第19話 男爵様

犬の家族に出かけるので食べたら部屋で休んでいなさいと言い残し受付に5人で向かう、迎えのダインが入り口に居た「こちらにお願いします」と言われ向かうと馬車が用意されていた、ダインが入り口を開け皆を中にると、業者の横に座り、「それでは向かいます」と馬車を走らせる。


ほし 「うわー速いね~」と喜んでいる

おと 「初めて乗ったけど案外乗り心地良いかな?」

さき 「そうだね~面白いね~」

と子供たちははしゃいでいた。

ママ 「宿と言い馬車と言い豪華ね」神妙な顔だ不安は分かるよ!

パパ 「これは悪い予感しかしないよね?」

両親二人は不安げな表情でなるようにしか成らないかと開き直る

ママ 「パパに任せるけどあまり無茶はしないでね」

パパ 「襲われたら暴れてやろうか!」

ママ 「そうならない様に願うわ」

パパ 「星に初めに聞いてみるよ…嫌な感じがする様なら話は良い話でも突っぱね」

ママ 「いやな感じがしなかったら?」

パパ 「持ち帰って相談させて貰おうかな」

ママ 「はぁ~只の食事会であってほしいわね」とはしゃぐ子供を見ていた。

パパ 「そうである事を願うしかないかな…」


5分走ったかな?豪華なお屋敷に入っていく。嫌な予感しかしないな…

扉の前で止まり、扉が開き馬車の戸を開ける、ダインが此方にお願いしますと皆を下ろし屋敷の中について行く。扉の前に立ち、コンコン、「ダインです、お客様をお連れいたしました」中から「入れ」と声がする、ダインが戸を開け私たち家族に「どうぞ中にお入りください、私はこれで失礼いたします」と言って扉を閉めて去って行った。


アイル 「よく来てくれた!どうぞ座って楽にしてくれ」

パパ  「ここは騎士団長の屋敷なのか?豪華だがそんなに儲かるのか?」

アイル 「ここは我が家だが主は父のカストロ男爵だ。そう言えばまだ名を聞いていなかったな何と呼べばいい?」

パパ  「私はひろだ、妻のなみ、長女のおと、次女のさき、三女のほし」と紹介

アイル 「よろしくお願いしますね、お嬢様方」

    「ョ「「……」」」

パパ  「慣れてないから申し訳ないな固まって何も反応できんみたいだ」

アイル 「あはははは!それはしょうがないな、いきなり嫌われてるかと思ったが」

パパ  「それでこれから如何すればいいんだ?」

アイル 「準備は整っている男爵の執務が終わり次第呼ばれる、氾濫のせいであちこちの被害確認やら調整で時間が係っているがもう終わり呼ばれるはずだ」


そう聞いて氾濫は自分達が原因だと思っている家族は申し訳なく思うのだった…


コンコン!「アイル様準備が整いましたので食堂までお願いします」とメイドさん

アイル 「分かった!向かおうか付いてきてくれ」

と立ち上がり歩いていく、その後を皆で付いて行くと食堂にでた。


アイルに似た50代位の男性が真ん中に座っている。

アイルが「カストロ男爵様だ」と紹介され頭を下げる続いて私たち家族の紹介だ順番に紹介されて最後に男爵様が 「作法や礼儀は気にせずに楽しんでくれ」と一言

パパが「ほしどんな感じがする?」と小声で聞くほし「何がと」?マークを頭の上に…まあ嫌な感じがしたら態度に出るかな?と考えていると 「どうぞそちらにかけてくれ」と言われ座ろうとするとメイドさんが椅子を持ち押してくる、上手くタイミングが合わず膝カックンされてドタン!とすわる、後ろから「申し訳ございません」と言われるが「大丈夫だ慣れてなくてスマン!」と謝っておく。

恥ずかしい…家族の方を見るがちゃんと座れていた…なんで出来るの?ステータスそんな事まで反映される?

男爵 「身なりからして何処かの貴族の子供がお忍びで来たかと思ったがそうでは無さそうだな、その装備は何処で手に入れた?」


何か雰囲気が変わったか?ほしを見ると顔をしかめていた、こりゃダメなやつだな…


パパ 「村の職人に作って貰った物です」

男爵 「その職人に頼めば同じものと作ることは可能か?」

パパ 「無理ですね、もう亡くなりました」

男爵 「そうか惜しいな…」

そう言って男爵は興味を失くしたのか食事を済ませ「アイルあとは好きにしろ」と言い出て行った。

アイル 「ヒロ済まないな今日は疲れているみたいだ」

パパ  「ああ気にするな、気を使わなくて済み好都合だ」

アイル 「そう言ってもらって助かるよ、それで今日の謝罪と町を救ってくれたお礼をしたいんだが、なんだその~」と歯切れが悪くなる。


要するに証拠となるものが無いと褒美が出せないので魔物を渡してほしいと言う、

まあ特に要らないので「何処に出せばいい?」と言うと庭に出してくれと言う、綺麗に整備された庭、「ほんとに出しちゃうよ?」と言うとお願いされてしまった…渡すのを渋ってると思われたかな?庭がさ滅茶苦茶になっちゃうよ?

