第29話 内緒、内緒なんです。
グレアにノワル、ドリス。
様々なタイプの裸を見せられたってわけで……。
んー、正直溜まる。
こういう感情って戦闘に必要ないと思うのだが、エルフはその辺の調整はしてくれてないようだ。
こういう感情を持つようになるとも思われていなかったのかもしれないが……。
当たり前だが、グレアとノワルは人化すると人のサイズに……。
ドリスは元々人のサイズに……。
好意を持ってくれているからとこのサイズ違いで……って言うのは無いし、俺の中ではフェンリルなグレアとブラックドラゴンなノワルとの獣姦はない……。
ベアトリス様……だったっけ? には魔道具を探してもらってはいるが、いつになるのやら……。
とりとめもなくいろいろ考えているが、要は悶々しているわけだ。
まあ、こういう時は仕方ないのでグレアとノワルが眠った後にホールを抜け出し、木の影になる誰も居ない場所で……ってことになる。
いつ以来だ、こんなことするの。
情けないやら恥ずかしいやら……
だから、すっきりしたら即撤収。
ひんやりとした空気の中で解放感でちょっと癖になりそうだ。
ただ、慣れてしまうのも怖いので我慢できるときは我慢である。
さっさと帰って寝るかな……。
ホールに戻るとグレアは居ない。
レーダーで確認すると、近くには居た。
周りに光点がある。
近づいているところを見ると、餌になる魔物でも見つけたのだろう。
腹が減って、何か狩っているのかね?
風呂に入って体を流し、更にすっきりしたところで横になった。
------------------------
私が寝ている間にご主人様が外に出かけました。
熊スーツのズボンを脱ぐと、下着の隙間から何かを出して……何をしているんでしょう?
「うっ……」
と軽く呻いた後、魔法で何かを洗い、そのままホールへ戻るご主人様。
出たものにご主人様のすごい魔力を感じる。
ご主人様が居たところにものすごい勢いで走ってくる魔物が数匹。
マジセンスディア。
魔力に敏感な鹿。
ご主人様が温泉を作ってから、ご主人様の魔力に導かれてよくやってくる。
お陰で私やノワルさんの餌になっている。
にしても何でご主人様の魔力がこんなところに!
スンスンとそのにおいを嗅ぐと、ご主人様の臭いで間違いない。
温泉で感じるよりも格段に濃い魔力。
この魔力にマジセンスディアが気付いて集まってきたのかも。
これって食べられるの?
マジセンスディアが来るということは食べられるってことだと思う。
意を決してペロリ。
なにこれ!
なんだか変な味だけど、凄い魔力が体を駆け巡る。
夢中になって舐めている間に全部を舐め切ってしまった。
私の魔力が強くなっていることがわかる。
そして、その魔力に反応したのか、マジセンスディアも現れた。
魔力が多くなったせいなのか少しおなかが空いてしまう。
近寄るマジセンスディアを待ち伏せして、美味しくいただきました。
ご主人様のアレって何なんだろ……。
夜に抜け出すご主人様に気をつけねば。
ホールに帰って眠り、次の日の朝。
「どうしたのじゃ!
凄い魔力ではないか!」
ノワルさんに驚かれた。
多分あれを舐めたから……。
私はフェンリルになっているとはいえノワルさんより魔力が少ないし弱い。
「マジセンスディアを狩っただけなのですが……」
と私が言うと、
「あの鹿か……。
あいつらは魔力を溜める癖があるからのう……、うらやましいことにかなり魔力を溜めた奴を狩ったのかもしれんな。
と言って頷きながら温泉に向かうノワルさんだった。
本当のことは内緒内緒……内緒なんです……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます