第54話 コカトリスの襲撃?

南の方からコカトリスが来ている様だった、パパは稲荷に皆を北の方面に避難をさせる様に言うと南の塀に向かって走る。

途中でママ達も種まきを終え戻って来てたので合流して南に向かう、塀にたどり着き咲に階段を作って貰い塀の上に、森の木の上を何かが飛んでいる様子が伺えた。

おと 「パパどうかしたの?」

パパ 「コカトリスの群れが現れたらしいぞ!獣人達が騒いでいた」

さき 「あの飛んでるのがコカトリスなのまだ遠くて分からないよね?」

パパ 「獣人達は五感が優れているから見えるんだろうな」

ママ 「すずちゃんがさっき戻って来て肉連れて来たって言ってたけど?」

パパ 「え!もしかしてあれがそうか?…」

おと 「パパが連れてきてッて頼んでたよね?パパやっちゃったな…」

さき 「獣人の人たち怖がって騒いで居たいよね?パパのせいか可哀そうに…」

ほし 「パパ皆を怖がらせたらダメじゃない」

ママ 「すずちゃんがあいつらは目を離すと言う事を聞かなくなるから肉にしていいって」

パパ 「ちゃちゃっと倒して食料にしてしまおうか…」

おと 「無かった事にしたいんだね」

さき 「皆にちゃんと謝ったほうが良いよ?」

パパ 「どうやって説明すれば良いか分からないから、村を救ったなんちゃって英雄に成っちゃおうか」

ママ 「パパが其れで良いならそうしましょうか?」

おと 「異世界に来て良心も向こうの世界に置いてきちゃったんだね」

さき 「それで英雄気取りはどうかと思うけど…」

ほし 「悪い事したら謝らないとダメなんだよパパ?」


皆に責められてタジタジなパパ、確かにすずちゃんに手ごろな食料になる様なので頼んだのはパパだがまさかコカトリスが来るとは思わないよね?

『パパが悪いんじゃないよね?』と心の中で叫んでいるのだった…


パパ 「とりあえず倒しちゃおうよ」

おと 「鳥だけにって詰まらんわ!」

さき 「鳥だけにとりあえず?…フフ」

ほし 「ねえどういう事?何言ってるか分かんないよ?」

ママ 「星ちゃんそっとしておいてあげてそこはあんまり聞いたらダメな所なのよ」

ほし 「え!そうなの?パパごめんね!」

パパ 「冗談のつもりじゃなかったんだがな…さっさと倒してしまおうか」


火は使うなよと皆に確認して迎撃準備に入る家族、すずちゃんは攻撃はさせないから大丈夫と言って居るらしいが2mは有る鳥が飛んで迫って来るのは凄い迫力がある。

無抵抗のコカトリスをパパは弓で丁寧に一匹ずつ狙い落としていく、音と咲は相変わらずの無双状態だ、30匹ほどの群れは殲滅されパパの収納に収まるのだった。


さき 「無抵抗だと魔物でも罪悪感が有るね」

おと 「ちょっとかわいそうな気もする」

パパ 「まあ食料手に入れる為だ、どこの世界にも有る事だよ」

ママ 「広場に戻って皆に倒したことを知らせましょうか」

おと 「そうだね~パパが連れ込んだって言って謝らないとね?」

パパ 「え!言っちゃうのか?そのまま倒したで良いんじゃないかな?」

さき 「言うとややこしくなるかもしれないね」

おと 「冗談だよ?そんなに焦んないでよ!」


子供に良い様に遊ばれるパパ、タジタジになりながらもなんとか頑張っているパパだった、子供たちも揶揄っては居る者のパパの事は認めているのだがパパにはその事は伝わって居なかった…必死なパパを子供たちはついパパを揶揄いたくなるのだ。


広場に戻るが皆避難している様で姿が見えない、北の方に歩いていくと稲荷が姿を現した、「もう大丈夫だ!全部始末した」とパパが伝えると「コカトリスの群れを全滅させたのですか?」と驚いている。


