第50話 その奴隷は・・・

宿に戻るがまだコーダ達は帰って無い様だ、いつも遅いよね

ほし 「今日も楽しかったね、でも疲れちゃった」

おと 「毎日が冒険だからね、勉強してるより楽しいよね」

さき 「おと姉ちゃんは学校嫌いだもんね」

おと 「だって勉強する意味が分かんないんだもん、足し算引き算と文字が読めれば良いじゃんね?」

パパ 「興味を持たせるために色々な事をさせているんだよ」

おと 「地理とか世界史なんて別に要らなくない?」

ママ 「ママもそれは嫌いだったわ~先生が睡眠の呪文を唱えてるのよね…」

ほし 「ほしは学校行って勉強したかったな~」

さき 「絶対学校行って宿題出たら泣きながらやる事に成ってたよ」

パパ 「お前たち2人も泣き叫んでたもんな~わかんないんだもんって」


そんな会話をしているとコーダ達が帰ってきたようだ。


コーダ達が部屋にやって来て今日の出来事の情報の交換をする。


コーダ 「ジョン達には会えましたか?」

パパ  「問題無く銀狼族を引き合わせる事ができたよ」

コーダ 「それは良かったですね、今日私たちは町を見回りながら緊急クエストを受けて居ました」

ママ  「それは何だか悪い事をしたわね」

銀狼族とジョン達を待っている間にリザードマンを殲滅したことを伝え1匹回収できずに流れて行ってしまったことを伝えた。


カイト 「楽して儲かったからお礼をしなきゃな」と笑ってる

エルザ 「暇だったけど楽な依頼よね」

パパ  「依頼のせいでこんなに遅くなったのか?」

コーダ 「いえ依頼の方は夕方には終わっています、昼間に奴隷商を見つけて居たので中を覗いてみたんですよ」

パパ  「銀狼族を探してくれてたんだな」

コーダ 「初めは其つもりだったんですが無抵抗で殴られている獣人がいまして気の毒に思って買ってしまったんです、別に銀狼族だけしかダメって訳ではないですよね?」

パパ  「まあ銀狼族だけって訳ではないがその買った獣人は何処にいるんだ?」

コーダ 「今部屋に居るので連れてきますね」


そう言ってコーダが部屋を出て行った、パパはまさかなと少し白虎族の男の事が頭を過ったが、今日の今日でまさか売りには出さないだろうと思って居た。


コーダが獣人を連れて部屋に戻って来た。その顔を見たパパ 「チェンジで!」

エルフ達3人は驚いているが茶々丸を見てパパ達家族も驚いている、茶々丸はパパ達の顔を見て怒りが沸き起こったのか飛び掛かって来そうだ、カイトとエルザがそれを抑え込んでいる。

コーダ 「事情は良く分からんが部屋に戻っておいてくれ!」

カイトとエルザに茶々丸を部屋に連れて行かせる。


パパが事情を話す、白虎族の男で冒険者ギルドで絡まれた事、国境の橋で咲が後ろから突然蹴り飛ばされてもめ事に成り、白虎族の守備隊長に咲と茶々丸が決闘をさせられた事。

負けた方は奴隷落ちに成り死のうがどうなろうが罪には問わないと。

その事をコーダに説明する。

コーダ 「それはまたとんでもない男を買ってしまったな…」

パパ  「あの男は無しだな」

さき  「絶対にダメ!!!」

おと  「返品でお願いします!」

ママ  「仲良くは出来そうにないわよね」

ほし  「あの人は気持ち悪いからダメだよ?」

コーダ 「そうだな明日店に事情を話してみるよ、売るのをかなり渋っていたからきっと大丈夫だと思います」

パパ  「損しても構わないからダメなら他の奴隷商に売ってしまおう」

コーダ 「気分を害してしまって申し訳なかったな…」

ママ  「コーダさんは知らなかったんだし謝らなくて良いわよ」


パパは明日一日旅の準備をして明後日には町を出て南のシャルバン城塞都市に向かおうと思って居る事を話す、コーダはこのエルトワの町周辺を探索し終わったらこの町から近い街に移動してゴドワの町まで行って家に戻ると言う、これからは銀狼族だけを助けるようにすると反省したいた。


パパ  「ここからは別行動に成るがくれぐれも無理はしない様に」と言い聞かせる

コーダ 「もちろん命は大切にするつもりだよ、安心してください」


パパは念のためにとペッドボトルに入ったポーションを3本渡す、「上級ポーションだ家に帰れば幾らでも作れるから遠慮なく使ってくれ」


コーダ 「私も簡単な回復魔法は使えますがもしもの時様にありがたく貰っておきますね、それでは私も部屋に戻りますね、おやすみなさい」


まさかの奴隷騒動がありびっくりした家族、茶々丸のあの様子では全く反省はしていない様だ、エルトワの南の町では白虎族がやりたい放題の様で他の獣人達からも反感を買っている様だった。

シャルバンの町に向かうまでの町を巡って銀狼族を探しながら向かうのか、深淵の森沿いを探しながら向かう方が良いのか家族で話し合い、深淵の森沿いに向かって逃げ込んでいる獣人達を探すことに。

