第49話 さきの決闘!
守備隊長は白虎族の男の様だ。
守備隊長 「何の騒ぎだ!面倒ごとを起こすバカは何処のどいつだ?」
守備隊員が事の経緯を説明する、舌打ちをして茶々丸を見る隊長。
「茶々丸よ面倒を起こすなと言われたばかりでは無いかこれ以上は庇いきれんと町長も言っておったぞ!」
「小鉄さんこの人族がギルマスを味方に付けて調子に乗ってるから悪いんだ!この白虎族の国では調子に乗らない様にしつけないと」
守備隊長は白虎族の小鉄と言われている獣人だった、これはパパ達家族が悪い事に成りかねんなと思うがどうすれば良いのかいい案が思いつかないのだった。
小鉄 「ハ~これだけの目撃者がいる状態で白虎族の者を依怙贔屓したと広まれば、また変な噂が広がりかねん、あと半年切ってるんだまた新たな獣王が決まる微妙な時期なんだどうして言われて事が守れんのだ…」
茶々丸 「また白虎族の寅丸様が王になるに決まっているんだ!何をそんなに恐れているんだ!」
小鉄 「調子に乗るなよ茶々丸!偉いのは寅丸様であってお前ではない!命令も守れん様なら獣王様に報告し連れて行かねばならんな」
茶々丸 「そんなこと位は分かっている!もう少し成長すれば俺が獣王に成ってやる!」
小鉄 「何を言っても無駄だな、少し痛い目に合わせるか…よし!罰を決めたぞ其処の人族、茶々丸と決闘しろ勝った方が無罪だ!負けた方は奴隷だな」
茶々丸 「面白れぇやってやるよ」
パパ 「相手が死んでも文句は言わないよな?」
小鉄 「ああ、すきにすればいい勝てば無罪だ、負けたら死のうが奴隷に成ろうが、勝った方が好きにすればいい!」
さき 「私がやるー!!!」
さきは蹴り飛ばされた事に怒って居たのだ、やるからには全力でやってやると「フン!」と息を吐くさき茶々丸はニヤつき「馬鹿が」とか言って居た。
小鉄 「そこの娘が決闘を受けた、これから河原で茶々丸との決闘とする」
茶々丸とのさきの決闘が決まってしまった、家族は呆然としてしまうパパは咲はきっとやり過ぎてしまうと心配するのだった…
茶々丸はまさか咲が化け物の様な強さとは思わずに負けるとは少しも思って居ない小鉄も一方的な判断ではなく当事者の決闘で決めると贔屓はしていないと周りに示したかったのだが周りから見たら子供相手に決闘かと白虎族を益々悪者にして居る事に気が付いてはいなかった。
河原に移動し20mほど離れて向かいある茶々丸とさき中心には守備隊長の小鉄が居る、河原の堤防の上には話を聞きつけたギャラリーが沢山詰めかけていた。
ギャラリーの中から「白虎族は何を考えているんだ!相手はまだ子供じゃないか!」とか「いい加減白虎族にはうんざりだ」との声が聞こえてくる。
そのギャラリーの前で小鉄が宣言をする。
勝者は無罪放免、敗者は奴隷落ち、この決闘で相手が死のうが責任は問わないと。
小鉄 「準備は良いか?」
咲と茶々丸を見渡し「では初め!」と声をあげる。
茶々丸は舐め切って居て、ニヤニヤしながらいたぶる気満々でゆっくりと歩き出した咲は杖の前に火の玉を出す、「ち!魔術師かよ」と言って茶々丸が走り出すが途中で咲の水の玉が命中し吹き飛んだ。
「なめやがってぶっ殺してやる」と頭を振り威勢よく走り出そうとして咲の作り出している火の玉にビビり止まってしまう。
咲の作った火の玉がどんどん大きくなっていくのだ今で直径3mほどまだまだ大きくしている。
おと 「またやり過ぎそうだよね?」
ママ 「そうねえ、周りに被害が出ないと良いけど…」
パパ 「さき怒ってたからなーやり過ぎるだろうな…」
ほし 「あんなやつやっちゃえ!」
火の玉が5mほどに大きくなっている、周りも騒ぎ出している。
小鉄もその異様な光景に後ずさり距離を取っている。
パパが「止めないとどうなっても知らんぞ勝てば無罪なんだよな?」と小鉄に言うとハットした顔で咲を見た、茶々丸は腰が抜けた様でへたり込んでい居る。
小鉄 「勝負ありだ!娘!魔法を収めよ」と言うが咲は止める気はないようでまだまだ大きくしている、10mほどの大きさの火の玉が出来上がり周りは逃げ出しはじめると咲は上空に向けてその火の玉を発射した!(ヒューーーードッカン!)と上空で破裂した火の玉が綺麗に弾けて日が沈みかけた夕焼けを綺麗に彩った。
小鉄 「何という魔力をしているんだ…」と絶句している
パパ 「これで無罪で良いんだな、そいつはどうするんだ?」
小鉄にパパが聞くと我に返った茶々丸が咲に向かっ走る出し剣を振りかぶり襲い掛かる、それを見たパパが弓を構える、音が走り出し咲を庇う様に前に出る。
パパが放った矢を茶々丸は躱す「そんなへなちょこが当たるかよ」と言って走り出すが矢が太ももに刺さる「何?躱したはず?」と驚愕する茶々丸走る勢いはなくなるが諦める事なく音に襲い掛かる、音は踏み出し剣を横に振りきる、茶々丸と交差した。
