第76話 マウナダンジョン都市
朝焼けが荒野を包み辺りが明るくなってくる頃、狼の襲撃以降は何事もなく暇な見張りだった、お湯を沸かし朝食の準備にかかる頃ママが起きて来た。
ママ 「パパおはよう!お疲れ様代わるわ少しでも休んで」
パパ 「おはようママ!少し眠らせてもらうよ」
ママが朝食の準備に掛かりのんびりとした朝を迎えた、おとが起きて来て準備を手伝い朝食を作っていく。
ママ 「咲と星を起こしてきて、パパはもう少し休ませておけば良いから」
おと 「分かった~起こしてくるね~」
おとがテントの中の咲と星を起こしに行った、ほしをそのまま抱っこして咲に蹴りを入れてるとテントを出て行く「おねえちゃん痛いよ!」咲が眠そうに文句を言ってテントから出て来た、ほしはママの腕の中でまだお休み中だ。
おと 「普通に起こしても起きないから仕方ないよね?」
さき 「入って来たの分かってたよ!いきなり蹴ったよね?」
おと 「パパが寝てたから起こさない様にしなきゃ行けないの!起こしに来たの分かってるなら起きればよかったの!」
咲はぶつぶつと文句を言っているが長女の強権を発動して妹を黙らせるおとだった。
そこに隊長がやって来てスロウ辺境都市にこれから向かうと告げに来た。
隊長 「パパさんは休憩中か昨晩は部下が世話になったらしい魔物の素材は解体して此処に置いて行くので収めて欲しい」
部下の兵士が狼の素材を持って来た「肉だけは朝に頂いてしまった済まないな」
ママ 「狼の肉はそんなに美味しくないわよね?」
隊長 「保存食よりは美味しくいただけたよ!パパさんに感謝すると伝えて頂きたい!今度何処かでお会いしたら、今回のお礼をさせて頂こう」
ママ 「あらあら楽しみにしておきますね!主人にも伝えておきます!」
隊長 「それでは良い旅を!失礼します!」
そう言い残して隊長は去って行った、ぞろぞろとその後をついて行く兵士達
おと 「隊長さんと副官の人以外は大して強く無さそうだけど大丈夫かな?」
ママ 「魔物はゴンちゃんがやっつけてくれているから大丈夫でしょ?」
さき 「パパは夜に狼やっつけたんだね?」
ほし 「ああ~犬さん欲しかったな~」
ママ 「この辺りの狼は弱いわよね?もう少し強そうで可愛らしいの捕まえましょうよ?」
おと 「そうだね~この毛皮のあんまり可愛く無さそうだしね」
ママ 「ご飯食べちゃいなさい!あなた達が食べたらパパ起こしてご飯食べて貰って出発するわよ!」
ママの指示のもとご飯を済ませパパを起こしご飯を食べている間に子供達とママは片づけを済ませて置く。
パパ 「兵士たちはもう出発したんだな」
ママ 「隊長さんがお礼を言って居たわよ、部下が世話になったって」
パパ 「グレイウルフの群れが襲ってきたんだがな、何だか弓矢が絶好調でな襲われる前にボスを倒して追い払えたんだよ」
おと 「パパやるじゃない!狼の素材隊長さんが置いて行ったよ」
脇に狼の毛皮と牙が揃えて置いてあった、討伐頭数は16匹だ群れの半数を討伐出来た様だ、パパが射抜いた狼は10匹を超得ていたはずだが兵士たちが10人掛かりで5~6匹しか倒せていない様だ、自分達で倒した魔物は持って行ったのかな?
