第93話 呆然とするパパ

ゴリラとの戦闘の後倒したゴリラは収納してしまっていく。


パパ 「それじゃあ急いで帰ろうか!ママ達が心配だ」

おと 「ママなら大丈夫だと思うけどね!急ごうか」


おともああは言っているが心配して居るのだろう今までに無い様なスピードで帰ろうとする。

さき 「お姉待って!早いついて行けないよ!」


音が本気を出してしまったら人ではついて行けないだろう


パパ 「焦って帰って疲れて居たらいざと言う時に戦えないぞ疲れない程度で行くぞ!良いなおと?」

おと 「ごめん!焦っちゃった…」


あんこにほしは跨って居る、咲が行けるギリギリの速度で家まで帰る事になった、道に出てしまえばそこからは案内は要らない警戒だけしながら一気に家まで走り抜けてしまう、空が赤く成り初め夕方に成る頃やっともう少しで帰れるだろうと思って居ると「ゴオオオオオ」と地響きがなり「ズズーン」と地震の様な衝撃を感じた。


パパ 「家の方からか?急ぐぞ!」


一気に石壁が見える所までやって来ると結界に何か黒い物が覆いかぶさっている様に見える。


おと 「あれは何だろうか?」

パパ 「おと鑑定で何か見れないか?」

おと 「そうだった見て見るね!」


ヘビーモス 地の王


パパ 「マジか!皆は大丈夫なのか?」

さき 「結界は大丈夫そうだから中は平気じゃない?」

ほし 「まりもが戦ってるよ!」


ほしに言われて良く見るとまりもがヘビーモスに向かって行ってるのが分かった。


おと 「取り敢えず確認しに行こう!」


余りにも大きい魔物の巨体で良く分かって居なかったが近くに行くにつれてヘビーモスの手足にまりもの糸が絡みついて身動きが取れなくなって結界に寄りかかっている様だった。


パパ 「これはまりもがやったんだよな?凄いなまりもは」

おと 「取り敢えず中に入ろうよ!」


パパが転移で跳ね橋を中から開けて子供達を中に入れ跳ね橋をまた上げておく、家の方に向かうとママがハルバードを構えて仁王立ちをしている、その前には大きなドラゴンがひれ伏して居るのだ。


その光景を呆然と見つめるパパと娘達、状況が良く分からないがドラゴンの頭はママのハルバードでやられたのであろう傷が有った、弱々しくママに頭を垂れているドラゴン辺りを見渡すと畑が荒らされ果樹園も木が折れて荒れてしまって居る。

このドラゴンは結界を抜けて来たのか?と不思議に思ってママの元に事情を聴きに行く事に、避難して居たのであろう、タマとハナが子供達を連れて此方に戻って来ているのが見えた。


パパ 「ママ無事だったかどういう状況だ?」

ママ 「あなたお帰りなさい!無事で良かったわ!」


ママが今までの戦闘の様子を教えてくれた、初めに結界に寄りかかって居る大きな牛?が此処に来て結界に体当たりを始めた、それをまりもが迎撃に出てくれてママが様子を見ていた、念のために皆には反対側の北の跳ね橋避難させていつでも逃げれる様にしていた、そしたら今度はこのドラゴンが空から降り立ちママに襲い掛かって来た、噛みつこうとしてみたのでハルバードで迎え撃ち撃退して今に至ると言う。


パパ 「大分大雑把な説明だが経緯は分かった他の皆も無事の様で良かったよ」


おと 「そのドラゴン神龍って出てるけど神なの?」

ママ 「え!神様なのこのドラゴン⁉」

パパ 「それも種族名だろうな?ほんとの神では無いだろうきっと…」

ほし 「直しといてあげる?」

ママ 「又襲って来ないかしらね?」

パパ 「今その状態なら大丈夫だろう?ママとの力の差を知ってひれ伏して居るんだろうそれ?」

ママ 「そうなのかしらね?頭思いっきり殴って気絶して居るのだと思ってたわ」

さき 「さっきから様子を伺って目をパチパチしてるから気絶はしてないみたい」

おと 「倒したらまずいのかな?」

パパ 「結界をすり抜けるならどうにかしないと安心できんぞ?」

ママ 「じゃあ倒しちゃう?」


ママがハルバードを掲げるとドラゴンがひっくり返ってお腹を見せだした、何事かと一瞬身構えたが余りの大きさに畑は潰され木はへし折れてしまったが余りの必死さに哀れに思えて来たのだった。


ママ 「ちょっとこれ以上周り荒らしたら許さないわよ⁉」


ママがそう言うとドラゴンは大きな体を頑張って小さく纏めてこれ以上物を破壊しない様にしている様子だった。


おと 「何だか可哀そうに思えてきちゃった」

ほし 「じゃあペットにするのはどう?」


ほしがそう言うとドラゴンとママが一瞬光ってしまった…


パパ 「ママひょっとしてテイムしちゃった感じかな?」

ママ 「そつもりは無かったんだけど向こうからなっちゃったみたいだわ…」

ほし 「やったードラゴンさんペットに成ったんだね!名前はゆきちゃんね!」


ほしがそう言うとドラゴンがまた光ってしまった!

