第15話 いざ町に!

夜明け前ママが起きてきた、「パパお疲れ様代わるから日が出るまで休んできて」

そう言ってパパを気遣う「ありがとう、何事もなかったから良かったよ、少し休ませてもらうね」ママと交代する、おとも気が付いたのか起きてきた、「パパ、ママおはよう」「「おはよう音」」そう言ってパパはテントの中に入っていった。


おと 「何も起きなかったみたいだね?」

ママ 「まだ夜明けまでは少しあるから気はぬけないわ、音が居れば何か来れば分かるからいいわね、任せたわよ?」


そう言って朝ご飯の用意をしだす、しばらくするとスープのが出来上がり辺りに良い匂いがしだしてきた、ご飯も専用の釜で炊いているあれで炊くと美味しいのだ、薪はパパが夜に大量に用意していた、収納から出しただけだが…


ママ 「おとも料理覚えたほうが良いわね、これからは一緒に作りましょう!」

おと 「ええ~やろうと思えば出来るよ?」

ママ 「こっちじゃネット見ながらレシピ調べる事は出来ないからね?経験していかないと美味しい料理はできないわ」

おと 「そっか!分量とか全然覚えてないよ」

ママ 「お菓子は良く作ってたからね、でも、この世界にチョコレートは有るか分からないわね、砂糖も有るかしらね?」

おと 「町で有ったら買わないとだね、ママ,チョコから種とれないの?」

ママ 「カカオ取れるかしら?カカオからのチョコ作りなんてしたことないわよ?」

おと 「どうやって作るんだろうね?煮込んで絞ればいけるんじゃない?サトウキビは取れるよね?」

ママ 「帰ったらやってみましょうか、時間はたっぷりあるしね、サトウキビは出来そうね」


女性のチョコに対する情熱は馬鹿に出来ずこの世界で初のチョコレートを作り出し世界を騒がせるのだった…


日が昇り咲と星を起こしに行く、どうやったらこんな寝相になるのかが不思議なくらいだ、ど真ん中で星が横になり咲の背中を足で押してエビぞり状態で寝ている、あれでよく寝れるな、パパは星の頭がお腹に乗って手が顔面に、いつもなら何かあればすぐ起きるけどよっぽど疲れてる?ちょっと優しくしてあげようかなと思う二人だった。


星をママが抱え上げ咲を音が叩き起こす、パパはもう少し寝かしておこう、皆が汗が気持ち悪いと朝風呂を咲に頼む、誰も居ないし皆すっぽんぽんだ、咲は杖のおかげか温玉風呂を3つ出している、かなり魔力操作が上達したようだ、みなが終わり咲が入る、中で器用に体や頭も洗っている、浮いた温水の玉の中で人が浮いている、なんど見ても不思議な光景だ…日本で店やったら絶対流行るなこれ、咲にしか出来ないけど


皆がお風呂を済ませ着替えているとパパが眠そうに起きてきた、パパも目を覚ますために咲に温玉を頼んでいる、杖片手にスープを飲もうとした咲、「あち!」とスープの器を落とす、咲は極度の猫舌だ!パシャん!「うお!」ゴロゴロゴロ…温玉が弾けパパが地面に転がりドロドロだ… 泥の人形が現れた! なんちゃって、皆は自分はああはなりたくないと可哀そうな目で見ながら笑いをこらえている、「パパごめんなさい!」咲が謝る顔は笑いを堪えるのに必死だ「良いんだよ御かげで目が覚めたよ、泥だけ落としてくれるかな?」と咲に頼み泥を落としてもらっている。


そんな騒がしい朝、皆がご飯を食べ終わり疲れを取る為に仙神桃を食る、この家では仙神桃も食後のデザートだ!

装備を確認して出発!


