第65話 南の森の探索

ヒュドラと牛頭と馬頭を倒した翌朝。


パパ 「皆おはよう!今日はどうしたんだ?こんなに早く起きて」

パパ以外の家族が珍しく早起きしていた、此方の世界に来る前は休みの日だけは子供たちが早く起きてくる時が有るのを思い出したパパだった。


おと 「ほしがね~昨日のヒュドラの話を聞いてからずるい!ずるいって今日は星も一緒にいくー!ってめっちゃ早くに起こして来たんだ」

さき 「まだ外が暗いのに起こされたよ」

ほし 「だって置いて行かれると思ったんだもん!」

ママ 「置いて行くわけないでしょ?今日は皆で出かけましょうか」

パパ 「そうだな~じゃあ今日は南の森を山の方に行って見ようか、山から強いのが下りて来ているのが分かるかもしれんからな」

ほし 「ほんとに?やったー!」


本来なら居るはずの無い魔物の出現した原因が分かるかも?と調査をしてみる事にした家族、まだ山には入った事が無い、とりあえず山沿いの森の周辺を見て回る事にしたのだった。


山内村に残った銀狼族たちと朝食を食べる。


おと  「ああ~サイダーが恋しいよ~」

さき  「そうだね~たまに欲しいよね~」

コテツ 「サイダーが欲しいのが?」

パパ  「サイダー知ってるのか?」

コテツ 「ああ聞いた事が有るな、確か乾燥している地帯の水辺でよく見かけると聞いた事が有るな」

おと  「ほんとに!パパ今度探しに行こうよ」

パパ  「ああそうだな確かタルト帝国のスロウからマウナに向かう途中にそんな地形が有るみたいだな」

おと  「そっかー楽しみだね~」

ベン  「あんなものが欲しいとは変わって居るな?」

ほし  「美味しいのにね~」

コテツ 「あれが美味しいのだな…」


パパはそんなベンとコテツの言葉に違和感を覚えたのだが会話に変なところが無かったので詳しくは聞かなかった。


朝食を食べ終わり南の森を山まで見回って来ると皆に告げて出発する、途中にまりもがママの元に姿を見せて何か伝えている様だった。


パパ 「ママまりもは何をいっていたんだ?」

ママ 「ここの所南の方が騒がしい様なので行くなら気を付けろですって」

おと 「やっぱり何か起きてるのかな?」

パパ 「そうだな警戒しながら向かおうか」

さき 「警戒するのはすずちゃんだけどね~」


さきに言われて皆の視線がすずちゃんに「チチチチチ!」と鳴いて先に飛んで行ってしまった。


パパ 「あれ?どこ行っちゃったんだ?」

おと 「怒っちゃったかな?」

ママ 「心配ないわ、任せろ!って先行して様子を見て来るって」

さき 「張り切ってるね!これなら大丈夫だよね」

パパ 「前は朝に出て夕方頃に洞窟まで行けたんだっけ?」

ママ 「確かそれ位だったわね」

おと 「今だったらもう少し早く行けるんじゃない?」

さき 「警戒すずちゃんがしてくれるし道ももう有るから早いよね~」

ほし 「ねえねえ!早く行こうよ~」

パパ 「じゃあ疲れない程度の速さで行こうか!」


まりもにお礼と拠点の事を頼んで足早に南に向かう事にする、周辺に元々いる魔物位なら家族の気配を感じると逃げて行ってしまう様に成って居るので魔物にも中々会わなくなってきている、水路を繋げた小川に差し掛かった時いつの間にか戻って居たすずちゃんが「ジジ」と警戒の鳴き声を上げる。


パパ 「おと何処に居るか分かるか?」

おと 「良く分かんないんだけど川の中かな?」


パパが探査を使ってみるがまだ範囲外なのか分からなかった、すると目の前の小川の水が一気にせり上がって来た!(ザザザーザッパーン)と水しぶきを上げて川の中から水で出来た馬が現れた!


パパ 「これはケルピー?水の魔物だ!物理は効かんぞ!火もダメだ」


ママ 「あら私は出番は無さそうね~」


パパ 「中ボスクラスの魔物だ油断するなよ!」


おとが風の斬撃を飛ばし切り裂くが直ぐに戻ってしまって効いて居るのかが良く分からなかった、ほしも水の魔法を放つが吸収されてしまった様だった。


パパ 「土しかダメなのか?」と魔法矢の土の矢を放つ


土の矢は体を貫通したすこし痛そうにした効いて居る感じでは無さそうだった。


ケルピーは水の玉を放ってくるがさきがその水の玉を操って地に落とす、両者とも有効な攻撃が無い感じだった。


さき 「私の出番ね!」大岩をケルピーの上に出して押しつぶした。

(ぶちゃ!)と潰れたケルピー

おと 「倒したの?」

さき 「おねえちゃんそれ言ったらダメなやつじゃない?」


押しつぶされた水しぶきが徐々に戻って行き少し小さく成ったケルピーが復活した!


