の心を、しだいに惹き付けていくのです。
そしてそして、そんな鈴花に惹かれていった、珖璉が実に魅力的。
この二人がどうなるのかは、お姉さんの行方や後宮の事件以上に気になるところかも。
行方不明になった姉を探すため、姉が働いていた後宮に入った鈴花。
しかし姉を見つけるどころか失敗ばかりで、同僚達から役立たず呼ばわりされる日々。
そして同じ頃後宮では、官女が次々ころされるという事件が起きていました。
事件を解決すべく、美貌の宦官・珖璉が捜査をしますが、手がかり無し。しかしそんな中、偶然鈴花と珖璉が出会ったことで、物語は動き出します。
本作の推しポイントは、なんと言っても主人公の鈴花。
ドジで方向音痴。親にさえダメな子だ役立たずだと罵られてきた鈴花ですけど、唯一優しかった姉を探すために、後宮までやって来るとは、なんて健気な。
何事にも必死な頑張り屋で、ふとした事から手伝うことになった官女殺しの下手人探しにだって、手は抜きません。
気がつけば鈴花のことを、親のような気持ちで見守っている自分がいました。
そしてこの作者様の得居技。とろけるような甘ーい恋も健在です。
ドジっ娘官女と美貌の宦官は、はたして姉と事件の犯人を、捕まえることができるのか?
事件と恋模様の、両方をお楽しみください。
甘美な雰囲気を纏う後宮で起こる連続殺人事件。
それを解決しようと、美貌の宦官と超方向音痴な宮女が奮闘するお話です。
主人公の宮女、鈴花ちゃんは、方向音痴で後宮の中でも数々の失敗談あり。
でも彼女は、周りから妬まれることとなり苛められても、とんでもなく怖い目に遭ってしまっても、負けずに事件の解決と自身の目的の為に頑張るのです。
そして事件と共に展開されていくのが、鈴花ちゃんと事件の捜査にあたる美貌の宦官、珖璉との恋模様です。
事件と恋模様、そのどちらからも目が離せません。
お話は佳境に入ってきましたが、まだまだ間に合います!
是非、御一読を!
大国龍華国の後宮において、連続官女殺しの事件が発生。
宦官の珖璉は犯人を捕らえ、開催が迫る『十三花茶会』を無事実施しなければならない。
そんな彼の元に現れたのが、官女鈴花。
鈴花は、後宮に上がったまま行方不明になった姉を探すために、自らも官女を志したものの……。
ちょっと、いろいろありまして。
生来のドジっ子、というか……。まあ、それに、致命的な方向音痴なんですよ、この子。
だけど、一生懸命だし、健気だし、なにより頑張り屋さん。
もう、お母さん気分で、「ああっ。もう、大丈夫!?」とハラハラしっぱなしなんですが……。
このお嬢さん。
実は特殊能力をお持ちなんです。
《見気の瞳》という、人の気が見えるんですね。色付きで。
そのことに気づいた珖璉は、鈴花の力を使って犯人を捜そうとするのですが……。
この作者様。
じれじれもだもだの恋愛小説で定評のある方。
砂糖を吐くほど甘い恋愛ものが、本当にお上手。
ただ、個人的に。
私、この作者様の『ローマ時代シリーズ』が大好きで。
時代考証のしっかりした作品でありながら、推理物でもあるんです。
(今回も、『へー……。後宮ってこんなに職種がわかれてんのか』と驚きました)
なんと、今回は……。
その融合!
恋愛と推理物が同時に楽しめます!
あと。
これも個人的感想ですが……。
一話一話の字数が、無理ないんですよね。
私、これ結構大事で……。
時間の空いた時、移動中、昼休憩なんかに読んだりするので、ほんと、この作品は最適。
いやあ、でも。
続きが気になって、仕事や勉強が手に付かず、結局まとめ読みしちゃうことについては、自己責任でお願いいたします。
優美な後宮を舞台に、恋愛あり、ミステリーありと、面白い要素をこれでもかと盛り込んだ最上級のエンタメ小説です。
主人公はおっちょこちょいで親近感がわくタイプ。でも、生まれ持った特殊能力によってイケメンに可愛がられ、守られ、しかも実はそのイケメンの出自には秘密があって……って、これだけでもワクワクが止まりません。
しかも、周りを取り囲むキャラクターがみんな魅力的で。どんどん深みにはまってしまいます。
続きはどうなるの? とページをめくる手が止まりません。
性別を問わず、どなたでも楽しめる作品です。一度手に取ってみてはいかがでしょうか?
中華風宮中ストーリーです。
宮中の華やかさや女中通しのどろどろさ。でも、登場人物・特に宦官(かんがん)の珖璉(こうれん)の存在がストーリーに華やかさを持たせています。
主人公はちょっと鈍くさい鈴花(りんか)ちゃんなのですが、その彼女には不思議な力があります。
鈍くさい女の子のほのぼのストーリー、というわけではなく、鈍くさいけど滅茶苦茶必死に頑張って”ある目的”を果たそうとしている主人公を応援したい気持ちでいっぱいです。
読んでいると、脳内が宮中にトリップして凄く華やかな気持ちになります。
中華風ストーリーって馴染みが無かったんですが、これをきっかけにはまりそうです。