第9話 嵐の夜に

外は豪雨だ、夜に家に居てもやる事が無い…

おと 「ねえパパ暇なんだけど!」

さき 「テレビも見れない動画もみれない!何すればいいの!」

パパ 「ほしを見なさい!ぬいぐるみで遊んでるじゃない、一緒に遊びなさい!」

「「子供じゃないんだからむり!」」


パパ 「ママはすずちゃんと何してるん?」

ママ 「すずちゃんが色々お話してくれるのよね~」

さき 「ママ、すずちゃんが何言ってるかわかるの?」

ママ 「何となくだけど分かるようになってきたわ」

おと 「へーすごいじゃん!なんて言ってるの?」

ママ 「ご飯が足りない!、ゲージに閉じ込めるな、もっと遊べ」だってさ

パパ 「暇ならすずちゃんと遊んであげなよ!」

おと 「ええ~、何言ってるか分からないから面白くないじゃない」

さき 「ゲージに入れなくてもママの言う事聞くなら出しっぱなしでもいいよね?」

パパ 「そうだね、逃げ出したりしたら危ないけどママの言う事聞くならゲージに入れなくてもいいかな?ママ、すずに話してみてよ」

ママ 「わかったわ聞いてみるわね」


しばらくママとすずちゃんが話している、様子を見守るとすずちゃんが観念したようにママの肩に乗って毛づくろいを始めた。


パパ 「すずちゃんは分かってくれたのか?」

ママ 「これから夕食後にデザート皆と一緒に食べる事条件にしたら、イェス、マム!って言って何でも言う事聞いてくれるって」

おと 「生後半年とは思えないねw」

さき 「安くって良かったねママ」


するとすずちゃんがママの肩から咲の方に肩に飛んで耳たぶに嚙みついた!


さき 「ぎゃー!痛い!痛い!」

と言って振り払おうとするが器用によけて頭をつつく!さきは逃げ回り「すずちゃんごめん!わたしのおやつあげるから許して~」と叫ぶとママの肩に止まって「ジジジジジィー」と怒ってる感じだった。

パパ 「すずちゃんは何て言ってるの?怒ってるのは分かるけど」

ママ 「私は高貴な生まれなの!安いって何言ってるの?後、おやつの献上忘れたら許さないからね!だって」

さき 「ごめんなさい!明日のおやつはすずちゃんに献上します…」


咲がそういうとすずちゃんは満足げに「ピヨ!」と鳴いてゲージの中に飛んで行った…


パパ 「自分からゲージに入ってったな」

ママ 「入り口は閉めないでって言ってるよ」

おと 「やっぱり自分の小屋が一番落ち着くんだね」

さき 「閉めたら怒るかな?」

ジジジジジジ!

ママ 「咲、閉めたらただじゃ置かないからな!って怒ってるわ」

パパ 「こっちの言葉もちゃんと理解してるんだな!すごいなすずちゃん!」

ピヨ!

パパに褒められてご満悦なすずちゃんチョロそうだ…


おと 「ね~パパ暇、まだ19時なんだけどなにしよう…」

パパ 「電気はあるからゲームでもしたら?」

さき 「ん~最近携帯のオンラインしかやってなかったから出来ないよ?」

パパ 「プレ〇テの昔パパがやってたゲームでもしてみたら、昔パパがはまってたオープンワールドの冒険クラフトゲーム、かなり前のだが面白かったよ」

おと 「それどれ?やってみようかな?」


ゲームをセットしスイッチを入れるとオープニングが始まった、〔この世界は剣と魔法の世界!大陸パンゲアを中心に様々な島によって形成されている。

主人公は獣人族、銀狼族の子供、両親と妹と仲良くサシャ共和国の深淵の森の傍らにある辺境の村で暮らしていた、ある日の夜寝静まった村に怒号が響き渡る!

盗賊に襲われた村、逃げる主人公、人ごみに紛れ森に逃げ込む。ふと気が付くと家族ともはぐれ途方に暮れるが、盗賊の追ってらしき声が聞こえてくる!「一人も逃がすな!女子供は良い金になる!」無我夢中で森の中に進んでいく、気が付くと辺りは静まり返って一人ぽつんと湖のほとりにいた。

物語はそこから始まった!

