ショッピングモール3
佐々木さんに姉さんにも兄の情報を伝えてもらうと口を開く姉
「今までやりたい放題して来て自分が困ったら弟頼るって恥ずかしくないの?」
「何言って居るんだ?自衛隊の人が安全を確保する為に合流してくれって言うからわざわざ来たやったのにその言い草は!」
「ああ!悪かったな!自衛隊の人に身内守ってくれって言ったんだ、兄の事伝えるの忘れてたんだ、自衛隊の職員にも悪い事をしたよ、こっちはとっくに縁を切って居るって言うの忘れてた!済まなかったな」
「縁を切るだ!何様なんだお前!さっきからヒロのくせに偉そうに言いやがって!お前は俺の言う事を大人しく聞いて居れば良いんだよ!」
顔を真っ赤にして怒鳴り散らす兄、佐々木さんも呆れている様子だ。
「ご家族の事に口を出すのはどうかと思って黙って居ましたが余りにも自分勝手なお兄様の様ですな」
「あ⁉誰だお前は?身内の事に口挟んでくるな!」と当たり散らす兄
「申し遅れました私は自衛隊統合幕僚長を務めます佐々木と申します、ヒロ様の護衛を担当責任者をさせていただいております、お見知りおきを!」
「何で苗字を嫁さんの苗字の山内に代えたか分かって居ない様だな?縁を切る為に変えたんだよ!二度と関わらないようにな!」
佐々木さんの胸にあるマークが凄そうなのを確認した兄はかなりお偉いさんと認識した様でさっきまでの勢いがなくなり大人しく成ってしまった。
兄は言葉が出て来ないのか顔を赤くして下を向いてしまった。
「今回来るって聞いてどの面下げて来るのか見てやろうと思って居たけど見るんじゃなかったわ!今後うちとも一切の接触はしないでね!」そう捨て台詞を残すと姉は建物の中に入って行った。
パパとしても今までの事の謝罪からあれば違う対応をしていたかもしれないが昔と全く変わらず自分勝手な兄を見て呆れて愛想も尽きた感じだ、まあ元々無いのだが。
「佐々木さん悪いがその人はもう関係の無い人なので今後は護衛も要らない、送って差し上げて!」
「それはすみません!人違いをで連れて来てしまいましたか申し訳ありませんでした!」と言うと合図をして隊員に連れて行かせるのだった。
兄の家族もレストランから連れ出されて同じヘリに乗り送られて行った。
「これでスッキリしたな、見苦しいもの見せたな佐々木さん」
「何処にでもくずは居るもんなんですな!おっと!すみません!」つい出てしまった言葉に慌てる佐々木さんだったが、パパはそれに笑いをこらえ切れずに居るのだった。
「今まで自分の考え方がおかしいのか?と思った事も有ったんだが、他人の佐々木さんから見ても屑と思うのなら自分が間違ってないって分かって良かったよ!」とパパは爆笑してしまうのだった。
「面倒事も済んだしそろそろ合流するかな!」とパパは席を立って店の中に入ろうと歩き出すと不意にパパの探査に何かが掛かった。
「すずちゃん分かるかな?何かいないか?」と肩に乗って居るすずに確認をするがすずにも分からない様だった。
「佐々木さん!まだ分からないが何かがいるぞ?警戒して!」警戒をするように忠告をする、佐々木さんは慌てて周りの者に警戒態勢の合図を送り緊張が走る。
今の所パパにしか分かって居ない様だった、パパが弓を取り出しながら構え警戒をする、すずは何か分からないがママの元には向かって貰っていた。
佐々木も辺りを見渡すが何も居る気配が無いがパパが弓を空に向かって構えると魔法の矢を放つ。
すると何も無いと思って居たが何かが動いたような気がする。
自衛隊員もそれが分かり銃を構えるが「降参する!待ってくれ!敵意は無い!」と言い慌てた様子で姿を現し手を上げて降りて来るものが居た。
その姿を確認すると「天狗なのか?」とパパが呟き佐々木も確認をする「確かに昔話に出てくるような天狗の姿に思われますね」佐々木も天狗と認識した様だ。
天狗が手を上げて降り立った。
「あなたは何者なんだ?天狗であってるか?」
「ああ其れであって居る、かなりの前に成るんだがなお前たち人間に裏切られて封印されて眠っていた天狗と呼ばれている一族の者だな」
なんと姿を隠し此方の様子を伺って居たのは日本では有名な妖怪の天狗だった。
「天狗って本当に居たんだな」
