第37話 エルフとドワーフ

エルフとドワーフに出会い野営地に戻った一行。


腹が減っているだろうとご飯の準備をするハナとママ、手伝おうとするエルザを必死に止めるコーダとカイト、ボブがこっそり教えてくれたのだがエルザは料理のセンスが壊滅的なのだそうだ、肉を焼くだけなのに食えなくなると言う、異世界あるあるの補正が掛かって居るのだろう…

なのでパパが皆に話が聞きたいと声を掛けて此方に呼び寄せた、後ろでグッジョブ!と親指を立てているエルフの男性陣、そこ迄なのか?と少し食べてみたい気もする音であった。


コーダがリーダーだと言う事で話を聞くことにエルフとドワーフはもともとはあまり仲は良くないのだがコーダたちの居た大陸では魔族の侵略を受けて劣勢になり協力するようになった。

協力することで何とか勢力の均衡が取れて小競り合いは絶えなかったが何とか耐え凌いでいたと。

そこでエルフとドワーフの長老たちが話し合い強力な武器が眠ると言い伝えのある洞窟を攻略することになり両陣営の精鋭3名づつを選びだしてたその精鋭に選ばれたのがこのコーダ、カイト、エルザ、ボブ、ビル、レオの6名だとの事だ。

ドワーフは細かいことは気にせずに計画制も無い為にコーダがパーティーを仕切る事になった、ボブは「コーダは細かすぎるのだ!」と言って愚痴りだす。


6人で洞窟を攻略し順調に攻略を進めていたが隠し部屋に宝箱が有るのを発見ボブが警戒もせずに宝箱を開けようとして罠にかかり気が付けばこの洞窟に奥地に飛ばされたとの事だ、初めはミスリルゴーレムは2階の入り口の部屋に居たらしい、一度は戦いはしたが全く武器が通らずに逃げる事になった、ゴーレムが階段前に陣取って居たので上には上がれない、色々試してゴーレムが動いた好きに上に行こうと試したがうまくいかず、気が付いたら1階の階段を上った部屋にミスリルゴーレムが移動していたようだ。

色々調べたが他に出口は無かった、階段を上ったあの場所から動かなくなり出られなくなって3日目を迎えたと言う話だった。


パパは此処は大陸のど真ん中の深淵の森で強力な魔物がうろついている場所だと言う事を話す、コーダ達の大陸まではかなり遠く送る事は出来そうにないと言う事も伝えた、コーダ達も海を渡る手段が無い事を知って居て帰れなくなった事は薄々は感じていた、パパがこれから如何するのかを確認するがコーダもどうすれば良いか分からないと言って皆と話し出した。

ご飯が出来て一旦話は終了、お腹が好いていた6人はがっつく様に食べだした、「まだまだ有るからあわてずに食べなさいと」ママに言われるが「旨い!旨い!」と凄い勢いで食べている、こりゃ無くなりそうだなとパパも肉を焼いて渡していく、食べれない物は有るかと聞いたが特には無いらしくエルフ達も肉を食べていた。

その日は此処で夜営をして明日の朝に家に戻る事をエルフとドワーフの6人に伝えたそれまでにどうするか決めて置いてもらう事に、6人はそれからずっと話し込んでいた、夜になり見張りはどうするか尋ねてくるコーダ、疲れているだろう心配せずにゆっくり休んでと伝えるがコーダはそんな訳には行かないと聞かないので、警戒はゴンがしてくれるとゴンを紹介する、ゴンを見てコーダが「ゴールデンバットだと!」息をのむのが分かった、パパが不思議に思いどうかしたのか聞く。


コーダ達の大陸ではゴールデンバットは希少種で現れたのは数百年前の事、ゴールデンバットは初めは弱いらしいが成長すると手が付けれなくなる、その当時珍しいので捕まえようとした村人がゴールデンバットを怒らせた為に凄い被害が出たと、それからは成長する前に退治する事になったと教えてくれた。

この大きさになったゴールデンバットには手を出さずに放置するしかないとの事だった。

この子はうちのペットだと紹介するとエルフ達は信じられんと言った顔で「危険は無いのか?」と聞いて来るがママがゴンの頭を撫ぜると気持ちよさそうにママにすり寄っているのを見て、伝承はあまりあてに成らんな…と言っている、「誰しも自分に危害を加えようとする者には反撃するものだ、その当時の村人が悪いんだろう」と言うとコーダも「そうかも知れんなと」と納得した様だった。


まあ結界も有る心配せずにゆっくり休めと言ってその日は休む事になった。

夜になるとまた遠くの方で魔物の悲鳴が聞こえるのだった。


夜が明け日が辺りを照らしだす頃にはパパは起きていた、ジョン達獣人一家も皆起きている、ハナとタマがご飯の準備をしていた、それに気が付いたエルフのエルザが手伝おうと向かう、慌てるコーダ。

