第42話 甘い物には勝てません。
モー牛の群れを見つけ少し離れてどうやって捕まえるか相談する。
パパ 「餌でおびき寄せるんだよな、餌は何が良いんだ?」
ジョン 「甘いものが好物と言う事だが、何が気に入るかはその個体で違うみたいだ,気に入らないの出すと凶暴化するらしいから気よ付けろ」
ママ 「お菓子と果物を試してみようかしらね?」
そう言ってモー牛を遠目に見ながら話して居る、モー牛達は此方の存在には気が付いている様だったが距離が有るので警戒はしている様だが特には何もしてこなかった。
ママが野菜や果物を取り出す、「この中で甘い物はリンゴか桃かしらね?」
モー牛が一斉にこちらの様子を伺って居る、ママが続いてお菓子をとりだす、チョコとメープルシロップの掛かったホットケーキを出した、モー牛達が色めき立ちこっちに向かって走り出したではないか。
パパ 「ママ、チョコかホットケーキだな群れで一斉にこっちに来てるぞ」
ママ 「本当ねあの勢いで来られたら危ないわね…気に入らなくて凶暴化したかしら?」
そう言ってチョコとホットケーキを分けて置き何方に来るか少し離れて確認する、凶暴化したのかと思ったが、好みが有るのか半々位に分かれて争いながら食べだした。
ママ 「あの中には行きたくないわね」
パパ 「そうだな巻き込まれたら大変だな…」
少量しか置いてないお菓子に50頭位のモー牛が争いながらお菓子を取り合っていた、子牛を連れた母牛までもが血眼になって争って居る、子牛も隙あらばと伺っている様だ、ある意味凶暴化したな…しばらくその様子を眺めどうするか悩んでいる。
ジョン 「この猛牛を連れて帰るのか?」
パパ 「ん?そうだな出来ればモー牛は確保したいな」
噛みあっている様でいまいちかみ合わない会話だが意味は通じてるかな?
ポチ 「ミルクはそんなに美味しい物なのか?」
ママ 「ポチ、ミルクと卵が有れば美味しい物がもっと作れるわよ」
ママの言葉に反応してかモー牛が一斉に此方を向いた…
ママ 「誰か私たちと来てミルク分けて呉れないかしらね?」
そう呟くとモー牛達が私たちを取り囲み期待の眼差して此方を見ている…
パパ 「どうするんだこの状況…」
ママ 「こっちの言葉が分かって居るみたいね?」
すずちゃんが「ピピ」と鳴いてママに話しかけている、すずのスキルでママの言葉がモー牛達には分かるらしい、ママもテイムすれば話せるし、賢さが上がればテイムしなくても話せるように成ると説明してくれた。
ママの賢さは絶望的だった…
取り敢えずはママの話は理解しているらしいので説明してもらう事にした。
森の中の家族の家で生活してミルクを分けて欲しい事、来てくれたら甘い物は用意する、家に来れるのは5頭までにオス2メス3と言う事にした。
モー牛達が騒ぎ出す、オスたちは角を打ち付け競い合いだした…メスたちは選んでくれとばかりに整列している、ママが「テイムしても良かったら此処に残ってね」と言うがどの牛も動こうとしなかった、仕方が無いので子供たちに3頭選ばせた。
ほしは子牛を連れた母牛をえらんだ、子牛が可愛かったようだ。
6匹に成るがまあ良いだろう、母牛が子牛をなめて褒めている様だった、選ばれなかったメス牛はがっかりした様子で離れていく、オス牛も勝負が付いたようでボロボロになった2匹のオス牛が此方を期待の眼差しで見たいた。
ママが順番にテイムしていく、「モ~」歓喜の声を上げる牛たち、周りには恨めしそうに此方を見ている牛達が居た、ママが可哀そうになり集まってくれた牛たちにメープルシロップを一舐めさせ、お礼を言っていた、舐めさせてもらったモー牛は満足したのか元居た場所に帰って行った。
ママ 「帰ったらシロップまた作らなきゃ、無くなっちゃったわ」
パパ 「まああの状況では仕方がないさ」
ジョン 「モー牛を捕まえる時は命がけだと聞いていて覚悟はしていたが何だかあっさりだったな」
ぽち 「俺もあんな美味しい物食べたの初めてだったからな牛たちも初めてだったんだろうな」
おと 「罠作ったら一網打尽よねあれじゃ」
さき 「あのまま突っ込んで来たらどうしようかと思っちゃった」
パパ 「チョコとシロップ出した瞬間だったからな甘いと良く分かったよな」
ママ 「鼻が良いのね本能かしらね」
モー牛たちは早く帰ろうとせかしている様だった、「そんなに慌てても帰って作らないともうないぞ?」と言うとがっかりしたのかトボトボと後をついて歩き出す牛達
パパ 「コーダ達が居るから心配は要らないと思うが急いで戻ろうか」
ジョン 「そうだな早いに越した事は無いな」
足早に獣人たちが待っている場所まで戻る一行子供たちは牛の上にのせて貰って遊んでいる、落ちるなよ?いつもはほしに合わせて歩いて居るので遅くなるが今はその必要が無いので一気に戻る事になった、そのまま何事も無くコーダ達と合流を済ませ何度か魔物に襲われるが次の日の昼頃に家にたどり着いたのだった。
タロウ 「これは家なのか?砦じゃないか!」
