第78話 宿の威信をかけた料理
パパが部屋に戻り家族の皆に報告をする
パパ 「ビックリする顔が面白くってな沢山材料出して来た、あの顔は皆にも見せたかったよ!」
ママ 「野菜なんかも出して来たの?」
パパ 「家で取れた野菜や果物見せた時の顔も良い顔してたんだよ、まるで採れたてで食べてくれって訴えている様だって言ってたな」
おと 「家で取れるのそのまま食べても美味しいからね」
さき 「こっちで初めて野菜食べて美味しいと思ったからね」
ほし 「今ならトマト食べれるよね音姉ちゃん!」
さき 「トマトは何処でも美味しいよね?」
おと 「地球に戻ったら食えんと思うな…」
パパ 「確かに家で取れた野菜や果物は特別に美味しいよな世界樹が育ってからはまた一段と美味しくなった気がするんだ」
ママ 「そうね~町で買った素材と家で取れた素材だとすぐに分かるわよね、料理も家の素材だとすごく美味しく感じるわ」
パパ 「ママのスキルとハナのスキルがうまい具合になってそこに世界樹なんてもんが合わさったから特別になったんだろうな~」
おと 「もう家で出来た野菜以外は食べれないかもしれない」
ママ 「そう言って野菜食べないつもりね!騙されないわよ?」
確かにパパも家で取れた野菜は生で食べても美味しいと感じる、市場で買った物は不味くは無いが美味しいとも思わない、家で取れた野菜以外は食べたくないのも分かる話だなと思ってしまった。
パパ 「まあ家で取れた野菜だけでも食べて居れば栄養が偏る事も無いだろうから良いのかな?向こうに居る時よりこっちでは断然に食べてるだろうからな」
ママ 「私も他の野菜は実は美味しく感じないのよね」
夜食まで暇になった家族は寛いでいるがほしが我慢できなく成って居た、「暇ー暇ー」と呪文を唱えているパパは仕方なく木を取り出してジェンガを作って子供たちに渡した、パパの収納は優秀で難しい形や精巧な形は出来ないが取り出す時にイメージした大雑把な形には出来るのでジェンガ位なら出来るのだった。
少し形は悪いがちゃんと遊べるジェンガで盛り上がる子供達だがスキルの影響であろう咲が必ず負けてしまう、鈍感の効果で細かい作業が苦手がいかんなく発揮されるのだった。
ほしは負けないので大喜びでやっているが咲が段々と期限が悪く成って来るのだった。
さき 「ジェンガ飽きた~トランプがしたいな~」
おと 「パパ木をトランプ見たいに出せないの?」
パパ 「トランプって全部で何枚だ?」
おと 「4種類で13迄だから52枚でジョーカー1枚で良いんじゃなかな?」
パパ 「ちょっと出来るかどうかやってみるな?」
パパが薄く木を出そうとするがどんなに頑張っても5㎜ほどにしかならなかった。
おと 「まあこれで文字を書き込めば良いんじゃないかな?」
さき 「すっごい持ちにくいね」
パパ 「それ以上は薄く出来ないからな我慢してくれ」
子供たちの手では扇状に広げて10枚持てないパパでやっとだ片手で持とうとすると滑り落ちてしまう力を籠めると木が割れてしまうのだ。
パパ 「これはババ抜きは無理そうだ、音と咲でスピードでもやって見たら?」
おと 「さき一回やって見ようか?」
さき 「分かったー負けないぞ!」
音と咲がトランプのスピードをやる事になった。
ママ 「良ーいドン!」
ママの号令で2人がカードを捲り並べて行く、音のカードを並べていく速さが異常な速さで咲が一枚並べているうちに4枚は並べて行ってしまう、咲が半分も行かないうちに音が終わらせてしまった…
パパ 「ステータスの素早さがもろに出たのか?」
さき 「おと姉早過ぎるついて行けんよ!」
ママ 「じゃあ次は神経衰弱はどう?それならステータス関係ないでしょ?」
パパはママが哀れに思えてしまった、それは賢さがもろに出てしまう気がしたからだ、皆でやりだした神経衰弱、子供達3人は一回出た絵柄は覚えてしまっている様だった、ママは結局1枚も併せられずにぼろ負けだ、パパは何とか1枚絵柄を合わせられた、3人は順番の関係で咲がトップに3人とも記憶力が異常に良く成って居る気がした。
パパ 「今勉強したらすぐに覚えられて天才に成ってしまいそうだな!」
おと 「勉強は興味が無いから覚えられないと思うんだ」
さき 「そうだね覚える気が無いからね」
ママ 「…」
ママはよっぽどショックだったのかしゃべらなくなってしまった、此れからは遊びも気よ付けないといけないと心に刻むパパだった。
そんな時間を過ごしていると扉をノックされて食事が用意出来たので運んで良いかと聞かれたので持ってきた貰う事にした。
おと 「どんな料理か楽しみいよね~」
さき 「美味しいと良いけどどうかな~」
ほし 「ワクワクするよね~」
ママ 「ほら机の上片づけなさい!」
おと 「ほらパパとっととしまって!」
パパ 「ああ分かったよ」
子供に片づけをさせられるパパだった。
部屋に次々と運ばれてくる料理に目を奪われている子供達、「どれから食べれば良いのかな?」と目移りしている様だった、鉄板と机が運ばれて来て「お肉の種類が多かったのでここで小分けにして焼いて行きます」と料理長がやって来た。
料理長がお勧めの食べる順番を教えてくれる、目の前ではお肉が焼かれて行きお肉の良い匂いが部屋を包む、スープにサラダどれも美味しい!