(ドサ)と倒れる茶々丸。
おと 「峰打ちじゃ」と言って恰好を付けている鞘にしまったままの剣で腹を打ち抜いていた。
パパ 「隊長さんこいつは貰って行って良いんだよな?」
小鉄 「ああ構わないすきにしてくれ」と言って小走りで逃げ帰ってしまった。
茶々丸がまさか小娘に負けるとは思って居なかった隊長、小娘と侮って居たが凄い魔法で圧倒されてしまった、あの魔法を町に撃たれて居たらと思うとゾッとするし決闘をさせた隊長の責任問題にもなってしまうだろう。
守備隊長は一年ごとに交代で獣王国と共和国が今まで歴任してきたが獣王国側が今の獣王に成った事で銀狼族を捕らえる為に守備隊長を4年ごとに交代させる事に強引に認めさせ変更した経緯がある。
そこでこんな問題が出てしまったらサシャ共和国に無理難題を言われるのが分かり切って居るのだ。茶々丸をサラッと切り捨てこれ以上問題が大きく成らない様にパパ達家族との関わるのを避ける小鉄だった。
ママ 「こんなやつ貰ってどうするつもり?」
おと 「ほんとだよ要らないよ」
さき 「パパこいつどうするつもり?」
パパ 「そうだな~さきのペットにするか?」
さき 「こんなかわいくないの要らないよ」
パパ 「星はどうだ前にガオちゃん欲しいって言ってたじゃないか?」
ほし 「こんなの要らないいよ?咲姉ちゃん虐めたし気持ち悪いんだもん」
ママ 「冗談言ってないで本当にどうするつもりなの?」
パパ 「お灸を据えなきゃならんだろう、今までさんざん悪さしてた様だし」
おと 「まりもの餌にするの?」
ママ 「やめて頂戴まりもがかわいそうよ」
さき 「まりもが可哀そうなのね…」
パパ 「ジョン達と同じ目に合わせてやろうかと思ってね、奴隷商に売ってしまおう、守備隊長が負けたら奴隷だって言ってたんだからな」
ママ 「あらそれは死んだ方がましだと思わないかしらね?」
パパ 「そうじゃなきゃ罰に成らんじゃないか」
パパは北の町に戻ると奴隷商の場所を聞き茶々丸を奴隷商に売ってしまったのだった「これでちょっとは人に与えた痛みを知る事に成るだろう」とパパは言って居た。
奴隷商も守備隊迄人を走らせて確認をして、まず手にはいる事のない白虎族の男だと言う事で喜んで白金貨5枚で買うのだった。
おと 「ジョン達っていくらだったっけ?」
さき 「5人で金貨5枚って相当安いよね」
パパ 「それは言ってやるなよ…」
ママ 「白金貨5枚が凄いのよきっと」
遅くなったが蟹食いに行こうか?まだやってるかなお店
店にを覗くと大繁盛して居るのが分かる、外までテーブルと椅子を出して入りきって居ない様だ、ローニャが気が付きいらっしゃい!ちょっと待ってねママに言ってくるからと中に入って行った、女将が出てきて案内してくれた、今日は家族の席を二階の個室に取っておいてくれたらしい。
「遅くなって悪いな」とパパが謝ると女将が「私たちの恩人の為ですものこのままこの部屋は専用にして開けて置いてもいい位です」ととてもいい笑顔で言ってくれた、「キングクラブのフルコースをお持ちしますので覚悟しておいてください」と言い残し準備をするために戻って行った。
良い匂いが下から立ち込めてくる、今日はご飯が遅くなり皆お腹を空かせていたので余計に美味しそうな匂いにお腹がぐーぐー成りだしている。
主人が大きなお皿に「キングクラブの刺身です」と言って持って来てくれた、刺身は取り立てじゃないと食べれないのでここでしか出していないらしい、ローニャが鍋を持ってきた、その後に女将がしゃぶしゃぶ用ですとやり方を説明してくれる、またローニャが鍋を持って来た、主人がこっちはカニ鍋だと蓋を開ける、その後も焼きとボイルと持って来て一番うまいのが右手のハサミの部分だとキングクラブは右のハサミだけ左に比べると3倍くらい大きい今日はその右手部分ばかり使って居るらしくプリプリでたまらない、蟹みそに身を付けて食べるのも癖に成りそうだ。
蟹のフルコースなのだがここら辺はお米が無いと言うのでママがお米を出して締めの蟹雑炊を作って見せた、女将も主人もローニャも初めて見るカニ料理に興味があるらしく店をほったらかしで食い入る様に見ている、「そろそろいいわね」ママの一声に待ったましたとばかりに食べる3人口に入れて固まっている「「「旨い!」」」と声を上げて一気に食べてしまった、ママから女将が話を聞いている、お米自体が有るかどうか分からないが、探せばありそうだよねこの世界。
食事を堪能しもう食べれませんとギブアップする、女将と主人はまた何時でも来てくれと家族を見送る。
今日も色々あったが最後は美味しい物を堪能して満足して宿に帰る家族だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます