第89話 でも、やはり軍事施設でした。
中を歩くと個室がいくつかに大部屋がいくつか。
ここに兵員や研究者が寝泊まりしていたようだ。
家を作った意味が……とは思ったが、やはりここで生活するよりも家庭というものがあったほうがゆっくりできるだろうし、それこそいろいろできるだろう。
あと、食堂があるが風呂が無い。
エルフは精霊に頼んで魔法で体をきれいにできる。
風呂は気持ちいいのに……。
まあ、うちには温泉は外にあるので問題はない。
浸かればいいだけ。
武器庫にはAK-47のような銃器。
他にも軽機関銃や重機関銃のような武器。
それよりもウェアラブルな無線機があった。
これがあれば必要な場所と連絡が取れる。
どこと連絡を取るんだ? と言われれば困るんだが……。
今後騎士団のような軍を持つようになった場合は必要となるだろう。
この世界、中世ヨーロッパっぽい。
タイミングを合わせるための方法などのろしとかしかないだろうな。
これがあれば……連絡報告に攻撃のタイミング合わせなどが簡単になる。
色々な兵種があるにしろ、それを動かす情報がすぐに伝わるわけだ。
ただまあ、必要にならないほうがいいのかもしれないが……。
さてと……倉庫を漁れば、塩やコショウの調味料に生活雑貨。
昔のエルフは俺が生活していた前の世界と変わらないような生活をしていたらしい。
棚に綺麗に管理された服。
クリーニングを終えた物だろうか。
その中には軍服のようなものがあれば作業服のようなものもある。
「あっ……このマークは……」
俺の頭の中に入っていたサイズ調整の魔法を付与された服につけられるエルフのマークがあった。
「グレア、着てみてくれる?」
と差し出した女性補佐官用の軍服はあからさまに小さいが、グレアは気にもせずそれを着着ようとすると、薄っすらと輝いた後、グレアの体にピッタリに変わった。
「おぉ……いいねぇ……。
できる指揮官の秘書だねぇ……」
スタイルがいいグレアのくびれが強調され、できる秘書のような恰好。
出来る指揮官って俺……でいいのかね?
俺が呟くと、嬉しいのかグレアの尻尾がフリフリ。
嬉しい時の尻尾対応らしい……。
「私にも!」
「
「私にもです!」
ベアトリスとノワル、ウルもねだってきたので渡してみた。
「こんな服を着る者は私達だけですね。
これなら、アリヨシ様の妻だということが一目でわかります」
「そうじゃのう。
人型でおるときはこれを着ることにしようか」
「はい、そのほうがアリヨシ様の妻として目立ちます」
「ご主人様も気に入っているようですし……」
ジーッと四人が見てきた。
正直俺の趣味に合っている。
「いいんじゃない?」
と俺が言ったことで、四人のここでの服が決まるのだった。
ドリスにも要るかなぁ……。
まあ……予備もあるし問題なしか。
ドリスも……まあ、いい感じかも……。
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