パパ 「腕には自信が有るんだ!あれ位なら何て言う事は無いな」

稲荷 「コカトリスは危険度Bですよ?群れだとAランクです」

パパ 「森の奥に行けばもっと危険が有るからな、生活する為には強さが必要だからな、魔物と戦って居ると自然と強くなっていく」

稲荷 「お子さんも凄い強さでしたからね…」

パパ 「子供たちは異常だな比べたら駄目だ、自分がみじめになってしまう」


子供たちは良く言うよと呆れている様子でパパを見ている。


ママ 「そんな事よりも肉が取れたから食事の続きをしましょう焼き鳥始めましょ」


稲荷に皆を呼びに行って貰いコカトリスの肉での焼き鳥パーティーの準備をする家族一気に村人の胃袋を掴み溶け込むことに成功するのだった。


日も傾き夕暮れになる、村の一角にテントを張らせて貰う、家と言うか掘っ立て小屋ばかりだ、テントの方が寛げるだろう。


パパ 「後はレッドゴブリンを退治しなきゃならんな」

おと 「退治しないとだめなの?」

パパ 「レッドゴブリンも道を派手に作ったせいで移動してしまったんだろう、まあきっとうち等のせいだからな、迷惑かけた責任を取らないとな」

ママ 「でも何処に居るのかわからないわよ?」

さき 「今から夜だからすずちゃんは無理だからね、ゴンの出番かな?」

パパ 「ゴンに居所を探して貰って明日に退治に行けば良いか」


ママにゴンにお願いしてもらい夜中に居場所を探してもらう事に成った、明日は夜明け前にゴンにレッドゴブリンの場所まで案内して貰う為に早めに休む事に成った。


草木も眠る丑三つ時と言うのは今頃だろう、パパは何となく目が覚めてしまった、ふと見るとゴンがすでに帰って来ている、「ゴンもう見つけたんだなレッドゴブリンは近くに居るのか?」と聞くと(ポン!)と変身してしゃべりだした「ここの村が変わった様子を偵察に来ていたゴブリンの後を付けました」と話してくれた。


コブリン達は慌てている様子で時間が経てば経つほど此方が戦力が整うだろうと思って居るらしいので、早めに奇襲で攻めたほうが良いと攻め込むために向かっていると教えてくれた。


あと一時間もすれば東側から来るだろうと言う事だった。


慌てて皆を起こすおパパ、寝起きが悪い女性陣を起こす方が命がけだった…

一人でゴブリンと戦った方が楽なのではと思ってしまう、皆を起こすのに30分ほどかかり苦労するパパだった。

おと 「もう何こんな時間に!」

パパ 「コブリン達が此処に攻めてくるらしいんだもう時間が無い!」

さき 「コブリンなんて弱いじゃん…パパ何とかしてきてネムイ…」

ママ 「しょうがないわね…準備しましょうか…」


ほしは起きる気配が無かった…

パパは半分諦めて一人で東側の門に向かい入り口を木で一人が通れるか通れないか位の間隔で塞いで入り口の中側は木で袋小路に成る様に塞いだ、中に入っても木の上から攻撃出来るようにしたのだ。

こうして置けば群れで攻めて来ても逃がさずに殲滅出来るだろうと思っての事だ。

準備をしていると家族が嫌々ながらに来てくれたので木の上に乗り準備完了だ、その頃には村人も何人かがパパ達に気が付き何をして居るのか聞いてくる。

コブリンが攻めて来るかも知れないので準備していると言うと慌てて村人に知らせに走って行くのだった。

稲荷が到着しパパに参加しますと言ってきたので、こちら側はパパたち家族だけで十分だ反対側の入り口の警備を稲荷たち村人に頼む、連絡係だけ配置する様に頼み向かって貰う。

息を潜めているとゴンがママの元に来てもうそこまで来ていると伝えてくれた、ゴンは群れが逃げ出さない様に此方に追い詰めてくれとパパが言うと「キキー」と言って飛んで行った。


ゴンが飛んで行った直ぐにコブリンが木の隙間から入って来た、此方が待ち構えていると先頭のコブリンは驚いているが後ろから押されてどんどん中に入って来る。

20匹ほどが中に入った所で一匹のレッドコブリンが中に入って来た、中の様子を伺い相手が少ないのを確認すると「グギャ!グギャ!」と叫び声を上げて突っ込んできたどんどん中に入って来るコブリン達、パパが合図を出して戦闘開始だ!

音とママがコブリン達を蹂躙し始める、咲にはレッドゴブリンを見たら倒す様に言っておく、一方的な蹂躙だが外から中の様子が分からない様なのでどんどん中に入って来る、パパは死んだコブリンが邪魔になって来たので収納して片づける簡単なお仕事に成ってしまった…

何匹倒したか分からないがかなりの数を倒している、すると入って来るのがレッドゴブリンだけに成って来た、連携しだすと厄介だが入って来ると咲に倒され即収納されてしまうので、訳も分からずに突っ込んでくる。

後ろからゴンが圧を掛けて居るのだろう入り口の外の方が騒がしい様だ、逃げるように中に入って来るレッドゴブリンを速攻で咲が魔法で打ち抜く。

収納するだけのパパ、音もママも暇になってしまったので入り口を塞いでいる木をどけて中に入りやすくする。

木をどけると中になだれ込んでくるレッドゴブリンの群れだがママと音に一太刀で倒されていく、咲も一撃で倒してしまうので30匹ほどが物の数分で片付いてしまった。


ゴンが入り口から姿を見せたので終了だろう、一様伝令に向こうの入り口の様子を見て来てもらう、今回た倒したゴブリンは入り口の邪魔に成らない所に積み上げて置いた、警戒をしていると伝令役の村人が稲荷連れてこちら側に様子よ見に来た様だ。

積み上げられたゴブリンとレットゴブリンを見て絶句している。

「コカトリスとゴブリンの群れ、あなた達が居なければ村は滅んでいただろう」

頭を下げている稲荷を見て、パパ達家族が来なければ両方とも襲いには来なかったんじゃないかな?と少し申し訳ないなと思って居る家族だった。

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