第20話 異世界あるある

むこうの世界に居たよりこちらに来てからの方が家族が仲良くなった。一緒にいる時間も増えたし会話も多い。今の所不自由も無いしな。移動が面倒だけどステータスの影響かそれ程苦ではない。

銀狼族の家族にステータスを聞いてみたが、「ステータスなんだそれ?」と困惑顔。自分の能力が分かる物だと説明すると、「ああ教会で祈ると見れるな、非常に高いお布施を求められるので金持ちしか調べん」と教えられる。

教会で女神さまに祈るしか知る方法はない様なので勝手に人のステータスは見れないと言う事だ、何だかちょっとホッとした、パパ以外の家族のステータス見られたら騒ぎになりそうだからな…


お布施はいくらすれば良いか確認すると金貨1枚は必要だと言う、金貨一枚あれば4人家族で一か月暮らせると言う、確かに市場で見かけた食料は安かったな、代わりに服は高いらしい古着で銀貨5枚はする、皆古着を直しながら使うと、道理で町に居る人は、継ぎはぎだらけだった訳だ。そう言えば受付に服を用意してくれと白銀金渡しちゃったな、そりゃ笑いが止まらんわな…


色々教えてもらいながら眠りにつく、獣人家族もうちの家族も疲れていたんだろうぐっすり寝れた。


次の日の朝、コンコン!「朝食をお持ちいたしました」と声がする、ジョンに対応してもらい机に並べてもらう、じゃあ食べようかと言ってうちの家族は食べだすが、獣人家族は立ったままだ、「どうした?食べないのか?」と聞くと困惑顔。普通は奴隷と主人は一緒に同じものは食べない、余りものを後で貰えれば良いらしい。

ママ 「そんなの気にしなくていいわ!早く座ってたべなさい!」

パパ 「そうだぞ、皆で食べたほうが美味しいしな」

おと 「そうだね、自分達だけ食べてると気まずいよね」

ぽち 「お前たち変わってるな…」

ハナ 「こらポチ!そんな口の利き方しないの!」

ママ 「そうね変わってるかもね、さあ座って食べなさい」


困惑しながら席に着き泣きながら食べだす、泣かくほどの事らしい…


パパ  「まあ普通にしてくれて良いよ、買いはしたが奴隷として扱う事はしない。何なら解放したって構わないしな、解放って出来るの?」

ジョン 「解放は主人が首に手を当て解放すると言って魔力を流せば出来たはず」

パパ  「そっかじゃあ今から解放しようか」

ジョン 「それはありがたいが、今されても困るな…また捕まって奴隷にされる」

パパ  「サシャ共和国って人と獣人が共存してるんじゃないのか?」

ジョン 「表面上はそう言ってるな、タルト帝国では獣人は家畜扱いだ、サシャ共和国はランプ獣王国に接している地方は、表面上は仲良く共存しているが裏では獣人を奴隷にしている、獣王国から離れれば離れるだけ扱いがひどく成る、タルト帝国に接している地方は酷いもんだ」

パパ  「なぜ逃げて獣王国に行かないんだ?」


ランプ獣王国は力がすべての国。力のないものは虐げられる。生活も狩りか農業だ。

土地を持って居ないと生活が出来なくなり、サシャの商人が交易のために来るんだが仕事は何でもやりたい仕事につけると良いことばかり言って騙される、仕事を求めてサシャ共和国に来ると奴隷にされて働かされると言う事だ、獣人は基本的に脳筋ですぐに騙されるとの事。

ジョン達家族はサシャに着てすぐに辺境の村開拓の募集を見て参加、静かに暮らしていたが、奴隷狩りに会い捕らえられたと、その村は奴隷を捕らえる為に作られた村だったと後から聞かされた。

ポチは何とか逃げおおせ湖で一人でしばらく暮らしていたが、生活のため町に出てきた所を奴隷商で家族を発見、助けようとして大暴れして、つかまり奴隷にされたとの事だ。大体の事情は分かった。どの国に行っても力の無い獣人は虐げられると。


パパ  「なら一緒に私ら家族が住んでいる場所にくるか?深淵の森の中だが」

ジョン 「森の中で平気なのか?深淵の森は魔物が手に負えなくて浅い所しか入れんと聞いているが」

パパ  「住んで居る所は中層の奥かな?ここからポチの住んで居た湖の奥に一日歩いた所にあるんだ」

ジョン 「住んで居ると言う事は安全なのか…此処に居てもどうにも成らん一緒に連れて行って貰っても良いか?」

パパ  「それは良いが住む家が無いな…食事は心配するな、毎日腹いっぱい食べれるぞ、畑は手伝ってもらおうかな」

ジョン 「住むところは自分たちで何とか出来る、道具だけ用意してもらいたいが良いだろうか?」

パパ  「この町で揃えれる物なら買って行こう、服も買わないとな」

ジョン 「何から何まですまないな、この恩はきっと返す!」

パパ  「まあそう気にするな!私たちが困ったら助けてくれればいいよ」

ジョン 「その時は任せてくれ命に代えても助けよう!」

パパ  「命はすてるなよ?家族が悲しむぞ」


フフと笑うジョン!ポチが嬉しそうに尻尾を振ってご飯を食べていた。

朝食後まずは服をどうにかしようと買い物に行くことにした、女性陣とポチが服と食料調達パパとジョンが大工道具を揃えるために別行動だ、ママに何かあったらすずちゃん飛ばしてと言っておく。