ママ 「お肉だけは頂いたって言ってたわよ」
パパ 「そうなんだな弓で射抜いたのが10匹は居たんだが兵士たちは10人がかりで6匹しか倒せてなかったんだな」
おと 「隊長さんと副官さん以外は普通に雑魚っぽかったよ?」
パパ 「普通に雑魚って何だよ!人に向かって雑魚言うんじゃない!」
おと 「ごめんなさい!他の兵士達は御雑魚みたいだよ?」
パパ 「御を付ければ良いってもんじゃないぞ!丁寧に成って無いからな」
さき 「兵士って鍛えてるんじゃないのかな?」
パパ 「ずっと鍛えてるだけじゃないからな、警備や他に色々仕事で忙しいんだよ」
ママ 「隊長さんが今度何処かであったら今回のお礼をしたいって言ってたわよ」
パパ 「マウナに居たら戻って来るかもな?」
ほし 「パパ~今度狼さん見つけたら欲しいな~」
パパ 「ママがテイム出来たら良いぞ」
ほし 「ほんとに!約束だからね!」
ママ 「可愛くなかったら駄目よ?」
ほし 「可愛いの居ると良いよね~」
パパ 「じゃあそろそろ此方も出発しようか!急げば今日中には付けるだろからな」
おと 「早く美味しいもの食べに行こう!」
パパの合図で出発する家族足早にその場を後に荒野を駆け抜けて行くのだった。
お昼に休憩を挟み何事もなく進んでいくと遠目に町の塀が見えて来た。
まだ夕方前に町まで来てしまった様だ、最近の戦いでLvが大幅に上がって居た家族は人間離れした体力で一気に走り抜けてしまった様だった。
門に到着するが並んでいる人はいない此方から来るのはスロウから来る人だ最近は人の出入りは全く無い様だった。
門番 「あなた達はスロウから来られたんですか?」
パパ 「ああそうだが?」と冒険者のタグを見せる
門番 「氾濫が起きたと聞いて居たので人が来るとは思って居なくてすいません!」
パパ 「ああ氾濫は鎮圧出来たよもう大丈夫だろう途中でスロウに向かって居る救援部隊にもその事は伝えてあるよ、確認はしに行ったようだがな」
門番 「それは貴重な情報ありがとうございます!これで安心して仕事が出来ます!遅くなりましたがようこそマウナダンジョン都市に!」
門番にお勧めの食事の美味しい宿を聞くとまずは宿を取る為に聞いた場所に向かう、木漏れ日の宿と言う宿がこの町では一押しの宿らしい、値段を上げれば部屋もご飯も豪華に出来ると言う話だった。
町の中心部にダンジョンの入り口が有りその横に冒険者ギルドが有る、ギルドの横の道を北に向かえば木漏れ日の宿が有ると言って居た。
門から東に向いダンジョンの入り口まで来る、入り口は壁と頑丈そうな門で囲われているこれは氾濫を起こした時に魔物を町の中に侵入させないための様だ。
ダンジョンは気に成るが今は宿に向かって行く冒険者ギルドも賑わっている様子だったがひとまず宿で休んでゆっくりしたい家族だった。
目的の宿に到着して中の受付に話しかける。
パパ 「止まりたいのだが部屋は空いて居るかな?」
受付 「はいご用意させていただけますがランクはどういたしましょうか?只今一番下のランクの部屋は埋まってしまって空きがございません」
パパ 「一番上はいくらに成るのかな?」
受付 「一番上の部屋は一泊白銀貨一枚となっております」
パパ 「家族5人で白銀貨5枚か?」
受付 「一番上の部屋は部屋自体が白銀貨1枚ですので5人様でも1枚で結構でございます」
パパ 「じゃあそこでお願いするよ!食事は別だろ?今から夜食は用意出来るか?」
受付 「はい少々お時間は頂きますが用意が出来ましたらお部屋にお持ちいたします、ご案内する部屋はお風呂が自慢の部屋となります、お風呂に入りお待ちいただければ出来ると思います」
パパ 「じゃあ食事も美味しいの頼むよ」
受付 「食事もランクがございます、お一人金貨1枚が宿の一番のコースとなっております、いかがでしょうか?」
パパ 「わかったそれでお願いするよ暫く止まるつもりだが良いかな?」
パパはそう言って白金貨を1枚取り出すと受付に渡す
パパ 「足りなくなったらまた言ってくれ」
受付 「かしこまりました!朝食は連泊のお客様にはサービスで提供させていただきます、この金額前払いですと10日は泊まれますのでその時に又お話させていただきます」
そう言うと受付は横に置いてあるベルを鳴らす(チーン)とベルが鳴るとメイド?の様な女性が現れ「ご案内させていただきます!此方にどうぞ」と部屋まで案内をしてくれた、部屋の中の説明を一通り受けて「何か用事がある場合はリビングにあるボタンを押せば伺います」と言って部屋を出て行った。
ママ 「素敵な所ね~思ったより安い感じがするわね?」
パパ 「そうだな~日本ならこのクラスなら数十万はするだろうからな」
おと 「スイートルームってやつなのかな?」
ママ 「これがきっとそうなのよね~」
さき 「このテーブルの食べて良いんだよね?」
パパ 「好きに食べて良いぞ!咲の白金貨で払うからな!咲に6枚だけ咲に渡しておくよ」
パパが白金貨を取り出す振りをすると咲が拗ねて「ちょっと間違えただけじゃない!いつまで言うのよ!」と不貞腐れてしまった。
パパ 「冗談だよ!ごめんなさき!好きな物飲んでも良いし食べても良いぞ!報奨金使い切るつもりで豪遊しようか!」
ほし 「何でも食べて良いの?」
ママ 「ええ良いわよ~お腹が張り裂ける位食べなさい!」
ほし 「そんなには要らないかな~今日は町には行かないよね?」
パパ 「そうだな今日はここでゆっくりして休もうか、明日は町に出て好きな物買って良いぞ!」
「「「やったー!」」」
その日はお風呂に入りのんびりと宿の高級コースの晩御飯を食べてゆっくり過ごす家族だった。
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