第82話 10階層のボス
7階層に降りて進んで行く家族、この階の魔物は咲の魔法で全滅している様だった、パパが地図を見ながら進んで行く、迷いもなく魔物も居ないので暫くするとすぐに8階層に降りる階段が見つかった。
パパ 「疲れはどうだ?休憩するか?」
おと 「疲れるようなことしてないよ?」
ほし 「ただ歩いて居ただけだしね、可愛い子まったくいない!」
ママ 「さきは大丈夫?このまま行ける?」
さきは怒られた事でまだ落ち込んでいる様だ、暫くそっとしておこう。
パパ 「じゃあ次の階層に進むとするか」
パパが先頭になり次の階層に進む、シーンとしている8階層だった。
おと 「ここの魔物も上がって来ていたのかな?」
パパ 「そうかも知れんな、静まり返ってるな」
ママ 「じゃあさっさと行っちゃいましょうか」
音を先頭にして進んで行く家族この階も全く魔物に合う事は無く9階層に入った。
パパ 「この先はまだ誰も言ったことが無いはずだ慎重に行こうか」
おと 「ここも魔物居なさそうだよ?」
パパ 「罠が有るかもしれないからな探査で見つかるが注意して行こう」
階段への道には罠は無く寄り道や迷わなければ問題無いようだった。
おと 「もう階段あるよ?」
パパ 「迷わなければ案外そんなもんだな」
ママ 「10階はボスが居るんでしょ?」
パパ 「コブリンキングのはずだが居るかな?」
おと 「まあ降りて見れば分かるでしょ?」
見て見ない事には分からないと言う事で降りてみる事にした。
おと 「何か居るみたいだね」
パパ 「じゃあここはパパと音で行こうか、ママは咲と星を守ってね」
パパが珍しく初めから剣を抜いている、音とパパで10階層に足を踏み入れた。
パパ 「あれはオークキングかな?コブリンでは無いな」
おと 「オークたちが上がって来て押し出されたのかな?」
パパ 「オークも押しだされたかもな?」
おと 「最後の階はオーガキングだっけ?」
パパ 「そのはずだがな、音援護をしてくれパパが突っ込む!」
パパが走り出していく音は呆気に取られていた、パパが先頭で魔物に突っ込んでいく事は今までになかったはずだ、実を言うとパパも最近調子が良い事で自分の力を試したくってウズウズして居たのだ、咲だけじゃなく実はパパも調子に乗って居たのであった。
おと 「いきなり始めないでよ!」
パパ 「のんびりして居たらパパが全部倒しちゃうぞ!」
オークの取り巻きの上位種のオークソルジャー、オークメイジ、オークアーチャーがオークキングを守り周りを固めていた。
オークギングが「ブギャー」と咆哮を上げると一斉に此方をターゲットにして襲い掛かって来た、バフも掛かって連携もされている、オークソルジャーがパパに斧を振り下ろす!ヒョイっと躱し振り下ろされた腕をパパが切り落とす!「ギャー」と悲鳴をあげ転げまわるオークソルジャーに音が止めを刺す、パパはソルジャー達に囲まれているが問題なさそうだったので、音はパパを狙うメイジとアーチャーを倒す事にする、10匹のオークメイジがが横一列になって呪文を唱えている、パパに夢中になって音は警戒して居ないので横に回り込み風の斬撃を飛ばすと一気にメイジを全滅させてしまった。
アーチャーは今までパパに向かって矢を放っていたがパパは飛んで来た矢を収納してしまうので意味が無かったが音がメイジを一瞬で全滅させてしまったので此方の方が危険と判断して音に向かって矢を放ってきた、20匹ほど居るオークアーチャーが次々と音めがけて矢を放つ、走り回る音を捕らえる事が出来ずに矢を撃ちまくるアーチャー仲間のオークソルジャーに矢が当たってしまって居るが御構い無しの様だ。
パパが矢が当たって怯んだオークソルジャーに向かって切りかかり倒して行く、音も走りながらアーチャーを一匹づつ仕留めて行った。
音は走り回りながら近いオークから順番に倒して行っていた「よしこれで最後」と倒してしまったオークがキングだった。
おと 「パパこっちは終わったよ~がんばれー!」
パパは初めオークソルジャー20匹ほどに囲まれて戦って居た今は残り8匹迄減って居る、音の様に一撃で倒せていないが確実に数を減らして行って居た。
おと 「ヘイヘイ!パパへばって来てるよ~根性見せろー!」
パパ 「うるさいな!こいつら硬いんだよ!」
パパに硬いと言われたので試しに一匹音が倒してみる事にした、飛び掛かって剣を振り下ろすと脳天から一気に切り裂いてしまった。
おと 「パパ~別に硬くないみたいだよ?」
ステータスの違いを見せつけられたパパだったがそんな事は初めから分かって居た事だったが、最近パパも大分ステータスが上がって来て戦闘も普通にこなせる様に成ってきていたので自分の力を試したかった、少し調子に乗ってはいたが音に見事に伸びた鼻をへし折られるのだった。
今ではオークソルジャーに囲まれた程度では難なく対処出来るまでになって居るパパだった。
パパ 「わざわざ見せつけなくって良いんだよ!初めからステータスの違いは分かってるだろう!」