お堀と石壁を見て驚いている、他の獣人たちもポカンと石壁を見ていた、パパが大木で橋を作り中に入って跳ね橋をあげているとドワーフの3人が走って来るのが見えた、
ボブ 「なんだパパさん達か!侵入者だと思い慌てたぞ!」
パパ 「それは驚かして済まなかったな、ちょっとトラブルが有って町まで行かずに戻って来たんだ」
跳ね橋から入って来る獣人たちを見るパパ、察したのかドワーフ達は「それは難儀したな~とさっそく住む場所を作らんと行けないな!」と言って家の方に戻って行った、モー牛たちも中に入ったので跳ね橋をもどして家に向かう、ハナとタマがお出迎えしてくれた、皆に食事を用意してと頼む。
獣人たちの中に知り合いが居たそうで嬉しそうに再開を喜びあって一緒に食事の用意をしだした。
銀狼族は3人家族と5人家族、母親と2人の子供、女性1人、男性2人の大人8人子供6人の内訳だ家はまず大きい家を建ててそこで集団で生活してもらい、徐々に家を増やすことにした、もともと集団生活で子供を村の大人全員で面倒を見ていたので大きい家1つだけでも良いと遠慮していたがまだまだ土地は余って居るので立ててしまう事にした、汚れて居たので子供たちは水路で水浴びをさせる、男共もそれに続き子供と遊びながらキャッキャ言いながら水浴びをしている、女性陣は家の中の風呂を使ってもらった。ジョンやコーダ、ボブたちが住み家にもいつの間にか風呂が出来上がって居た、山内家の風呂を見てボブが魔道具で作ったという、魔道具に魔力を込めればお湯が出るので誰でも使えて便利だった。
トイレも魔道具で水洗で流れるように流れた先にスライムが居て綺麗にしてくれ外に流れる水路につながっているという、2日ほど家を空けただけでかなり便利に成って居た。
種を植えた世界樹の木もいつの間にかに家より大きく成って居たそれを見たコーダが「精霊が喜んでいる、あの木はユグドラシルなのか?」と聞いてきた。
パパ 「コーダ達はそう呼ぶんだな、私たちは世界樹と呼んでいる、コーダ達と出会った洞窟の宝箱から種が出たんで植えといたんだ」
コーダ 「ユグドラシルの木は私たちが住んで居る村に神木として祭られていたんだが魔族どもの奇襲にでダメージを受けて枯れてしまったんだ」
パパ 「そうなのか勝手に植えたらだめだったかな?」
コーダ 「ユグドラシルの木は自分で場所を選ぶという、パパさんが種に出会ったのも選ばれただろう、誰かか種を奪って他の場所に植えたとしても決して芽を出すことは無いと言われている」
パパ 「芽を出して成長しているのなら問題はないのか?」
コーダ 「そうだな世界に一本だけ生えると言う故郷のユグドラシルは完全に枯れてしまったのだろうな…」
カイト 「エルフってユグドラシル守るのが使命だって族長が言って居たよな?」
コーダ 「ああそうだなユグドラシルの恩恵を受けてそれを守って生きていくのがエルフだと言われている」
エルザ 「じゃあ私らもここで生活してユグドラシルまもっていくの?」
コーダ 「何とかして此処にユグドラシルが復活して成長して居る事を故郷の皆に伝えたいのだがな…」
エルザ 「海を渡るにしてもね、最低でもワイバーンクラス使役しないと無理よね?」
カイト 「俺らがこの大陸に来たのもひょっとしたらユグドラシルの導きだったのかもな?」
コーダが目を見開き「それは考えつかなかったな、その可能性は考えられるか…」
パパ 「まあゆっくり帰る方法を考えれば良いさ見つかったらその時また考えれば良いからな」
コーダ 「パパさんの言うとおりだなユグドラシルを守るのが使命なら此処に留まらなければいけない」
エルザ 「向こうに知らせるとさこっちに着たがる奴も出てくるよね?」
カイト 「そうだなかなりの数が居るんじゃないか?」
コーダ 「まあ簡単に来れる場所ではないので大丈夫だろう」
食事の用意が出来それぞれが食べだす、ボブたちドワーフ3人が大きな机と椅子を作り皆で食べれる様にしたのだ、さすがドワーフ仕事が早い!
獣人たちの服がボロボロだなハナに皆のを作って貰おう、一人じゃ大変だ女性陣と協力して作って貰う、ボブに機織機を追加で作って貰わないとな。
男性陣が何をすればいいと聞いて来られたので皆でとりあえずは家作りして終わったら、モー牛たちの小屋も作って貰おう。
そう言えばダチョウ?達はと見渡すと果樹園の木陰で休んでいた、ボブたちに小屋も作って貰ったようだ
パパ 「皆にあの鳥は何て言うのか聞くが皆知らない様だったので音にあのダチョウの様な鳥鑑定してみて」とお願いする
音が鑑定すると「プハ」と吹き出して笑って居るどうしたのか聞くと「パパが名付けちゃったみたいだよ?名前がダチョウの様だ に成ってる」アハハハハと笑って居た。
「マジか!!可哀そうなことしたな…まあダチョウで良いだろう」初めて発見されたのかな?これからは気よ付けないと…
ダチョウたちが皆パパを見ている、その目が心なしか冷たく感じるパパであった。
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