第61話 ヒョドラと遭遇

獣王国の事はリキ王達に任せて置けばもう大丈夫だろう、あとは見守り何かあれば手を貸す程度にしておくことにする。

その事を家族に話して今後何がしたいか話し合う事に。


ママ 「食料だけは此処から援助するのよね?」

パパ 「そうだなその辺はハナに管理してもらおうか」

ママ 「ここの管理も任せちゃってるけど良いのかしらね?」

パパ 「職業が管理に向いているからな問題無いだろう」

おと 「ポチはかなり強く成ってたよ!パパと同じくらいじゃないかな?」

パパ 「そうなんだな~さすが勇者様だ直ぐに抜かれてしまうだろうな」

さき 「それなら安心だね~私たちは此れからのんびりとするの?」

おと 「のんびりも良いけど冒険も捨てがたいよね?」

ほし 「ほしも冒険したいな!」

パパ 「そうだなしばらくのんびりしたらやる事なく成って飽きてくるだろうな、それからどうしたいか決めようか?」

ママ 「どうしたいかって何処に旅をするかって事?」

パパ 「そうだな、何処に行きたいかかな、サシャ共和国とかタルト帝国かランプ獣王国は行ったばかりだからな除外かな?後は南の山岳地帯の探索かだな」


おと 「行ったことない国はタルト帝国だけだね」

さき 「サシャ共和国もちょこっと覗いた程度じゃない?」

パパ 「まあどこの国も少しだけ見た感じだけどな、行ったことが無い所行くならタルト帝国か南の山岳地帯だな」

ほし 「タルト帝国って美味しい物がいっぱいあるの?」

ママ 「ほしはタルト好きだもんね~でもタルト帝国は名前が似てるだけで美味しい物がいっぱい有るかは分からないわね」

おと 「タルトの帝国なら美味しいそうだけどね」

さき 「タルトしか無かったら嫌じゃない?」

パパ 「パパの勝手なイメージだけどタルト帝国にはジョン達の様な目に遭って居る者達が大勢いるだろうな、一部の権力者が威張って居るイメージが有るな」


おと 「それだとどこの国も同じ感じじゃない?」

さき 「そうだよね~魔物から助けたのに怒鳴られたり、後ろからいきなり蹴飛ばされたり何処の国もあんまり良いイメージでは無いかな」

ママ 「そうね~どこの国も一部の権力者が威張っている感じは同じよね」

パパ 「この調子だとタルト帝国に行ってもトラブルに巻き込まれそうだな」

おと 「トラブルの女神さまの加護貰ってたっけ?」

ママ 「いやな加護よねそれ…」

パパ 「それは欲しくないよな、呪いと言っても良いかもな」

さき 「呪いならほしに払ってもらわなきゃね」

ほし 「良いよ~結界で良いのかな?」

パパ 「ほし冗談だよ!本当にやらなくっても良いからね」

ほし 「そうなの?ほしはね~タルトの国に行きたいかな~」

ママ 「行ってもきっとタルトは無いわよ?」

おと 「私もちょっと町を見て見たいかな~」

さき 「何処でも良いかな?また洞窟無いのかな?」

パパ 「タルト帝国にも洞窟はあるぞ、洞窟ダンジョンの入り口を囲ったように出来た町も有るんだ、そこはダンジョンで取れる資源で賑わっているはずだ」

ママ 「何だか面白そうな所ね?そこに行って見ましょうよ!」

パパ 「分かったじゃあそこ迄の道順と日程でも考えておくよ」


タルト帝国のダンジョン都市、マウナに向かう事になった家族、地図では深淵の森から一番近スウロ辺境都市に向かい途中の村を2つほど経由するとマウナに行ける。


深淵の森の水路を繋げた南の小川沿いに東に向かい川が南に反れて行く所をそのまま東に歩いて行けばここからだと2日位で森を抜けれる。そこから半日ほどでスロウ辺境都市に付くはずだ、其処から村で止まりながら向かえば3日ほどでダンジョン都市マウナに到着するだろう。


パパ達家族の脚ならば半分の工程で到着できそうな工程だ。

パパ達はほしに合わせても馬車並みに早く移動できる、ほしもステータスが上がり余裕は有るのだが疲れるのは嫌なのだ、それでも馬なみに移動できるので十分だろう。


パパ 「今地図を見てたんだけど此処からだと普通に歩いて5日か6日の距離だな」

おと 「普通っていつもの感じ?」

ママ 「私たちの普通は普通じゃないわよ?」

さき 「じゃあ3日位で付くのかな?」

パパ 「森の中は歩きにくいから4日は掛かるかな?道作ちゃえば3日だな」

おと 「タルト帝国まで道繋げるの?」

パパ 「途中までだな、タルト帝国は大陸制覇を掲げているからな、森の中にある道見つかったら面倒な事に成るだろうな」


地図を広げて皆で見る事に「この川が反れている辺りまで道を作ろうかちょうど半分位の距離だからな、そこからは森を突っ切る形に成るかな」


南の方角なので山から強い魔物が下りて来るかも知れないが私達なら対処出来るだろう、道はすずちゃんが居れば迷う心配は無いので安心して行く事が出来るはずだ。


さき 「出発はいつするの?」

パパ 「ジョン達が明日の朝に村まで行くって言ってたからな、歩いて2日位の距離だからな往復4日だな様子を見て6日あれば何かあって助けを求められても対応できるだろうから今日から1週間はここでゆっくりしようか?」


