第60話 大量のエリクサー

宴会に成ってしまった次の日の朝


そこらへんに酔いつぶれた者が地べたで寝ている、久しぶりに楽しみ飲みすぎた者達だ、パパもその中の一員に成って居る、ドワーフ達も色々な酒を飲みすぎたのだろう酔いつぶれていた。


おと  「男の人は皆こんな感じなのかな?」

ママ  「そうね~似たようなものなのかしらね?」

さき  「グデグデじゃんか大丈夫なのかな?」

ハナ  「皆さんホントに久しぶりに騒いだ様ですからね、毎日は困りますがたまにはいいでしょう」

コムギ 「旦那と再会できた時もそうですがこんなにも楽しく嬉しい事はそうは無いですからね今まで生死を掛けて戦って居たんです息抜きも大切です」

おと  「パパも頑張ってたからたまには息抜き出来て良かったんだよね?」

ママ  「そうね~こっちに来てからはかなり頑張っている気がするかしらね、今日はユックリ寝かしてあげましょうか」


ママがハナに何か困って居る事は無いか聞いている、今ここにいる者を実質仕切って居るのがハナなのだ、表向きはジョンとリキ王なのだがリキもジョンも何かする時にはハナにお伺いを立てて居るのだ。


ハナ  「特に困って居る事は無いですねお腹いっぱいに食べれて皆満足しております、しいて上げるなら空いている畑をどうするか位ですかね?」


ママ  「麦も野菜も足りているしお米は私たちしか食べないのよね?」

ハナ  「お米は最近に成って食べだしていますよ、調理の仕方が分からなかっただけで炊いてしまえば美味しく食べれるので皆気に入ってますよ、ママさん帰ってきたらご飯の料理教わりたいって皆が言ってましたよ」

ママ  「人に教えるほどに料理上手じゃないわよ?困ったわね」

おと  「どんな料理が有るかだけでも分かれば良いんじゃないかな?例えばカレーとか、雑炊とか、久々に卵駆けご飯が食べたいな」

ママ  「じゃあここでカレーでもお昼に作ろうかしら、朝は卵駆けご飯にする?」

さき  「良いね~久し振りだ~!ダチョウに卵貰ってくるね!」


カレー用の香辛料は畑に成って居るので材料的には問題無い。

香辛料からのカレーの作り方は本棚にある料理本を見ながらに成るが作れそうだ。

ほしを連れて駆けて行くいく姉妹、ご飯を鍋で炊き出しみそ汁を用意することに、漬物も欲しく成ったが今は無いので諦めるが、ぬか漬けが食べたくなったママだった『米ぬかってどうやって作るのかしらね?お米を脱穀すると取れるんだったかしら?』確か料理の本に書いて有ったはずと、漬物を作れるように成ろうとするママだった。


ご飯が炊きあがりみそ汁の良い匂いが辺りにしだすとゾンビの様にうめき声を上げながら男性陣が起きだして来た、卵も一個が大きいので2個も有れば皆に行きわたる量だ、子供たちは先に食べさせて起きだした男共にご飯を配る女性陣。


リキ王も頭を抱えながらみそ汁をすすって居る「これは旨いな!」とお代わりをしていた、みそ汁自体知らない様子だったのでパパがご飯にかけて食べる事を教えると、「卵も良いが此方の方が食べやすく成り良いな~」と獣人達には好評の様だった。


半日ほどは二日酔いで苦しんでいたがカレーが出来上がる頃には徐々に復活して男性陣も手伝う様になってきたのだった、お昼のカレーを食べ終わる頃になりリキ王が皆の前で話し出す。

「皆聞いてくれ!パパさん達家族が豆吉他銀狼族の隠れた村を見つけてくれた、200人ほどがそこで生活をしているそうだ、私はその村に移ろうと思って居る、村はシャルバンの村から深淵の森の奥に向かって2日程の距離にあると言う、此処に残りたい者は残れば良い!村に行きたい者は申し出てくれ、話は以上だ!」


皆は考え込んでいる、知り合いや家族と離れ離れに成って居る者も居るのだもしかしたらその村に居るかも知れないと期待をする、しかし此処の村の生活も捨てがたいのだそんな葛藤が見て取れるようだった。


パパ 「此処からその村までは道が引いて有る、歩いて2日程の距離だ、此処からの食料援助もする予定だ、これからも出来る限り協力はする、身内が行方不明名な者も居るだろうまた戻って来るのも良いどうするかは皆で相談して決めてくれ」


