第69話 タルト帝国スロウ辺境都市の惨状

朝に成り皆を起こし朝食を済ませ片づけをし準備をすませる。

ママ 「あなた体調はどう?異状ないかしら?」

パパ 「ああ大丈夫だ、心配かけたな、今日はとりあえず森を抜けて人が居る所まで行って見ようかすずちゃん案内お願いね」


すずちゃんがママの肩に止まり東の方に飛んで行った


ママ 「森の近くの人がいる所まで案内するから付いて来てって言ってるわ」

おと 「すずちゃん居ればナビ要らずだよね!楽ちんだ」

パパ 「迷わず目的地まで一直線で行けるからなかなり時間短縮出来てるよな」


すずちゃんが飛んで行った方向に向かって歩き出す一時間も歩かずに森が切れて見晴らしがよくなった、暫くは荒れた荒野の様だ。


さき 「森を抜けたのに歩きにくいね」

ほし 「石がゴロゴロして居て上手く歩けないよパパ抱っこして!」

パパ 「パパも歩きにくいから抱っこしたら危ないよ、さき軽くで良いから地面を均してくれないか?」

さき 「その方が良いよね石失くして平らにする位で良い?」

パパ 「それで十分だろうな、石さえなくなれば歩きやすくなるだろうな」

さき 「分かった石どけるね~」と杖を振りかざす、ゴロゴロした石や岩が(ズブズブ)地面に埋まっていく、すずちゃんが飛んで行った方に向かって一直線に道が出来ている。


おと 「結構ちゃんとした道に成ってるよね」

ママ 「何もない岩場だから余計に綺麗に見えちゃうわね」

パパ 「咲ありがとうこれで歩きやすくなった、ほし抱っこするか?」

ほし 「これなら自分で歩けるからいいや」


たまにはほしを抱っこしたいパパだったが見事に振られてしまった、ちょっとしょげている感じだが気を取り直して「じゃあ少し早めに行こうか」と足早に歩き出すのだった。


そこから暫く歩いて行くと村らしき物が見えて来た、周りは木の柵で簡単に囲われているだけだ。


ママ 「あの柵じゃあ魔物は防げないわよね?」

パパ 「ああそうだなコブリンでも簡単に抜けてしまうだろうな」

おと 「何だか様子がおかしいみたいだよ?人の気配がしないから」

パパ 「すずちゃんが魔物が居たら教えてくれるだろう、音も魔物来たら教えてくれ探査しとくから慎重に行こうか」


警戒しながら村に向かって行く、村には森を警戒するであろう見張り台が有るが人は立っていない様だ、村に近づいて行く

パパ 「遅かったようだな魔物に襲われた後の様だ」


村の惨状を子供たちに見せたくなかったパパは村に入らずにすずちゃんに「生き残りが居たら教えてくれるか?」とお願いをして村の柵に沿って森の逆方向に回り込んでいく、途中ですずちゃんが「ピピ!」と鳴き飛び立った。

ママ 「人を見つけたみたいよ」

パパ 「皆はここで待っててくれ行ってくる」

おと 「皆で行けば良いんじゃない?」

パパ 「村の中を子供たちに見せたくないんだ分かってくれ」

おと 「ああ!把握気よ付けて行って来てね!」

パパ 「こっちは頼んだぞ!行ってくる」


パパは家族をその場に残して柵を超え村の中に入って行く、中に入ると建物は壊され人が襲われたであろう血痕があちらこちらにある。

人で有ったであろう食い散らかされた塊、パパは吐きそうに成るのを堪えてすずちゃんが待っている所迄追いかけていく、するとすずちゃんが壊れた納屋で有っただろう建物に止まって「ピヨ!」と鳴いて居る。


「この下に居るのか?」と聞くとそうだと言わんばかりに「ピヨ!」と鳴く。

「分かった少しどいて置いてくれ」とすずちゃんが飛び立つと瓦礫を収納した。

瓦礫を収納した後には女の子が倒れていた。


パパが確認すると息はしている、ポーションを出して飲ませてやると呼吸が落ち着き寝ている様だった、女の子を抱っこしてすずちゃんに「他には居ないのかな?」と聞くと「ピヨ!」と鳴いて家族の方に飛んで行ってしまった。

他はダメだったかと家族の元に戻るパパ

女の子を抱っこして居るパパを見て「その子は生きて居るの?」とママが聞いてきた


パパ 「ああ気を失って居るだけの様だな、建物の下敷きに成って気を失ったようだな、それで一人だけ助かったようだ」

ママ 「すずちゃんも他には居ないだろうって…酷い状況ね」

おと 「皆魔物にやられちゃったんだね」

さき 「その魔物は何処に行ったのかな?」

パパ 「食べ物を探して人の多い方に行ったんだろうな」

ほし 「皆食べられちゃったの?」

パパ 「逃げれた人も居るかも知れないが殆どが魔物に食べられちゃったようだな」

ほし 「じゃあ早く他の所助けに行ってあげないとまた食べられちゃうよね」

パパ 「そうだなこの子は休ませてあげたいがそうも言ってられない状況の様だしこのままスロウ辺境都市に急いでいこうか」


パパが女の子を抱っこして先を急ぐ事になった、村の森とは反対側の入口からは道が一本のびて居る、「この道をたどれば町まで行けるだろう」と道に出て町に向かう事に、道は何かを引きずった様な跡があり魔物が通ったであろう事が分かった。