おと 「分かった1週間はダラダラして良いのね?」

ママ 「ダラダラはダメよ?お肉も畑も収穫しておかないとね」

おと 「お肉まだ有るんでしょ?」

パパ 「ジョン達に渡そうと思ってるんだ、結構な人数の移動だろうからな」

さき 「全部渡しちゃうの?」

ママ 「少しは取っておくわよ?でも有って困る物じゃないでしょ?」

ほし 「蟹は渡さないでね?」

パパ 「そうだな蟹は取っておこうか、狩りはビックボア狙いだな!」


翌朝銀狼族が村に向かって行く、残るのはハナにタマ、ベンに小鉄の家族だけだと言う、ジョンとポチは戻って来ると言う話だ、此処と村との連絡係をするらしい、ポチの持って居る収納鞄に此処で取れたありったけの食料と肉を詰め込んだ、木材も加工したのを渡してあるので向こうでは組み立てるだけだ、ボブたちドワーフ3人も手伝いに行く、ジョンとポチが帰って来るまでは此処に居る事を伝え送り出す。


一気に静かになってしまった、すずちゃんに獣人達に何かあったら教えてもらう様に見守りを頼み、ママとほしは畑に獣人達の手伝いに行った、パパと音と咲は狩りに出る事にする。


おと 「何処に狩りに行くの?」

パパ 「南の方が魔物居るんじゃないかな?小川から道作りながら狩りするか?」

さき 「それいいね、タルトに向かう時に楽できるから」

パパ 「じゃあそうしようか、一回音が斬撃飛ばせばいい所まで行くだろう」


小川迄たどり着くと音は何処まで行けるか試すつもりでやる気満々だ!


パパ 「張り切りすぎて平地迄貫通させるなよ?」

おと 「ええ~そこまでは行かないんじゃない?」

さき 「この前のオーガ倒した時は一日歩いた分くらいだった?」

パパ 「確かその位だったかな?だったら丁度いい感じか、前と同じで頼むな」

おと 「前は全力だったよ?じゃあ今回も全力で良いよね!」

パパ 「まあ一回やって見な、貫通しちゃったらその時考えようか」

おと 「分かったじゃあさっそくやって見よー!」


おとが目をつむり集中している、『この前そんなことしたっけかな?』とパパが思って居るとおとが「イケー風の刃ハァー」構え剣を振りぬく、明らかに前より威力が有る気がするが…

ピロン! Lvが上がりました!


パパ 「この前全力だったのか?」

おと 「あれれ?全力だったと思ったんだけどな…」

さき 「明らかにこっちの方が凄かったよね?」

パパ 「とりあえず収納していくから咲道作ってくれ、行ける所まで行って見よう」


おとが切り飛ばした大木をパパが収納してさきが道を作っていく、すずちゃんがパパの元に飛んで来たので何かあったのかすずちゃんに聞くと(ポン)と人型に変身したママさんがパパさん達が心配なので付いて行って上げてと言われましたので此方に来ました、警戒は致しますのでご安心をなに魔物が迫ってきたら一鳴きします(ポン)と元の姿に戻ってしまった。


パパ 「そっかすずちゃんありがとな!」

おと 「警戒は任せた!これで安心だね」

さき 「トレントだけパパじゃないと分からないんだよね?」

パパ 「そうだったな何処に居るか分からないから探査はしておくよ」


進んでいくパパと音と咲、しばらく歩くとすずちゃんが「ピ!」と鳴いた。


パパ 「どの方面だ?」とすずちゃんに聞くと南の方をすずちゃんは見る

おと 「まだ分かんないな、南からだと強いかもね?」

さき 「どれ位の数かも分からないんだよね?」

パパ 「もう少し近くに来れば音が気づくはずだが」

おと 「大きいのが一匹来るよう後ろ側に出てきそう」


音を先頭にパパ咲の順番で構える。「すずちゃん咲の所に行っててまた魔物が来たら教えてね」とパパがすずちゃんを咲きに渡す。


(ゴリ!ドカドカ!)と木を削りなぎ倒しながら大きそうな魔物が咲きの作った道に姿を見せた。

「あれはヒュドラか首の数が多いほど強く成るぞ!」パパが注意を促す。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る