第35話 夜営

ゴンに夜の警戒を任せて皆が眠りにつくジョンは念のために警戒しながら休む事にしたようだ、ジョンばかりに任せるのは気が引けたのでパパが途中で変わろうと起きて焚火をしているジョンの元に行く。

「ジョンお疲れ、異常はないか?」とパパが声を掛ける、「かなり遠いが魔物の叫び声がするな」と言って少し緊張して居るみたいだった、「代わるので少し休め」とジョンと夜営の警戒を交代する。


パパが見張りを変わる、確かに何か森がざわついている気がする。

これは気が休まらないな、弓を手元にそう言えば探査のスキルってどうやるのかな?使った事が無い、と思い意識してみる事に、範囲で言うと20m位かな周りの素材が何処に有るのか分かる気がするが何が有るかまでは分からない、探査に引っ掛かった素材の元に行って見てみると薬草が有った、採取の時に探査を意識しながら歩けば素材になるものが有れば気が付くことが出来るのか、でも索敵には使え無さそうか?


獣人家族やすずちゃんの索敵が優秀過ぎて20m位じゃすでに皆が気づき教えられているので目視出来てしまって今まで探査の恩恵を感じていない。

20mあれば後ろからの不意打ちには反応出来るか?此れも鍛えて探査出来る距離が延びればもっと使えるようにはなるのかな?


そんな事を考えて居ると森の方から人影が此方に来るのが分かった、星に張って貰った結界の中から弓を構えて警戒する。

此方に気が付いたのか歩いて寄って来るので声を掛けてみる「こんな夜中に何か用か?」無言で更に近づいてくる、「そこで止まれ!それ以上近寄ったら敵対したとみなすぞ!」その人影は首をかしげている暗くて良く見えない。

ジョンが気が付いて斧を手に構えてパパの横に立つ「あれは誰だ?」と聞かれるが良く分からない、「暗くて良く見えないんだ、ジョンは見えないか?」と聞き返す「ハッキリ見えないが見えてるぞ、女の子供がこっちを見て立っているな」

「危険はなさそうか?」どうしようか子供がこんな所で夜中に一人で居る状況が理解出来んが、結界も有るし大丈夫かと弓を下す。

「こんな所で何をしているの?」と聞くが反応が無いので「危ないのでこっちに追いで」と声を掛けると、(ポン!)とコウモリの姿になり此方に飛んで来たではないか!まさかのゴンだったしかも女の子!

ジョンとパパはその光景を見て固まる…「マジか~びっくりだな」

ゴンがパパの肩に止まる、「ゴンさっきの姿にいつでもなれるのか?」と聞いてみる「キー」と鳴いて肩から飛び立つと(ポン!)と言って女の子の姿になった、まだしゃべる事は出来なさそうだな…見た目は女の子だが体が毛で覆われている、「凄いなゴンもう変身出来るようになったんだな!」

そう言うと(ポン!)とコウモリの姿に成ってパパの肩に止まる。

「ひょっとしてさっきまで森がざわついてたのはゴンが狩をしていたのか?」と呟くとまるでそうだよと言う様にゴンが「キキ」と一鳴きした、Lvアップかなりしたのかな?朝に成ったら音に見てもらうか、と思って居るとゴンが森の方に飛んで行った森の中に入っていくゴン、周りからコウモリが集まってゴンの後を追っていく、大丈夫かな?とジョンと眺めていると「ギャー」と魔物の叫び声が聞こえてきた。

「全く心配は要らないようだな…」とパパがジョンに言うと「周りのコウモリは眷属の様だな私が気が付く範囲の外で戦っている様だ」とパパに告げるジョン、コウモリが警戒してゴンに教えて居るのだろう、夜の警戒はゴンに任せて置けば十分だと二人は休み事にしたのだった。


朝になり皆が起きだす、ハナとママがご飯の用意をしだす、昨日の夜の事を皆に教えるとほしが興奮して「ほんとに!?ごんちゃん変身できるの?して見せてよー!」とゴンに詰め寄るがゴンはママの肩に飛んで行ってしまった。

ママ 「ゴンはね、夜にしか出来ない、昼間は眠いから無理だって」

ほし 「ええ~見たかったのに残念…今日の夜がんばって起きてる」

と張り切っている、パパが音にゴンのステータスを見てもらう。


ゴン   始祖     Lv26

攻撃           56

素早さ          60

防御           40

賢さ           41

魔力           61

運            18

ユニークスキル

夜の王

スキル

隠密 夜目 音波 夜の霧 変身

適正 風 


パパ 「夜に警戒しながらずっとLvあげしてたみたいだ、まだ話は出来ない様だったが女の子の姿に成ってたよ」

おと 「女の子だったんだ!ゴンちゃん」

さき 「女の子なのに名前ゴンでよかったの?」

ママ 「まあ本人は気にして無いみたいだから良いんじゃないかしら?」

パパ 「すずちゃんはLv上がってるのかな」

おと 「じゃあ見てみようか」


すず  カイム     Lv26

攻撃          34

素早さ         64

防御          42

賢さ          67

魔力          58

運           22

ユニークスキル

鳥類支配

スキル

隠密 保護色 気配察知  鷹の目 さえずり 変身

適正 風 創造神の加護


おと 「すずちゃんもLv上がってるね!変身スキル有るよ出来るんじゃない?」

パパ 「すずちゃん変身できるのか?ママ頼んでみてよ」

ママ 「すずちゃん変身できるのかしら?してもらっても良い?」

ピヨ!と一鳴きし(ポン!)と変身した!