小さく成ったケルピーが川の方に行くと川の水を吸収してまた元の大きさに戻ってしまった、「水辺での戦闘は不利になるか?」パパが呟く


さき 「面倒なやつだね~じゃあこれではどうかな?」


川から出て来たケルピーの周りを土で囲うと上の面も塞いでしまったさき


パパ 「さきそこからどうするんだ?」

さき 「中を土で埋めたらどうかな?」

おと 「そんなことできるの?」

さき 「やってみるよ」と言って杖を掲げると中から悲鳴が聞こえてくるが(バシャ!)と水風船が弾けるような音が聞えて来た。


ピロン! Lvが上がりました。ピロン! Lvが上がりました。


パパ 「2つもLvが上がったな、かなりLvが高いケルピーだったみたいだな」

おと 「面倒な敵だったよね」

さき 「まかせなさい!余裕だったよ?」

パパ 「本来ならあそこ迄面倒な敵じゃ無いはずだが」

ママ 「あそこ迄魔法が効かないのは珍しいわよね?」

パパ 「確かにそうだな、火以外は効果が有るはずなんだよ、他に何か特殊なスキルでも持ってた可能性があるな」

ほし 「珍しい魔物だったんだね」

パパ 「そうだな~こんな森の中に出て良い敵じゃあなかったはずだな」

おと 「この先どんな強敵が出てくるか楽しみだね~」


さきが魔法を解くとケルピーを倒した場所には大きな魔石が転がって居た、慎重に進んでいく家族だが創造神によって強化された魔物がこれからも襲って来る事に成るのだった、創造神も洞窟からあふれ出るとは思っても居なかったので家族に魔物が倒されて行く事で少しホッとしながらも強化した魔物でも家族に歯が立っていない事で悔しくも有る複雑な心境で見守る事に成るのだった。


その日の夕方には問題無く山の麓に到着した家族、夜営の準備をして寛いでいる、夜にはゴンに周りを偵察してもらう事にして、すずちゃんは東の方が森が何だか荒れていると教えてくれたので明日は山沿いを東に向かってみる事にした。


おと 「ここの洞窟は今回は見ないの?」

パパ 「そうだな一階はファイアーアントの巣だからなあの数相手は面倒だろう?」


家族は前に襲われて一晩中戦ったことを思い出した。

ママ 「あの数は面倒よね~」

さき 「洞窟水で埋めちゃうとかどう?」

パパ 「さきなら出来そうだがその後どうするんだ?」

さき 「後の事まで考えてなかった~水が引くまで何もできないよね?」

おと 「でも面白そうだよね?」

パパ 「期待してもやらないからね?」

ママ 「さあご飯食べちゃいましょう」

パパ 「今回は強い魔物が何処から来ているかの調査だからな?」


「「「はーい」」」とご飯を食べだす家族の元にゴンが姿を見せママに何かを訴えていたママが「ゴンちゃん分かったわ、ありがとうね」と言ってパパに報告する。


ママ 「火の塊の敵がこっちに来てるって、ゴンちゃんの攻撃は効かないみたい」

パパ 「水の次は火かさきは水で攻撃だな」


食事を済ませると辺りはすっかり暗く成った、ゴンが飛んで来た方角を見ていると山の麓が大きなかがり火で照らされた様に明るく成って此方に迫って来て姿を現した。


パパ 「イフリートだなこいつもケルピー同様面倒な敵だぞ!」

さき 「水だよね!任せといて!」と杖を掲げてイフリートに温玉の中に閉じ込めた


(ジュ―!)と凄い水が蒸発していく音が聞こえ水蒸気が立ち上る。


さき 「もう一丁かな~そおれ~」と杖を振る。

(ジュブジュブジュブ)と音が止んだ。


ピロン! Lvが上がりました。ピロン! Lvが上がりました。


さき 「やり方分かれば楽ちんだよね!」

パパ 「ああそうだな、咲が居てくれて良かったよ…」

ママ 「本当ね~一家に一台さき欲しいわね~」

おと 「さきが居れば何でも楽ちんよね」

ほし 「さきねえちゃん凄いんだね~」


皆で咲を褒めたたえると咲も満更では無さそうで「くるしゅうない」とか言って居る煽てられると天迄昇ってしまうさきであった。


警戒はゴンに任せて家族は明日に備えて早めに休み事にするのだった。

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