銀狼族の皆に話をした後、テーブルでお茶を飲んでいる家族の元にボブたちドワーフ3人がやって来た。

ボブ  「少し良いかな?パパさんに見てもらいたい物が有ってな」そう言ってボーションを出して来たが少し色が番うかな様な気がしたパパ


パパ  「ポーションなのか?少し違う気がするが変わった色だな?」

ボブ  「あの樽の水と此処の桃と世界樹の葉から出来た物だ、前にパパさんに教えてもらった材料だな…」

パパ  「もしかしてエリクサーか?材料教えただけで良く作れたな」

ボブ  「普通なら材料がまず手にはいらない物なんだがな、材料が揃えばあとは普通のポーションとほぼ変わらんからな」

パパ  「それでも凄いもんだな!それはボブが持って置いてくれれば良いぞ」

ボブ  「その事なんだがな…調子に乗って樽一個分有るんだこのポーションの瓶だと100本分くらいに成るかな」

パパ  「伝説のエリクサーが100本か!そりゃ凄い事だな…どうするんだ?」

ママ  「エリクサー巡って戦争あったとか言ってたわよね?」

ボブ  「そうだな、過去にはそんな事も有ったようだな…」

パパ  「今此処に100本あると知れたらどうなると思う?」

ビル  「貴族にでも知れれば間違いなく攻め込まれるかな…」

レオ  「攻め込まれないにしても献上しろとか買い取りたいとか使者が凄い事に成るだろうな」

パパ  「それは面倒だな…この事を知って居るのは誰が居る?」

ボブ  「今この場に居る者だけだな」


ドワーフ3人にパパ達家族だけだった、この事はこの場所に居る者だけの秘密にしておくことに、もしもの為にジョンに2本ハイポーションの上級だと言って渡して置いた、誰も見た事が無いのでそう言っても分からないだろう、ハイポーションの上級でもまずお目にする事は無いのでジョンには秘密にするように言っておいた。


残りはボブが3本ママが2本パパが残りのエリクサーを収納して置く事にした、ボブにはもう作らない様に言っておく。


パパ 「他には何かやり過ぎた事は無いのか?」パパがドワーフ3人に聞くと


レオとビルも神銀の武器と装備が作れるようになったそうだ、3人でなら神銀が加工出来るようになったらしいのだ。

これでいつでもパパさん達の武器の替えが出来るようになったと喜んでいる。


まりもの出してくれる糸で出来る服や装備を作ると刃物が通らない丈夫な物が作れると言う、伸縮性もありパパ達家族の分も作ってあると言う事だ。

職人としてはここは良い物が作れる最高の環境だと言う、材料も最高な物が豊富にある、インゴットが有れば欲しいと言われたので倉庫に持って居るインゴットを全部出して管理は任せる事にした。

その量を見てこれほどのインゴットだと軍隊の装備でも出来そうだなと呟いていた、ミスリルもまだまだ残って要るのでインゴットにして出して置くことに好きに使ってもらう事にした。


その後は家族は塀の内側を見て回り手入れをすることにした、これからの事を考えて此方の主食に成る小麦の作付面積を増やしておく、定期的に隠れ村に送る事を視野に入れたのだ。

特に予定は無いので今開いている畑の場所に植える様にママにお願いをしママがスキルで一瞬で植えてしまうのを見ているとポチがこっちに走って来る


ポチ 「おと手合わせをお願いして良いか?」

おと 「特にする事も無いから良いよ~」


と二人は家の裏手の空き地に向かって行った、後で覗いてみるかなと家に戻るとジョンとボブが話をしていた。


ジョン 「パパさん丁度良かった、ちょっと話をしたかったんだ」

パパ  「ん?何の話だったかな?」

ジョン 「ここに残りそうなのは家庭持ちの者達だな、他は一度村に行きたいと言うんだ、そこで向こうで泊まる場所やら必要になると思ってなボブさん達に手伝って貰えないか話をして居たんだがパパさんに許可を貰おうと思ってな」

パパ  「許可がいるのか?ボブが良いと言えばそれで良いと思うが?」

ボブ  「此処の代表はパパと皆の認識だな、村に成ると村人や職人などの移動には村長の許可が居るんだよ」

パパ  「村にした覚えは無いんだがな…」

ジョン 「確かにパパさんにはその認識は無いだろうな、此方が勝手に押しかけて世話に成って居る状態だが、銀狼族の中ではここは山内村って事になっているんだ」

パパ  「ここ山内村なんだな…」

ボブ  「呼び名が無いと分かりづらいからな名前は決めた方が良いぞ」

ジョン 「そうだなこれから移動が増えると思うんだ銀狼族の村にも名前を付ける事に成るかもしれんな」


いつの間にか村長に成って居たパパ、豆吉村の命名も恩人が名を付けてくれたと豆吉以外の銀狼族は喜んでいたが、村の名前にされた豆吉は嫌とも言えずに微妙な顔をする事に成るのだった。


パパ  「ここが山内村なら向こうは豆吉村だな」

ジョン 「豆吉がどういうか分からんが良いかもしれんな、明日の朝に向こうの村に向かおうと思うんだが良いだろうか?」

パパ  「ああ構わんぞ、道中にオーガが出ても手を出さない様に頼むな、ママが群れのボスをテイムしてるんだ、襲われない限り襲わない様に言って道の警備を頼んでいるんだ」

ボブ  「オーガをテイム出来るんだな!さすがだな」

ジョン 「オーガが道の護衛かこの森では最高の護衛だな、分かった皆にも伝えておくよ、まあオーガが出たら普通は逃げるしか無いんだがな」



パパ達家族の異常さを再確認したジョン達、パパもこれでジョン達の問題は後は自分達で何とか出来るように成っただろうと見守る事に決めたのだった。




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