ほしは名前を付けれて満足そうにしながらドラゴンのケガを直してやって居る。

家族が呆然とその様子を見ている、戻って来た獣人達や新たに加わった子供達も恐る恐る此方を伺って居た。


パパ 「もうどうにでもなれば良いか…」

おと 「やばいこの子!バハムートに成ってるよ!!」

さき 「神龍とバハムートってどっちが強いのかな?」

パパ 「ネームドに成った感じかな?違いが分からんな?」

ママ 「ネームドって名前はゆきちゃんでしょ?」

おと 「何だかドラゴンでゆきちゃんって名前と見た目のギャップが凄すぎ」

パパ 「後は結界に寄り添って居るあいつをどうするかだな…」

ママ 「まりもが大きすぎて止めが刺せないって」

おと 「ほんとデカいね!バハムートで20m位あるのかな?軽くその3倍はあるよねあのヘビーモスって魔物?」


ヘビーモスが通って来た森はなぎ倒されて悲惨な状態になっている様だ、こいつに止めをさせればパパの収納に入るかもしれないので何とか倒したい所だがどうやったら倒せるのかが分からない、悩んでいるとドラゴンのゆきちゃんがママに自分が止めを刺そうか?と言って来たらしいのでお願いする事に、流石にこの巨体の魔物をテイムさせる訳には行かないのだ。

バサッと一気に上空に上がったゆきちゃんがヘビーモスの顔の当たりに向かって飛んで行った、「ぶもー」とヘビーモスの叫び声が辺りに響き渡る、ゆきちゃんが首を少し引き一気に伸ばすとヘビーモスに向かってブレスを吐きかけた!

叫んでいた口の中にゆきちゃんのブレスが入って行き辺りが何だか香ばしい匂いに包まれて行った、巨体がビクン!と痙攣し一気に力が抜けた様で結界から体がスベッテ崩れ落ちていく。

ピロン! Lvが上がりました。ピロン! Lvが上がりました。

ピロン! Lvが上がりました。ピロン! Lvが上がりました。

ピロン! Lvが上がりました。ピロン! Lvが上がりました。

パパはこの巨体が倒れると凄い事に成ると思い収納を試みるのだった。

手をヘビーモスに向けて『収納』と心の中で念じるとあの巨体が一気に消えてしまった、無事に収納出来た様でホッとするパパだった。


パパ 「めちゃくちゃLv上がったな!」

おと 「パパの収納って規格外だよね~」

ママ 「あんな大きなもの収納出来るんだから凄いわよね~」

さき 「あれ取り出すの場所考えないと凄い事に成りそうだよね?」

おと 「スロウの領主館にプレゼントしてあげたら喜ぶんじゃない?」

パパ 「それは大喜びしそうだな!今度行った時に又来るようだったらプレゼントしてあげようか!」

ママ 「でもお肉は美味しいのかもしれないわよ?さっき凄い香ばしい匂いがしてきたからお腹すいちゃった」

パパ 「ハナさんだだいま~大変だったみたいだな!夜食はまだだよね?外で肉でも焼こうか!」

ハナ 「皆さんお帰りなさい!では準備しますね!」


ハナの指示で皆が動き出す、パパは外で子供達と肉を焼くことにした、まだ慣れない来たばかりの子供達はママに任せてドンドン焼いて行く、畑は少し荒れてしまったが片づけは明日する事にして今は皆の無事を祝い久々に騒ぐ家族だった。


やはりここは安心できる、夜はゴンとまりもが警備をしてくれ今では世界時の木でドラゴン迄警備をしてくれているのだ、普通の人が見たら逃げ出すだろう、魔物も寄って来なくなりそうだ、漫画やアニメの様にゆきちゃんは人型に成ったり小さく成る事は出来ないらしいのでなるべく目立たない様にして貰うしかない。

あたりに魔物が居なくなると狩りや皆のLv上げが出来なくなってしまう、もしそうなったら山脈の方に行って貰うしか無いだろう。

今回は山脈の新しいダンジョンから出て来たらしい、あそこの入り口そんなに大きくなかったがどうやって出て来たのか不思議だが異世界だ何でもありなのだろうな…


当たりが暗く成り皆がお腹がいっぱいになり解散して休む事になった、久々の我が家はやっぱり落ち着く、自分のベットが寝心地が一番だ、家族はその日はユックリと休み次の朝は皆疲れていたのか見事に寝坊するのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る