おと 「これ何から始めればいいの?」

パパ 「キャラクタ―作らないとね、種族選んで性別、名前、容姿選択、種族によって始まる国が変わるから、獣人の男選択すると主人公になるよ、女選ぶと妹になる、他の種族は主人公の仲間になるって設定だな、始まったら木や石集めてまず斧作るんだよ、そこから弓矢作って動物狩って木の実取って食料確保したら家作って畑作って作物そだてるんだ、食料が安定したら魔物狩ってLv上げて素材集めて武器作るんだ、Lv10まで育ったら町に行って教会で職業に付けるから職業選択するとイベントが始まるよ」

ママ 「懐かしいわね二人でよく遊んだわね、なんだかこの世界の事みたいじゃない?深淵の森とかサシャ共和国とか出てくるし…」

パパ 「ほんとだ!まるでこの世界がゲームになったみたいだな?」

おと 「パパはこのゲームクリアしたの?」

パパ 「途中でおとが生まれてそれっきりだ」

おと 「12年前のなんだ」

パパ 「そのゲーム出たのはその2年前だな職業とか仲間に凝りだすとすごい遊べるし、その森の湖に王国も建国できるぞ!」

ママ 「いつもパパとパーティー組んで遊んでたわね」

パパ 「ソロでもオンラインでも遊べるのがよかったよね」

さき 「ラスボスはどんなのがいるの?」

パパ 「魔王が居るよ、別の大陸だけど選択肢によっては攻めてくるし討伐に行かないとダメだ」

おと 「こっちの世界にも魔王いるのかな?」

ママ 「居てもおかしくわないわよね~」

さき 「攻められたらやばいじゃん!」

パパ 「ママと咲が居れば大丈夫な気もするな…まあ明日からLv上げでもしにいくか?」

おと 「Lvあげしたいけど、どうやってするの?」

パパ 「魔物狩るしかないのか?」

おと 「いやゲームの話・・・」

パパ 「そっちかwクラフトしながら素材集めてればLv10位はすぐだよ」

おと 「わかったー」

ママ 「Lv上げほんとにしに行くの?ちょっと怖いんだけど」

パパ 「…皆で結界の中からやれば安全じゃないか?」

さき 「結界の中から魔法打てばいいよね~!楽ちん楽ちん」

パパ 「明日午前中は訓練と畑の世話して午後からちょっと行ってみようか」


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次の日の朝


パパ 「畑からもう芽が出てるな」

ママ 「ここら辺は野菜畑ね、あっちが果物の種植えた所ね」


家から見て右が野菜畑、左がフルーツみたいだ、ほしが「やったー!芽が出てる!」とはしゃいでいる、最近見たト〇ロの真似をして変なダンスをしだした!咲がそれを見て一緒に「う~ぱ!」と二人で腕を下から上に振り上げた!

すると何と言う事でしょう!芽がどんどん成長していくではないか!

喜ぶ二人!調子に乗って「う~ぱ!」と繰り返す、どんどん成長する作物、ママもパパも固まって見ている、野菜は色付き、木は青々と成長し実りを付ける。

あっという間に成長し収穫できるまでになってしまった…

立派な野菜畑に果樹園が出来上がった!


パパ 「夢見てるみたいだな!痛い!おと!なんで抓るんだ」

おと 「夢じゃなかったね」

パパ 「人を抓るんじゃないよ!」

おと 「自分で抓ったら痛いじゃん!」

ママ 「デジャブ~見てるのかしら?前も見た気がするわ、このやり取り…」

パパ 「昼まで色々収穫して食べてみようか?昼から結界の周り歩いてみよう」


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~天界にて~


その様子を創造神と戦の女神が見ていた

「あの森に嵐って初めてじゃな…」この世界が始まって以来の出来事をサラッとやってしまった咲。

「野菜や果実を一日で収穫までしちゃってますよ、めちゃくちゃじゃないですか!しかもあの桃って天界の仙神桃ですよね?天界に一本だけしか無いはずですよね?創造神様が女神に褒美で渡す桃が下界に10本はなってますよあれ!」


『まさか種が取り出せるとは夢にもおもわんじゃろうが!』と心の中で呟く。


「ほっほっほ!まああれじゃ!この世界に理不尽に転移させたお詫びじゃな…」

「汗かいて引き攣って言う言葉じゃないですよね!装備は伝説級渡すし詫び凄すぎ!しかもあのゲームってなんですかこの世界そのままじゃないですか?」

「あれはそのなんじゃ…たまたまと言うかその~」

「パクったんですね?」

「パクってはおらん!この世界を作った時の参考にさせて貰っただけじゃ!」

「もうあの家族にこの世界はイージーゲームですよ!」

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