パパはそれに気が付いてエルザを呼び止めて話をしだす、「エルザは何が得意なんだ?」とパパが話す、「料理は得意な方かしらね?」と自信満々に言うではないか、コーダとカイトがうなだれて居るのが分かる「まあしばらくは此方に任せてくれ、慣れない土地だ雑用は此方で受け持つよ」と切り出す。

「それは申し訳ないわ、何もしない訳には行かないじゃない」と引かないエルザ。

うちの子が食べ物のアレルギーが有るんだ、誤って口にしない様にしたいんだすまん「アレルギーが有るんだそれは心配ね、分かったわ料理はそちらに任せます」とやっと納得してくれた、コーダとボブがパパの元に来て今後の事を話し出す。


コーダ 「ひろすまないな少し話がしたいんだ」

パパ  「ああ構わないよ、そちらのメンバー皆が居る所で話そうか」

そう言ってドワーフとエルフが休んでいる場所に行って話し出す。

ボブ  「今後の事なんだがな、すまんが町が有る所迄案内してほしいんだが」

パパ  「案内は構わないがこの大陸のどの国に行くつもりだ?」

コーダ 「すまんな全くこの大陸の事が分からないんだ、何処に行けば良いか教えてもらいたいな」


パパが創造神から聞いたこの大陸の説明をする。

国は森の周りに3つあり、西に獣人が創るランプ獣王国、東に人族至上主義のタルト帝国、北にサシャ共和国ここは獣人も人間も共存している。

ランプ獣王国はジョンに聞いたところ力がすべての国だ、タルト帝国は行ったことが無いが人族至上主義らしいので、エルフとドワーフが行ったらどうなるかは分からない、サシャ共和国は人族と獣人族が共存して居ると言うが裏では獣人をだまして奴隷にしていると説明する。


カイト 「今の説明では獣王国が一番良さそうだが」

コーダ 「自分たちの力量で如何にかなるのならばな」 

パパ  「ジョンの話では今の獣王は閉鎖的な様だがなジョン達の一族は弾圧を受けてバラバラに逃げて崩壊したらしいからな」

ボブ  「見知らぬ種族のわしらはどうなるか分からんと言う事か」

パパ  「それは何処の国でも同じだな、タルト帝国では人族以外は家畜同然、サシャ共和国も裏では似たようなもんだ、ジョン達家族もサシャで騙されて奴隷にされていた所を偶然だが助ける事になったしな」

コーダ 「ヒロ達は何処の国にいるんだ?」

パパ  「うちら家族はちょっと特殊でなこの森を切り開いてジョン達家族と暮らしているんだ」

エルザ 「今いるメンバー以外はいないの?」

パパ  「ああ此処にいるメンバーで全員だな」

ボブ  「2家族だけなのか?不便はないのか?」

パパ  「不便は感じないかな?自由に出来ていいぞ!」

コーダ 「皆で今後どうするか、もう少し相談して決めたいが良いか?」

パパ  「ああ構わないぞ、朝食を食べて少ししたら出発して家まで帰るが帰るまでにどうするか決めれば良いよ」

コーダ 「家に行っても良いのか?」

パパ  「どの国に行くにしても一度家には帰らないと今いる此処からじゃ行けないからな」

コーダ 「そうか世話になるがよろしく頼む」

パパ  「困った時はお互い様だ、気にするな」


取り合えずコーダ達一行も家族の住む家まで一緒に行くことに成ったので出発するこ事にした、「そうだすずちゃん紹介してなかったなすずちゃん居るかな居たら姿見せてくれるかな?」とパパがお願いすると、パパの肩にすずが止まって姿を見せた、当然驚くコーダ達一行、「全く気配も音も無かったがずっと肩に止まっていたのか?」パパは利かれるが「姿を見せるまでは何処に居るかママにしか分からん」と答え又驚かせるのだった。


パパ  「昼の警戒はすずちゃんがしてくれるから安心してくれ、まあ洞窟からの氾濫であまり魔物は見かけないがな」

カイト 「氾濫がおきたのか?」

パパ  「そうだな、その原因を調べにここまで来て洞窟を調べに行ったんだよ」

コーダ 「我々のせいか?それは迷惑をかけたな…」

パパ  「コーダ達が原因かは良く分からんがミスリルゴーレムが移動したことによって1階の魔物が押し出されたんだろう、普通ならボスが部屋からは出ないだろう?何が特別な事が起きたんだろうな」

ボブ  「そうだなボスが部屋から出るなんて聞いた事が無いからな、何か異常が起きたんだろうな、そう言えば倒したミスリルゴーレムはどこえやったんだ?あれだけの純度のミスリルはめったに見られんのだが…」


「まあ家に帰ったら話すよ」 収納の事を話すかどうか迷うほしが嫌じゃないと言うので悪い奴らじゃ無いのは分かっているが、あまり信用しすぎるのもダメかなと思うパパだった。

一行は家に向かって歩いていくのだった。

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