この世界で初めてご飯が出て来たのに感動する家族。
料理長 「どの素材もどんな調理をしても美味しく出来てしまって大変だったのですよ」
さき 「何が大変だったの?」
料理長 「誰が作っても美味しい料理が出来てしまうんです!料理人なんかいらなくなってしまうよ!」
そう言って笑って居る料理長、そこからもう一段上の料理にする為に苦労したと言って居た、普段はこの宿の夜食の一番上のコースで一人金貨1枚なのだが今日の料理はスペシャルメニュー本日限定で一人金貨5枚で出しているこの宿には15の部屋が有り現在パパ達を除き40名ほどが泊まって居るらしい今回のこのメニューは30人分が用意出来たと言う全部売れれば金貨150枚に成る、そのうちの金貨100枚がパパ達の取り分に成ると教えられた。
パパ 「別に代金は要らなかったのにそんなに良いのか?」
料理長 「この料理は用意して頂いた食材だからこそ出来た料理です、他の材料では再現できませんでした、私共も良い経験を積ませていただきましたので少ない位ですが貰ってやってください!」
ママ 「パパ頂いておきましょうか」
料理長 「そうして頂けると私共も嬉しく思います!もしも次回この宿に泊まる事があったなら又珍しい食材をお持ちいただきたく思います」
パパ 「ああ良い食材が手に入ったらまたお願いするよ」
料理長にお肉を焼いて貰っては次々に家族の胃袋に消えていくお肉、飽きない様に味付けを変えて焼いてくれる料理長に感謝しながら用意された料理は完食できた。
さき 「美味しかった~もう食べれないよ!」
ほし 「お腹が破裂しそうだよ」
おと 「食い過ぎた~苦しい…」
パパ 「お前たち加減して食べろよ~」
おと 「だって美味しかったんだもん、料理が悪い!」
ママ 「でもこの後デザートが有るんじゃない?」
さき 「まだ有るんだ!食べれるかな…」
料理長 「お待たせいたしました!締めのデザートでございます!」
料理長そう言って持って来てくれたのはフルーツの盛り合わせと、色々な果実の味付けのシャーベットだった。
盛り合わせはゼリー?の様な物が上からかけられていてそれがまた美味しかった。
子供達はもう食べれないと言って居たのに「これ美味しいよ!」「こっちも美味しい!何この食感」とか言って食べだしている。
料理長 「ご満足いただけたでしょうか?」
パパ 「ああ見ての通り虜に成ってるな」
ママ 「ここにチョコ掛けたら美味しいわね?」
ママが生チョコを出しミルクで少し薄めてフルーツを付けて食べだした「美味しい~」とママが声を上げると料理長がチョコに食いついた!
料理長 「奥様それは何でございましょう?」
ママ 「あら知らないのかしら?食べてみます?」
料理長 「よろしければ少し頂きたいです」
ママ 「じゃあこれ良いわよ」
と言って皿に生チョコを垂らして料理長に差し出した、懐から味見用の小さいスプーンの様な物を出しチョコを掬い舐める料理長、目を見開き「これは!美味しい!」なんと言う滑らかさだ!」と絶賛していた。
ママ 「カカオらしきものは市場に合ったけどチョコは無いのね?」
料理長 「初めて味合うものですね!これはカカオから出来て居るのですか?」
ママ 「ざっくりした作り方を教えるわね」と言ってチョコの作り方を料理長に教えているママ、料理長は聞き逃さない様に必死になって聞いて居る、時々質問をして居るので近いうちに出来上がりそうだ。
「今から早速試してみます!」と部屋を出て食堂に足早に去っていく料理長、それからしばらくの間料理長に出来たチョコを試食させられるママだった。
その後この宿でチョコレートホンジュが名物料理に成り大繁盛を引き起こす事に成るのだった。
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