パパ 「ここからは森の中を進むから今迄以上に警戒していくぞ」

おと 「魔物は弱いんでしょこの辺り?」

パパ 「今まで殆ど出会ってないからな~本来なら倒しながらだからもっと時間が係るはずなんだが、ここまですんなり来ちゃったからな」

さき 「このまま行けるといいね」


咲がそんなフラグを立てながら焚火を消し、片づけをして歩き出す、獣道かな?人が行き来したような?地面が踏み固められた細い道を見つける、町まで向かってそうだ真っ直ぐ北に向かっている、湖に住んでいた人が通っていたんだろう。


ママ 「すずちゃん何かあったら教えてね」「ぴよ!」と飛んで行った見えないが

パパ 「この道を歩いていけば町に行けそうだな」

おと 「歩きやすくて良かったね」

パパ 「おとまた何か来たら教えて」


そう言って歩き出す、ほしがすぐに飽きてきた…

ほし 「歩いてばっかりつまんない!」

ママが「ほしあそこ鹿さんが居る!」と指をさす、「どこどこ?」と見るが見当たらない「ママ見えなかった!」次は何がみえるかな~「トラさんかな?キリンさんいるかもよ」と言って気を逸らせると「見つけるー!」と元気に歩き出す。さすがママ、扱いなれてる…しばらくすると「つまんない~何もいない」とぼやきだす、すかさずママが「しりとり初め!めだか!はい、ほし!」ほし「かもめ!咲姉ちゃん!」

咲「め!?お姉ちゃん」音「めだか!」「「「さっき言ったー」」きゃははー」


音よ絶対めんどくさくなって終わらせたな…もう少し付きやってやれよ!


そんなこんなで森が無くなり先方に塀が見えてきた「「「やっと着いたねー」」」

だが町がモヤが掛かったようになって様子がおかしいような気がした。


パパ 「様子がちょっとおかしいか?急いでいこう!」


町を確認できる所まで来ると魔物の群れが襲っている

パパ 「魔物の氾濫だ!」

さき 「魔物の氾濫てなに?」

パパ 「洞窟から魔物が溢れ出したり、森の奥から強い魔物が出てくるとそいつから逃げようとして森の魔物がパニックになって森から出てくるんだ、魔物は本能的に人を襲う、逃げ出した魔物も町に人が多いと認識するとああやって襲いだすんだよ」

おと 「洞窟は普通だったよね?強い魔物って?」

ママ 「洞窟前で休憩してた時はそんな様子は無かったわね」

さき 「どれくらい強い魔物なの?」


皆は気が付いた…ひょっとして?と皆の視線が咲と音に集中する!

きっとその強い魔物は此処に居る…


さき 「え⁉みんなどうしたの?そんなにジッと見つめないでよ!」

パパ 「何も抵抗してないようだが何でだ?とりあえず助けようか!咲は派手な魔法は使うなよ?」

さき 「どれ位なら良いのかな?」

パパ 「手に平位の火の玉出せるか?」

さき 「ウ~ン!こんくらいかな?」

パパ 「それが一番小さいの?」

さき 「これ以上は出来ないみたい」


サッカーボウル位ある火の玉が浮いている・・・


パパ 「門の前は人がいるかもしれん、門破壊してもダメだから門から少し離れた魔物が密集している魔物の所に一回撃ってみようか、壁には当てるなよ?手前だぞ!」

さき 「分かってるって!最後尾の奴狙ってみるね、えい!」


さきが手の上にある火の玉を山なりに放り投げると魔物の最後尾塀から20m位離れた当たりに着弾した!

ドゴーン!!!半径10m位が吹き飛ぶ!魔物が空中に打ち上げられてる。


パパ 「あれ位なら大丈夫かな?さき門以外の場所にさっきくらいの距離で撃ちまくれ!音とママは城門前に援軍行こうか暴れてきて!」

「「はーい!」ママ行こ!腕が鳴るぜ!」「あ!待ちなさーい!」

自分で言っておいてちょっと不安になるパパだった。

ほし 「私は~?」

パパ 「一人にするわけにも行かないしここで咲を守ってくれる?」

ほし 「分かったー!パパも守るね!」

パパ 「ありがとう!パパも魔物がこっちに来たら頑張るよ」


さきが火の玉を打ちまくりママと音は城門前で無双している…

さきが火の玉を自分の周りに5つ並べて浮かし発射させていく、一個無くなるとまた火の玉が浮かび連射している、火の玉が野球ボール位に成っていた、吹き飛ぶ周囲も3m位に成っていたが、連射がすごい!ズガガガガガガガガガガガガガガーーーン

パパ 「咲ストップ!ちょっとやりすぎ過ぎで何も見えん!」

当たりの爆炎が収まり煙が出ている…門の方を見るとママと音がこっちを向いてⅤサインしているのが見えた、5分も経たないうちに制圧完了してしまった。


パパの出番は全くなかった…

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