今日は防具は着て、音は剣を装備させておく、ポチが剣を羨ましそうに見ていた、後で何か武器を買ってやろう。


買い物終わったら真ん中の広場で待ち合わせ、資金は手持ちがまだまだある。

創造神様ありがとう!と祈りながら買い物スタート、金物屋?に入っていくジョンその後に続いて入る、ジョンを見て変な顔をしていた店主がパパを見てニコニコしながら寄ってくる、ジョンに言って必要なもの全部買えと言うと店主が驚くが知らん顔。そう言えば、家の倉庫にも日曜大工で使ってた道具が有ったなと思い出す、帰ったらジョンに渡しておこ。

、ジョンが次々と選ぶ、鉈に斧、のこぎりに鉋(かんな)木をつるつるにするやつ、木のハンマー…掛矢だったかな?鑿(のみ)木に穴をあけるやつかな?

釘なんかはなさそうだな、満足したのかジョンがこれだけ有れば良いと言う。

お会計で金貨3枚と銀貨2枚銅貨はおまけしてくれた、金貨が無くなり白銀貨をだすとびっくりしてる、庶民じゃまず使わないと、まあ見れて良かったね、お釣りを受け取り店を出る。

荷物を抱えるジョンに「貸せ」っと言うと「自分で持つから良いと」渡さないので店の陰に隠れて一気に収納!ジョンがびっくりキョロキョロ手を見ている、小声で「収納スキル」と言うと納得して「主人は凄いな」とつぶやいている。


広場に向かって歩いていく「ほしい物が有ったら言ってね、装備品は後からだ皆で行こう」と言っておくが特に欲しい者は無いみたいだ。

中央広場に付くがまだ居ないな市場の方かな、まだ服選んでいるかな?と思い歩いて西の商業エリアに向かう、さっき東の職人エリアに居たので真っ直ぐだ、すれ違いは無いだろう、一軒一軒歩きながら軽く覗き皆が居ないか確認、7人も居れば見逃さないだろうと歩くと道の真ん中に人だかりが出来ていた。

すずちゃんが気が付いたら肩に止まり「ジジ」と警戒音、嫌な予感しかしない、ジョンと二人で駆け出し人の輪の中に。

人をかき分け前に出るとやっぱり、うちの家族たちが冒険者?鎧を着て剣を腰に差した6人組に絡まれていた、ママとハナが子供たちを庇う様に立っていた、ママに駆け寄ると冒険者?が凄んで威嚇し周りを囲むようにして移動してくる、ジョンに警戒をさせておきママに事情を聴くことに。


パパ 「何が起きたの?」

ママ 「服を買い終わって市場を見て回ってたのよ。そしたら、すずちゃんが危ないよ?って教えてくれて…その後いきなりこの人たちが現れてお金貸して!って」


説明しながらご立腹だ!まあ怒るのも分かるよね、子供も怖がってる?タマだけが怖がってた、うちの子供とポチはやる気満々だ!うちの子ら手加減出来ないからな…

パパ 「皆マテだ!ステイ!」と子供らを落ち着かせる。

おと 「ステイって犬じゃないし!」

パパ 「子供らに防御だけしなさい。ポチに援護しろ」

剣に手を掛けているボスっぽい男を一気に駆け寄り投げ飛ばす!「何しやがる」「やりやがったな」とか騒いでいるうちに二人目の顎を打ち抜く、あれなんか簡単だな…パパも強いか?相手が見掛け倒しかな?ジョンが一人を抑え込んでいる、ポチも身構え一人と向かい合っていた、後二人…と見渡すがママが一人の首を掴んで持ち上げている…もう一人は、子供たちに袋叩きに会っていた…

「ピピピピ!」と笛の成る音、誰かが通報したのか守備隊の到着だ!

守備隊 「女性ばかりの家族が絡まれて居るとの通報が有ったのだが…これは何事だ?」

冒険者 「そこの男がいきなり殴りかかってきたんだ!」

守備隊 「本当か?状況が良くわからんな…」

パパ  「殴ったのは本当だな、家族が絡まれて金を要求されたんだ、私が着いたら逃げられない様に囲まれた、家族を守るため手を出した、ママもう離さないと死んじゃうよ?」

ママ  「殺しましょう!汚物は消毒よ!」と言いとどめを刺そうとする!

パパ  「ママ!ステイ!だめだよ?」と言うと我に返ったのか手を放す、崩れ落ちる冒険者、生きてるかな?やばいかな?

守備隊 「事情を聴きたい。それぞれ付いて来てくれ」

そう言われ守備隊にぞろぞろと付いて行くと詰め所に到着し、なぜか私は個室?

「家族は?」「安心しろ皆で別の部屋だそれぞれ事情を聴いている」と言われ「さっき言ったとおりだが他に何を話せばいい?」そうかとしばらく見つめ合う…

守備隊 「もういい分かったこっちに来い!」


乱暴に連れて行かれ部屋に放り込まれるのだった…



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