まあ良いかなあの男爵様の家だ、私たちが貴族じゃないと分かると態度が急変する小物だ気にすることはないか、収納で処理を意識しないと収納したそのままの状態で出せる事に気が付いて全部そのまま出してやる、500匹くらいかな?庭に所狭しと出してやった、庭が血みどろに…

アイル 「収納スキルか?それもかなり上位だな…」とつぶやくのが聞こえた

パパ  「これで良いか?こっちは善意のつもりで討伐しそのままじゃ困るだろうと回収までしたんだが?」

アイン 「この群れが門を破壊して町の中に入っていたら壊滅していたかもしれない予想よりかなり多いしBクラスの魔物もちらほら見受けられる、本当に良くやってくれた。町を代表して感謝する、父にもこれを見せ、よく言っておく。査定し報酬を用意させる、確認だが全部買い取る形で良いだろうか?」

パパ  「ああ全部買い取ってくれるなら好都合だこちらも助かるよ」

アイル 「なるべく早く査定はするつもりだが、数が多い少し時間が掛かるかもしれないが良いか?

パパ  「あの宿で止まってて良いのならゆっくりと査定してくれダインに好きなだけ豪遊してくれて良いと言われたからな。楽しませてもらおう」

アイル 「それは構わないがお手柔らかに頼むよ」と苦笑いをする。

パパ  「さあこれで用事は済んだな、帰るとしようか!」

アイル 「それと此れは忠告だ。あまり収納は人には見せるな」

パパ  「忠告は受け取って行くが何かあれば暴れるだけだ、町に居られなくなっても森に帰ればいいだけだしな」とアイルに変なことはさせるなよと釘を刺しておく。


アイル 「此れだけの魔物を5分足らずで殲滅出来るんだ国の軍隊でもそなた達を捕らえるのは無理だろうな、この町では暴れない事を祈るよ!」

パパ  「此方からは仕掛ける事はない、襲われなければ何もしないさ、じゃあそろそろ帰らせてもらおう」

アイル 「馬車を用意する少し待ってくれ」

パパ  「感謝する、これからも良い付き合いを出来る様に祈っているよ」

アイル 「善処するよ、君たちと敵対したらこの町は壊滅しそうだ」

パパ  「無関係の者は巻き込まないよ、さあ帰ろうか」


そう言って館を後にする。馬車の中で

ママ 「パパお疲れ様、何事もなく終えてよかったわ」

おと 「疲れた~全然料理も楽しめなかった」

さき 「そだね~全然楽しくなかった」

ほし 「あのおじさん嫌い!」

パパ 「次は断ろう、おじさんてアイルか?」

ほし 「ちがう…男爵?」

パパ 「ああ!パパも嫌いだ!こっちが貴族じゃないと分かったら急に見下してきたからな。あの男爵は上に媚びて下に厳しいダメ上司の典型だな」

ママ 「あんなに露骨に顔に出さなくてもねえ」

パパ 「貰うもの貰ったら買い物だけしてさっさと帰ろうか」

おと 「ああ~家に早く帰りたい!って帰ったら獣人家族の家どうするの?」

パパ 「全く考えて無かったな…どうしようか?」

ママ 「そこまで考えて無かったわね…」

さき 「あのお父さんって大工さんなんだよね?作れないの?」

パパ 「ゲームの中じゃその設定だったな帰ったら聞いてみようか」


宿屋に帰り部屋に到着、皆布団にダイブして疲れ切ってる


父犬 「おかえりなさいませ」

パパ 「ああ、そう言うの要らないから普通に接してくれ」

父犬 「助かるよ、こんな服着させられるとどうもな…」

パパ 「明日に服買いに行こう場所はわかるか?」

父犬 「ああ任せてくれ、この町の事なら大体わかる」

パパ 「じゃあ明日は冒険者ギルド行ってから買い物だな」

ママ 「自己紹介してもらわない?犬族と言う事しか知らないわ」

兄犬 「犬族?馬鹿にするな銀狼族だぞ!犬っころと同じにするな!」

父犬 「すまんな、われわれは犬と言われるのが最大の屈辱なんだ…」

ママ 「奴隷商の人が犬族だって言ってたからてっきり、それはごめんなさいね!」

父犬 「それは我々がだましていた、銀狼族だと分かったら無理やりにでも引き離してバラバラに売られていただろう、そなた達には感謝する」


パパ 「銀狼族はきちょうなのか?店ではかなり暴れたらしいな、それにしてはすんなり言う事を聞くがどうしてだ?」


父犬 「銀狼族は戦闘が得意なものが多いステータスが高いんだ。ばれたら高く売られる。言う事を聞いているのは、店先でそなたたちが話しているのを聞いていたからだ。悪い奴には見えんし皆一緒に買ってくれた。バラバラにされるよりは全然いい」

パパ 「聞こえてたのか?耳が良いな、それじゃそろそろ自己紹介をしてくれるか?」


父親が皆を紹介する 

「まず自分が父親のジョンだ、そして母親のハナ! 長男のポチ! 長女のタマだ!」


おと 「名前がまんま犬だね・・・」

さき 「タマって猫じゃない?」

ポチ 「犬って言うな!」

パパ 「ごめんな私ら家族の住んでた所で良く犬に付ける名前で1位から10位以内にジョン、ポチ、ハナ、は入ってたからな…タマは猫の名前第1位だな確か」


ポチ 「うそだろ!犬の名前何て…」

タマ 「猫なんだ私…」

パパ 「まあ気にするな!そこはもうこの世にはないからな」

ジョン 「それは申し訳ない。嫌なことを思い出させたな」

ママ 「良いのよそんな事気にしなくって!今はとても幸せだから」


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