男の子だ!鳥の毛で体は覆われている見た感じ6歳くらいに見えるな

すず 「ごきげんよう皆さまやっと話せるようになりました、まだこの姿に成れるのはわずかな時間ですが皆さまのお役に立てるように精進いたします」(ポン!)


それだけ言って戻ってしまった、見た目は子供なのに言葉使いが執事の様だった、なんだか凄い違和感があるな。


朝食を済ませて今日の行動を決める。

ここの洞窟は2階層しかないが一階層はファイアーアントの巣に成って居る、ほぼ直線で枝分かれした部屋が有る、部屋はほぼモンスターハウスのように成って居てファイアーアントが群れている状態みたいだ。

ここのファイアーアントが出てきたのなら今の洞窟はどうなってるのか確認の為に入る事に、2階層は狭く奥にはボス部屋がボスはミスリルゴーレムでかなりの強敵で、推進Lvは上級職パーティーでLv50以上と攻略本には書いて有る。


パパ 「ファイアーアントが居るかどうかの確認といなかったらさくっとお宝部屋でお宝頂こうか!」

おと 「おお~良いね其れ!居たらどうするの?」

パパ 「ファイアーアントが居たらかなり面倒だからな~数が多いぞ一気に抜けて女王アリ倒せば統率が取れなくなり難易度は下がるがそれでも数が多いからな倒しながら様子見て、ダメそうなら引き返すか?」

ママ 「居なかったら2階のボス迄行って倒すの?」

パパ 「倒せばママたちのLvも上がると思うんだが様子見ながら進もうか」

「「「はーい」」」


取り合えず洞窟に入ってその後は状況によってその時々で判断することになった。

洞窟は大きく4m位の穴が奥まで続いている、ファイアーアントは1m位だ天井や壁に張り付いて来られたら4匹は相手にすることになる、しかもあの物量で来られたら押しつぶされるかもしれない。

先頭はママと音にその後ろを咲がその後ろをパパと星で後方は獣人一家に任せる事に洞窟を進むがシーンと静まっている、しばらく進むと枝分かれした道が出てきた、そっちに進むと部屋が有り通常ならファイアーアントが群れているはずだ、とりあえず様子見で行って見る事にする、歩いていくが全く魔物が居る気配が無い。

部屋にたどり着き中をのぞくがもぬけの殻だった。

やはりここのファイアーアントが溢れて来たみたいだ、そうすると溢れた原因はなんだろうか?取り合えず一階層の奥まで行って見る事にした。


元の道に戻り奥に進み暫く分岐も無視しそのまま進むパパが立ち止まり「ここの先の部屋に宝箱が有るがどうする?」皆に確認すると皆が取ってみようと言うので、宝箱の元に、罠が有るかもしれないので皆は部屋の外に、パパと念のために少し離れてジョンが立っている、パパが緊張しているのが分かる、慎重に宝箱に近づき開けようとした瞬間パパが宝箱に噛みつかれた!「あなたー」とママが叫び走り出す!

ジョンも慌てて斧を手に走り寄る、パパは上半身が宝箱に噛まれて下半身しか見えてない、ジョンが斧を宝箱に振り下ろすがカーンと音を立て弾かれた、宝箱がパパを飲み込もうとする、ジョンがパパの下半身を引っ張って抵抗する。

ママが宝箱にハルバードを振り下ろす(ドガ!)「グハ!」とパパがうめき声をあげる、ハルバードの威力で箱のふたが閉まりパパを押しつぶす所だった…パニックになるママどうすれば助けれるのか分からないのだ、さきが魔法で攻撃しようとするがママが止める、もしパパに当たったらと思うと下手なことは出来ないと止めたのだ。

ジョン達一家がパパの脚を引っ張り飲み込まれない様にしている、どうすれば良いか分からずに慌てているママ、音も剣を後ろから振るが弾かれてしまった。

するとパパが宝箱の中で弓を構えるのが見えた、矢を放つと宝箱が輝いた!

パパがドテッと地面に転がる、パパが言うには宝箱の中は空洞に成って居て、その中に顔が浮かんでいたとの事、その顔に矢を打ち込んだら光って消えたようだ、地面には指輪が転がっている。

パパ 「指輪だな、おと鑑定できるか?」

と指輪を手渡すと音が鑑定する


収納の指輪  容量は10m四方の中に生き物以外を収納できる、時間停止機能付き


パパ 「おお!これは中々いい物が出たな、当たりだ!」

ママ 「それよりパパ体は何ともないの?噛みつかれていたけど」

パパ 「鎧が守ってくれたのか何ともないよ、一階凄い衝撃が有ってやばいと思ったけど一回だけだったからな何とか耐えれたよ」

ママがキョドキョドして「そうそなら良かったわ」と言って自分のせいだとは言わないが、心当たりが在りすぎてオドオドして誤魔化し切れていない。


そのまま無かった事にするママは指輪の事に話を変えた。


ママ 「その指輪はどうするの?」

パパ 「そうだな~ママが指輪したらどうだ?」

ママ 「あら良いの私収納鞄も持ってるけど?」

パパ 「鞄はジョン達に渡そう、ママは一緒に居るからそこ迄収納出来なくても問題無いからね、収納のスキルで無限に入るし、食材が有る程度入れば良いでしょ?」

ママ 「そうね~じゃあこれ誰が持つ?」

ママがランドセルを誰が持つか聞くと戦闘で裏方になるだろうハナが持つことに、食事も作る事が多いから丁度良いよね、町に行くときは収納持ちとバレると行けないのでダミーでランドセルを背負う事になるだろう。

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