パパ 「ここからだと半日は掛からんだろう急ごうか」


いつ戦闘に成っても良い様に呼吸が乱れない程度に急いでスロウ辺境都市に向かう道中は魔物に合う事も無くパパ達が一時間ほど駆けると町の石壁が見えて来た。


おと 「壁が見えた来たよあれが辺境都市だよね?」

パパ 「そうだが遅かったか?」

近づいて行くと町の至る所から煙が上がって居た、門に近づくと門は破壊されて町の中が見えている!

パパが一瞬ためらって居る、先ほどの村の様な惨状だと子供に向見せるのは酷な事だ、女の子もまだ気を失ったままだった。


パパ 「この先はきっとひどい事に成って居る、ママはここでほしとこの女の子を守っててくれ、ほし結界を頼むな!」


ほし 「わかった!任せといて!」

ママ 「無理はしないでね、ダメだと思ったら逃げて来てね」

パパ 「ああ分かってる、おと、さき酷かもしれないが人が襲われているかも知れない一緒に助けに行ってくれるか?」

おと 「私は大丈夫だよ!」

さき 「私も今度はへましないからね!」

パパ 「じゃあ行ってくるな!ママの無理しない様に頼むな!」

ママ 「分かったわ!すずちゃんパパ達をお願いね!」

「ピヨ!」とすずちゃんが飛び立ったその後を追うパパと姉妹「すずちゃん人がいる方に頼むな!」とパパが叫ぶと「ピピ」と言って飛んでいく


町の中は酷い状況だった、門を潜ると魔物に食い散らかされ人だったであろう原型を留めない塊があちらこちらに散らばって居る。


正気を保ちすずの後を追う、子供たちの様子を伺うと顔色は悪く成って居るが気丈に振舞っている、創造神の加護の各種耐性が無かったらきっと歩くこともできなかったであろう、メインの道を走り抜け広場の様な所が見えて来た、すずちゃんが建物の看板に止まるのを確認する。


足早に慎重に進んでいくと「魔物の気配がしだしたよ」と音が警戒をする、広場に出ると建物の一角で魔物と戦闘をしている者達がいる、建物を守っている感じだ。

さき 「冒険者ギルドだね!」

おと 「パパ加勢にいくよ!」

パパ 「ああ!助けるぞ!」

冒険者は建物に入り込もうとする魔物の群れを何とか食い止めている状況だった、魔物たちは前の冒険者達に夢中に成って居て全く周りを見ていない。


ここに居るのはハイオークにレッドコブリンが多い様だった。

パパと音が後ろから切りかかり咲が援護に回る、連射で威力を落としている様だ、30匹ほどの群れは三人に掛かれば一瞬で片が付く、中の冒険者達は呆気にとられ呆然としている。


ぱぱ 「助けに来た!大丈夫か?」と声を掛けると正気に戻り「助かった~」と座り込んでしまった。

おと 「魔物は此れだけじゃ無いよね?」

パパ 「状況が分かる者はいるか?」

冒険者に話しかける、パパが建物の中を覗き込むとけが人でギルドの中はけが人でごった返していた。

パパ 「これでケガ人を治療しろ上級のポーションだ!」と治療している人に渡す。


「ああ助かる!これで救える命が増える」と男は怪我の酷い者から治療を再開しだす、パパはさらに30本ほど追加で渡す「すまない!」と言って他に配りだした。


パパ 「ここはもう大丈夫か?魔物はあれだけじゃ無いだろう?魔物の群れは何処に向かった?」

一人の男が話しかけて来た「誰かは分からんが助かった、礼を言わせてくれ!此処の責任者をしているマイクだ、此処にいる者は西側の門を守って居た者達だ、門が破られた後に此処に立てこもり耐えていたんだ」


パパ  「他の魔物は何処に行ったか分からんのか?」

マイク 「住人は東の教会と南の領主の館、北の商業ギルドに分散して避難させて兵士が護衛に着いて居るはずだが、我々も此処に立てこもって2日経っているんだ他の状況は分からんのだ」

パパ  「そうか分かった順番に回って行こうマイク達はここを頼む」

マイク 「かなりの手練れの様だが見た事が無い魔物もチラホラ見かけた油断するなよ?」

パパ  「情報感謝するここから北の商業ギルドにまず向かおうその後は教会最後に領主の所だなすずちゃんは状況をママに報告してくれるか?」

「ピピ!」とすずはちゃんは飛んで行った。

それを見送り広場から北門に向かう通りに向かうパパと姉妹だった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る