おと 「パパも大分成長したよね~よく頑張ってるよ!」
自分の子供に天より高い所から見下ろされていたパパ、音はパパを少し揶揄いながらも色々な事が出来るパパの事は認めていたのだった。
オークソルジャーを全滅させたパパは得意げに
パパ 「パパも少しは戦えるようになっただろう!あれ?キングはどこ行った?」
おとは首チョンパされているキングを指さした。
パパはキングで腕試ししたかったのだが時すでに遅しだった、仕方なく倒したオークを収納してお肉をゲットするのだった。
ママ 「パパ、おとお疲れ様!」
ほし 「パパも強いんだね~かっこよかったよ!」
パパ 「そうか?かっこよかったか!」
さき 「ハイオークとソルジャーはどっちが強いの?」
パパ 「普通のオークが進化するとハイオークになってさらに進化すると、ソルジャーやメイジアーチャーになって職業を得る感じだな」
おと 「じゃあハイオークより強かったんだね~」
さき 「あんまり変わらない様にも思えたけど」
まあ子供達には大した違いには見えなかっただろうな、像がアリの強さ分かるかと言われても分からないだろう…
パパ 「これでボスは倒したから普通なら丸一日はここは安全地帯に成るはずなんだが、下から魔物が上がって来るかも知れないからな安全とは言えないな」
おと 「オークキングは15階のボスなんだよね?じゃあ15階までは魔物居ないかもしれないって事?」
パパ 「そうかも知れないが20階のオーガキングが上がって来てるかもしれないからなそこは何とも言えんな」
ママ 「行って見なければ分からないって事ね」
パパ 「取り敢えずここでしばらく休憩して行こうか、食事を済ませてどうするか考えようか」
簡単に食事を済ませて休憩しながら今日は何処まで行くか相談をする。
パパ 「もうすぐ夕方かな?今日は何処まで行く事にする?」
ママ 「夕方ならここで夜営しても良いわよね?」
おと 「もう夜営するの?早くて暇に成っちゃうんだけど!」
さき 「疲れていないからもう少し進む?」
ほし 「ほしはどっちでも良いよ?」
パパ 「次のボスの15階層まで行って倒せば安全地帯に成るはずだが今の状況だと安全か分からないからな、ほしの結界さえ有れば何処でも良いから行ける所まで行く事にするか?どの階層も迷わずに真っ直ぐに次の階層に向えば1時間も掛からんからな今なら魔物も居ないからもっと早いかもしれん」
ママ 「今から15階層に向かうのかしら?」
おと 「良いんじゃない?もうすぐ17時位なら15階層まで4時間で付いてボス倒せば寝るのに丁度良い時間じゃん」
パパ 「順調に行けばそうかも知れんがな、まあ行ける所まで行っちゃうか!」
今後の行動を決めて11階層に乗り込む家族、この階層も静まり返って居た。
おと 「この階も魔物居なさそうだよね?」
パパ 「そうだな、警戒だけはしながら進むとするか」
パパが地図を見ながら進んで行く。
パパ 「そこの道右に行くと宝箱有るみたいだがどうする?」
ほし 「宝箱!行きたい!」
ママ 「少しくらい寄り道しても良いかしらね」
パパ 「分かった宝箱取りに行こうか!」
ほし 「やったー!パパが開けてね~食べられるの怖いから!」
パパ 「パパも食べられるのはもうごめんだな!」
音が部屋の中を覗き込むと部屋の真ん中に宝箱が置いてある。
パパ 「皆は部屋に入るなよ」
パパが宝箱に近寄ると手を掛けた、(パカ!)と小気味良い音と共に宝箱が開いた。
パパは暫く身構えるが何も起きなかった様だ、宝箱の中身は腕輪の様だ、パパが収納して名前を確かめる、皆の元に戻って来たパパ
ママ 「今回は何も起きなくて良かったわ」
おと 「何が入ってたの?」
パパ 「理力の腕輪って言う腕輪だな、此れは咲が付けると良いだろうな」
さき 「どんな効果があるの?」
パパ 「この理力の腕輪は魔法の補助だな、普通なら魔法が使えない者が装備すると魔法が使えるように成るんだ、魔法の補助をして魔力の使い方を教える役目をするんだ、咲が装備すれば魔法の操作や威力が調整しやすくなるはずなんだ」
おと 「さき今直ぐに使いなさい!」
パパが咲に腕輪を渡すと咲はすぐに腕に装備をした。
ママ 「咲どうかしら?何か変わった?」
さき 「全然分かんないかな?」
パパ 「魔法を使えば分かるはずだ、次に魔物が出たら咲が倒して見な、威力は一匹が倒せるくらいにするんだぞ」
そんな会話をしていると(ゴゴゴゴゴ~ーーーー)と地響きが聞こえて来た。
おと 「何の音かな?上から聞こえる気がするんだけど?」
地響きは確かに上から聞こえている気がする、皆不安になり上ばかり気にしだした、パパが辺りを警戒して居ると足元に魔法陣が展開されているではないか!
やばいと思ったパパが叫ぶ「皆手を繋いでくっ付け!転移されるぞ!」皆が固まり抱き合った状態で転移が発動しその場から家族の姿が消えたのだった。
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