すずとゴンに探して貰えばかなりの広範囲を探索できる、町で捕まっているならば危険は少ないと思われるが、リキ王達の様に森に隠れている獣人達は怪我をして命の危機に瀕しているかもしれない、早く治療をすれば助かる命も有るかもしれない。


野宿に成るが皆それ程期にはしていない様だ、ほしの結界にさきのお風呂もある。

今までも特に不自由は感じていないので皆野宿の方が気が楽な様だ。

今まで町で過ごせば必ず面倒ごとが起きるのだ、子供たちが少し町から離れたくなるのも分かる、明日には食料を買い込み旅の準備をしのんびりして過ごすことに決めるのだった。


翌朝市場で大量の食糧を買い込む為に食料品を売っている店に来て大量に注文をする小麦粉100k野菜や果物売れるだけ買うと注文した。

お米は売って居なかったので諦めた残念…

市場の食料品の店主は冷やかしだと思い相手にしてくれなかったが、白金貨をだしこれで買えるだけ欲しいと言うと、白金貨を見て最初は何か分からないみたいだったが、白金貨と気が付くと店の物全部売ってもお釣りが足りないと呆けていた。

なので白銀貨を出し此れならどうかと聞くと喜んで野菜に小麦粉をせっせと袋に詰め込みだす、ママの背負っているランドセルの中に入れる振りをしながら収納に入れていく、それでも店の売り物の半分以上を買い占めてしまった。


此れだけあれば暫くは困らないだろう、店主もニコニコでまた何時でも来てくださいと送り出してくれた。

調味料も違う店で購入して準備は完了!

あまり行きたくなかったが南の冒険者ギルドにも行かないと行けないので川を渡る為に関所に向かう、私たちを確認した守備隊員いつもなら身分証明書を出すのだが、どうぞどうぞと通してくれた、昨日の一件で有名になってしまったようだ。

そのまま冒険者ギルド迄向かっていく。

パパ 「皆今日は絡まれない様にしような?」

おと 「パパも気よ付けてね」

ママ 「絡まれると面倒なのよね~」

さき 「私は大丈夫だよ?」

ほし 「ほしも平気だよー」

そう言いながらギルドの中へ入り受付にパパだけ並ぶ、家族は食堂で休憩中だ。

昨日はもう夕方で人が多かったが今日は昼前で人が少ないので安心だ。

受付の前に並んでた獣人が昨日の緊急依頼の報酬を貰って食堂の方へ向かって行く、パパの順番になりタグと納品書をだす。

受付嬢が納品書を確認、タグを確認してパパを見る「少々お待ち願います!」と奥に消えて行った。

また面倒な事に成りそうな気がするパパだった…

受付嬢が戻り奥のギルマスの元に行けと言われて奥に向かうとギルマスが扉の前で待っていた。

ギルマス 「呼び出してすまんな、ちょっと時間をくれ」

そう言って部屋の中に招き入れてパパに座れと促す、「昨日はずいぶん派手に暴れたらしいな、昨日から冒険者たちが随分その話で盛り上がってたぞ」

パパ   「あまり目立ちたくは無いのだが降りかかる火の粉は払うしかない」

ギルマス 「別に責めている訳じゃないんだ、最近の白虎族の横暴さに皆嫌気がさしていたんだ、其処にお前らがスカッとする話題を持ち込んでくれたんでな皆スカッとして喜んでいたんだ」


パパ   「そんなに話題に成ってしまったか…目立つとまた絡まれそうだな」

ギルマス 「ここの冒険者たちは絡むことは無いと思うぞ?お前ら家族はヒーロー扱いだな」

パパ   「それは見世物みたいで喜べんな」

ギルマスは「うはははははは」と笑い本題に入る、前回キングクラブを納品し今回リザードマンを大量に討伐、中に上位種も確認された、流れ着いたのも含め87匹内上位種3匹。

通常種 84匹×討伐報酬銀貨1枚 素材代銀貨1枚 銀貨168枚

上位種  3匹×討伐報酬銀貨4枚 素材代銀貨4枚 銀貨24枚 

合計銀貨192枚

ギルマス 「少し色を付けて銀貨200枚でどうだ?」

パパ   「それでいい」

ギルマス 「すまないな今回緊急依頼を出してしまって報酬が半分に成ってしまったんだ、お詫びと言う訳じゃないがランクをBランクに上げよう」

パパ   「登録してからまだ一か月も経ってないぞ?良いのかそんなにポンポンランクを上げて」

ギルマス 「実力が無い者を上げるのは問題だがお前さんたちは問題ない実際はAランクでも問題無いんだがな」

パパ   「いやいや今でも十分なんだがな…」

ギルマス 「Bランクに上がるのはAランクの魔物討伐だな、Aランクに上がるには何かしらの偉業が必要だな、洞窟攻略、氾濫から町を救うなどだな、今回のリザードマン討伐は町への襲撃ととらえても良いAにしとくか?」

パパ   「分かったよ…Bランクで良いよ」

ギルマス 「そんな嫌々成る奴はおらんぞ?皆飛び上がって喜ぶもんだが…」


パパは諦めて家族のタグも変更する為に一度食堂に向かうパパすると食堂が騒がしいではないか、もしかしてまたか…と思い家族の元に向かうと案の定ママ達が人の輪の中心に居た。

又か勘弁してくれと項垂れて家族の元に行くパパだった。



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