第70話 町での攻防
冒険者ギルドを出て広場から北門に向かう、道に入って行くと直ぐに魔物が目視出来た、「あれはヘルハウンドか火の属性だな!咲は水で攻撃!音は属性の相性悪いから咲の援護に回ってくれ」
「「了解」」と咲が水魔法矢を作り有無も言わさず打ち込んでいくさきに気を取られている隙にパパは商業ギルドに忍び寄り状況の確認をする。
入り口を塞いで何とか耐えている状況の様だかなり頑丈そうな作りなので中の人は無事だろう。
ヘルハウンドの群れが咲に向かって襲い掛かって居るが音に阻まれそこを咲が打ち抜いて居る、パパが良い連携だなと感心しながら向かいの建物の屋根に上り其処から水の魔法矢で攻撃を開始する。
パパの水の矢でもかなりのダメージを負わせれる様で水の矢で攻撃されたヘルハウンドは動けなく成って居る、パパは魔力を少しずつ増やして倒せるように調整していくパパが一撃で倒せるようになった頃残り10匹を切ったヘルハウンドが商業ギルドの裏口の方に逃げて行ってしまった。
さき 「逃げちゃったねどうする?追い掛ける?」
パパ 「そうだな裏口の方に行ったから仲間が居るかも知れん建物の横の通路に陣取ろうそこなら一気に襲って来れんだろう」
おと 「裏口の方から一匹大きな気配のが来るよ!」
建物の陰からぬっと頭を出す大きな犬が現れた。
建物と建物の通路に陣取るさき、パパはまた屋根の上から狙い撃つ作戦は同じだ。
裏口の方から大きな3つの頭を持つ犬が唸りながら此方に歩いてきた。
パパ 「ケルベロスか!また面倒な魔物が来たな~3つの頭それぞれが違う属性だ、火、毒、麻痺ノブレスが来るぞ」
さき 「どの属性で攻撃すれば良いの?」
おと 「水か土じゃない?」
パパ 「動きも早いから中々当たらんかもしれんぞ後ろからヘルハウンドも来てる気を付けろ!」
ケルベロスの後ろには20匹ほどのヘルハウンドが隙間から此方の様子を伺って居た通路が狭くケルベロスが一匹通るのがやっとだ。
さき 「今ならよけれないよね?」
おと 「そうだね撃ちまくっちゃえば?」
さき 「そうする!」
水と土の魔法の矢を浮かべた時にケルベロスが此方に向かって走り出した!杖を振りかざし打ち出す次々に打ち出される魔法の矢ケルベロスは後ろにヘルハウンドが居るのにお構いなしに後方にジャンプして攻撃をかわした。「ギャン!」と踏み潰される残りは身動きが取れずに魔法に打ち抜かれ全滅するヘルハウンド残るはケルベロスだけに成った。
ケルベロスは警戒をして裏の広場から此方に来なくなってしまった時より此方の通路にブレスを放ってくる、通路を渡らないとケルベロスが狙えないのでお互いに攻め手が無くなって居る状況だった。
どうするか悩むパパ商業ギルドの横の建物の扉を引くと鍵が掛かって居ないようで中に入る事が出来たおとにケルベロスが通路を出ない様に見張って貰うと咲とパパが建物の中を通り二階の窓から屋根に出る事が出来た。
此処からなら良く狙えるパパは咲をその場に置き反対側の屋根に飛び移った。
それに気が付いたケルベロスがパパに向かってブレスを吐こうとする、咲がそうはさせるかと水と土の魔法矢をケルベロスの背中に向かって連発し見事直撃「ギャイン」と悲鳴を上げて横っ飛びし魔法を躱す。
パパと咲が屋根の上から攻撃を開始し避けるのに必死になりたまらず通路に向かって逃げ出したケルベロスに音の火の斬撃が襲い掛かる。
音の攻撃が直撃したケルベロスは吹っ飛ばされ建物の壁に叩きつけられた!
フラフラしているケルベロスを咲の温玉が包み込んで閉じ込めた。
水の中を必死に犬かきしているケルベロスさきが杖をかざすと周りから徐々に凍り付いて行くではないか直径5mほどの水の玉の中のケルベロスごと凍り付いて居る。
ピロン! Lvが上がりました!
パパ 「さきよく考えたな!これは思いつかんかったぞ!」
おと 「凄いねこれ!苦しそうに凍ってるのがチョットかわいそうだけど」
さき 「雷か迷ったけどこっちの方が周りに被害が出ないと思って…」
おと 「ああ~ねえ雷は周り巻き込むからねここじゃ危険だ」
パパ 「さきは成長したな!周りの被害迄考えるようになるなんてな!」
パパは咲の成長が本当にうれしいようでニコニコしながら咲の頭をヨシヨシして居る、さきも嬉しそうに頭をなでられていた。
パパ 「商業ギルドの中がどうなってるか心配だな」
おと 「凄い丈夫そうな建物だから大丈夫じゃないかな?」
さき 「どうやって中と連絡とれば良いのかな?」
パパ 「それが問題だよな?このまま教会に向かおうか?閉じこもってれば危険も無いしな?」
おと 「そうだよね悩んでてもしょうがないしね~」
さき 「教会も襲われてたら早く助けないと行けないからね」
意見がまとまり教会に向かおうとすると商業ギルドの2階の窓が開き男が恐る恐る辺りを伺って居た。
パパ 「おーい!そこの人-囲んでいた魔物は退治したぞ!」と声を掛けた。
男 「本当ですか!もう危険はありませんか?」
パパ 「ここと冒険者ギルドは解放できたが他はまだわからん!中にけが人などは居ないか?」
男 「大丈夫です!ずっと閉じこもって居たので、物資もまだ余裕はあります!」
パパ 「じゃあ安全に成るまでそこで籠城しててくれ!他の魔物が来るかもしれんからな!安全が確認出来たら知らせに来るよ!どうやって中に知らせれば良い?」
男 「そこの扉の横にある小さな扉を開けると紐が有ります紐を引っ張って頂いたらこの窓から顔を出しますのでそれでお願いします!」
パパが紐の確認をする木の板をスライドさせると紐が有ったので男が見ている前で引っ張って見た(カランコロン)と鐘が成って居るのが分かった。
パパ 「これだな!了解した、もうしばらく辛抱して居てくれ!」
男 「はい!お待ちしております!」
手を振る男にさきが手を振り返して答えている「え!子供連れ!」と驚いているがその子供がうちの主戦力何だよな~とパパは思いながら教会に向かって歩き出した。
パパ 「次は東の教会だな、体調はどうだ?疲れていないか?」
おと 「私は全然大丈夫だよ!」
さき 「私も全然大丈夫~」
パパ 「無理するなよ?疲れたら休憩して桃でも食べてからで良いんだ無理して自分達がやられてしまったら意味が無いからな」
さき 「わかった!疲れたら言うね~」
おと 「今は早く助けてあげないとね?」
そう言われてパパは「じゃあさっさと助けて休もうか!」と教会に向かって走り出すのだった。
町の中は静まり返り不気味なほどだ、たまに遠くの方から何かの叫び声が聞こえてくる、教会のある通りに入る大きな建物で直ぐに教会のある場所は分かった、壁に囲まれているが壁の門は破壊されて敷地の中に入られている様だ。
壁を乗り越えて中を伺うと建物の周りを黒い物体がモゾモゾト動き回って居た。
パパ 「あれはシャドウスパイダーか?」
おと 「影に潜むって奴?」
パパ 「そうだなでも強くは無いはずなんだ、人を襲うような蜘蛛では無いはずなんだがな」
おと 「名前だけ見てみるね」
キラースパイダー アラクネ眷属
パパ 「知らない魔物だなしかもアラクネが居るのか?」
おと 「アラクネって人と蜘蛛の合体した奴?」
さき 「何それキモイんだけど」
パパ 「パパがしている頃にはキラースパイダーもアラクネもまだ居なかったんだ」
おと 「小さいし数が多いから厄介だ、ほしの結界がほしいよね?」
さき 「すずちゃん居れば読んでもらえるのにね?
「ピヨ?」
パパ 「居たのかすずちゃん消えてるから分からなかったよ」
(ポン)人型に変身したすずちゃん「ママさんからの伝言です冒険者ギルドに行きました、女の子も意識を取り戻しております、安心してください!との事です」(ポン)鳥に戻ってしまった。
パパ 「ママとほしをここに呼んでもらえないかな?」
「ピピ!」と飛んで行った。
パパ 「ママ達が来るまでここで様子を見ようか」
休憩がてら軽く食事をしてママとほしの到着を待つって居ると直ぐにママとほしがこっちに走って来ているのが確認出来た、手を振り居場所を伝えるパパ。
ママ達と合流して作戦を練る事にしたのだ。
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