「目覚めて五日程に成る、今まで各地を見て来たが人間どもが増えすぎて居るな!昔は共存をして居たんだがやはり我らが封印された後各地の妖怪たちも封印されたか滅ぼされたかで今では全く見つける事が出来んかった、その代わりに見た事も無い異形の者が人間と戦って居たなあれはなんだ?新たな妖怪か?話してみたが言葉が通じず襲い掛かって来るばかりだ知能が無いのか?そな達は並外れた強者の様だったので気に成って見に来たんだが何か知って居る事はないか?あれば教えて欲しいのだが」
パパは今起きている事を天狗に説明をしてあげた、此処とは違う世界と徐々に融合してしまう、さらに異形の者達が溢れて来るだろうと。
「黄泉の国との入り口が開いてしまったかのようだな…その世界の力で我らは力を取り戻し封印から解かれたのだな」
「天狗さんは裏切られて封印されたって言っていたが誰に裏切られたんだ?」
パパは天狗が居た時代が分かるかと思い聞いてみる事にした。
「我らはな牛若丸と言う者を助けて敵対する勢力と戦って居たんだがなその戦いも終わりを迎えたある日突如として牛若の兄の攻撃を受けたんだ、牛若は我ら妖魔を率いて平家と戦って勝利に導いたのだがな、それを良しとしない人間どもに攻撃を受けたのだ、われわれ妖魔の一人の力は優れていたが、人間どもの群れの数には歯が立たなかった、力のある妖魔は取り押さえられて各地で封印されて行き力の無い者は滅せられていった、わしも牛若を逃がすためにここらで戦い封印された一人だな」
「牛若丸って源義経だよな!どれ位前だ?900年くらい前に成るのか?」佐々木に聞くパパ、佐々木さんも考えて口を開く。
「詳しくは分かりませんが800年から900年前に成ると思いますね」
「随分と長い月日を封印されていた様だな、牛若と一鬼の最期は知って居るか?」
天狗に聞かれるが「一鬼が分からないなどんな姿だったんだ?」
「姿を隠すためにいつも僧の恰好をして居たな」そう聞き佐々木さんが「もしかして弁慶が一鬼なのでは?」と言って来る。
「なに!弁慶って鬼だったのか?」とパパもびっくりだ。
「おお!そうだな確かそんな名前で呼ばれておったきがする」
「最後は東北まで逃げて行き義経を逃がすために討ち死にしたと言われていますね」
佐々木さんが説明をする。
天狗は笑い出し「あ奴が簡単にくたばるとは思えんな!封印されて居るかならば目覚めるか?」ブツブツと口ずさんでいる。
「あんたは何て呼ばれていたんだ?」と興味本位で聞いてみると「わしは元は鞍馬の天狗と呼ばれていたが興味本位で付いて行ったら伊勢と名前を付けられたな」
「義経四天王と言われている人物の一人ですね…まさか天狗だったとは驚きです」
「牛若の周りの側近は皆妖魔だぞ?兄に人の部下は付けて貰えなかったみたいだからな、目付け役は居たが我らを嫌って居たからな」
パパと佐々木は過去の歴史を知り義経が討伐されたのが何となくわかった気がしたのだった。
「天狗さんあんたは此れからどうするんだ?」
「そうだな~もう人間にかかわる気は無いからな各地で目覚めるであろう古い友人たちを探して歩いてみるとするかな」
「そうかそれもよさそうだ!何か困ったことが有れば私は富士の麓の森の中に住んで居る訪ねて暮れれば力に成ろう」
「あそこに住んで居るのか⁉あんな化け物の住処におるとは!怖くて近づけんわ!」
「妖魔に化け物と言われるとは思わなかったよ!此方からは攻撃はしない様に皆に言ってあるので安心して来てくれ、間違っても攻撃は加えるなよ?その化け物たちが襲い掛かるから!」
「お主を化け物行った訳じゃないぞ?あそこに居る異形の者達の事だ、そこの肩に止まって居る鳥も大人しいがかなりの力を持って居るのが分かるからな、お主たちと戦ったらワシ等でも滅っせられそうだ、敵対はするつもりはない、では何か困った事が有れば頼らせてもらうとしようでは達者でな!」
天狗はそう言って飛び去って行った、その後に佐々木さんとパパが義経の話で盛り上がり歴史は勝者側が都合の良い様に変えて居る事を改めて認識するのだった。
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