第87話 マウナに帰還
名前を付けた事によりミミックパンサーの体が光に包まれて少し変化した様だった。
ママ 「あらまた進化したのかしらね?」
おと 「名前と種族しか見れないと思うけどみてみるね」
あんこ バステト
おと 「名前はあんこで種族?はバステトってあるよ」
ママ 「バステトってどこかで聞いた事があるわね?」
パパ 「バステトって確かエジプトの猫の女の神様だったか?」
さき 「あんこ女の子だったんだね!豆太にしなくて良かったね」
ほし 「あんこは神様なの?凄いね」
ママ 「どうなのかしらね?凄そうなのは分かるけど…」
パパ 「あくまでも種族がバステトであんこ自体は神じゃ無いだろう?」
おと 「スライムにあんこって付けたと思えばいいって事?」
パパ 「まあそう言う事だな、レアな種族なのは間違いないと思うけどな」
ママ 「何だか体も少しガッチリしたみたいで強そうよね?」
おと 「擬態自体は使えるのかな?」
音の疑問に答えるようにあんこはその場で擬態を発動させた。
パパ 「これは凄いな!パパの探査からも消えたぞ!」
おと 「目の前に居るんだよね?これって擬態って言うの?消えてない?」
さきがそっと手を伸ばすと確かにその場にいる。
さき 「めっちゃ不思議な感覚だよ!空気が手触り良い見たいに感じる!」
ほしがあんこに抱き着いて頬ずりしている、確かにそこに居るのだが全く見えないので急に現れたら心臓に悪そうだ。
消えているあんこにほしがまたがり上に乗っかって居る、浮いた状態で進んでいるほしを見て変な感覚に陥るのだった。
あんこが仲間に加わってからは家族にやる事が無くなってしまった、すずが索敵して発見した魔物はあんこが瞬殺してしまうのだ、家族はそれを収納しながら歩くだけに成ってしまった。
パパ 「随分ペースが上がったな」
おと 「ただ歩いて居るだけなんだけどね」
さき 「襲われる心配が無いから楽ちんだね」
ほし 「あんこ強いよね~あっと言う間に倒しちゃう」
ママ 「魔物が私達に気を取られた一瞬で倒しちゃうのよね」
パパ 「魔物達もあれだと何にやられているか分からないだろうな」
順調に進んで行くとその日の夕暮れに森を抜けれたのだった。
森を抜けると目の前には荒れ地が広がっている。
さき 「またサイダーいるんじゃない?」
おと 「サイダーじゃなくってサイね!」
パパ 「居ても居なくてももう良いだろう?捕まえるわけでも無いし」
おと 「あれは要らないよ?可愛くないから」
ほし 「可愛くない子は要らないかな~」
ママ 「何かの役にも立ちそうに無いし要らないわね?」
そこからすずちゃんの案内で夜営を挟みながら3日程歩くとやっとマウナの町の石壁が見えて来たのだ。
パパ 「やっと着いたようだな!」
おと 「ふ~疲れたね!今日はベットで眠りたいよ!」
ママ 「そうね今日はもうゆっくりしたいわね!」
さき 「あそこの宿空いてると良いね!」
ほし 「美味しいチョコできてるといいよね!」
マウナの門で中に入る為に守備隊の検査を待つことにそんなに人は並んでいなかったので直ぐに家族の番になった。
門番 「身分証はお持ちですか?」
パパ 「これで良いか?」
冒険者のタグを見せると驚く門番の男
門番 「ダンジョンが目当てで来られたのですか?」
パパ 「まあそうだなダンジョンと木漏れ日の宿が目当てで来たな」
門番 「ダンジョンは今閉鎖中なんです、何でも氾濫を抑えようとしたAランクの冒険者チームが帰還しないとかで警戒態勢なんです」
パパ 「それは済まない事をしたな!その帰還しないAランクチームはきっと私たちの事だな…」
門番 「‼それは本当ですか?なぜ外からいらしたのですか?」
パパ 「ダンジョンで転移の罠にかかってな違うダンジョンに飛ばされたんだ、そこからやっとの事でここまで帰って来たんだよ」
門番 「それは災難でしたね!お疲れの所悪いのですが冒険者ギルドに報告しに行っていただけませんか?ここ最近かなりパニック状態ですので」
パパ 「ああ分かったさっそく顔を出すことにするよ通っても良いかな?」
門番 「あ!すいません私が引き止めちゃってましたね!どうぞお通り下さい」
門を通して貰いママ達家族は宿に向かって貰う、もし部屋が空いて無かったらギルドに来てもらう事にした、パパは一人でギルドに顔を出す事にする。
パパがギルド内に入ると中は殺気立っている様だった、パパ達が罠にかかり飛ばされてから此処に戻るまでにすでに2週間は立っているがどうしてこんなに殺気立っているのか分からなかった、パパが受付に向かい話しかける。
パパ 「済まないな少し話を聞きたいんだが良いか?」
受付嬢 「ええ構いませんよ今はダンジョンが閉鎖されているので暇なんです」
受付嬢の話を聞いて殺気立って居るのはダンジョンを早く解放しろと稼ぎが無いので干上がってしまうと文句を言っている様だった、ギルドとしてはダンジョンの安全が確認できる迄は解放は出来ないと現在ダンジョン内を調査中で、氾濫を鎮圧したであろうAランクチームが帰還しないのでその捜索をしている最中でダンジョンを開放出来ないでいるらしかった。
パパ 「済まないな帰還しないAランクチームとは私たちの事だな」
そう言って受付嬢にAランクの冒険者のタグを見せる。
受付嬢は「そのままお待ちください!」と言って奥に入って行ってしまった。
暫くするとパパの元迄戻って来て「すいませんがダンジョン前の氾濫対応をしているギルド長の元迄行って頂きたいのですが?」と申し訳なさそうに言ってきた。
パパ 「今日は疲れているんだ手短に頼むよ!」
受付嬢に案内を頼むと後をついて行く事に、ダンジョン入り口の出張所の様な場所は厳戒態勢で何人もの冒険者が警戒をしている様だった。
その中に見た事がある冒険者を発見したパパは話しかけた「確かケンだったか?無事で何よりだ!」とダンジョン内で助けた竜の顎のリーダーのケンに話しかけたのだった、ケンは目を見開きパパを見て「‼あんた生きていたのか⁉どんなに待っても帰って来ないので死んだかと思ったぞ!」とパパの元迄走って来ていうのだった。
受付嬢 「ケンさんこの方で間違いないのですね?」
ケン 「ああこの人だな!家族はどうしたんだ?」
パパ 「話はあとで纏めてするよケンも来るんだろ?」
受付嬢にパパが確認すると一緒にギルド長の元に向かう事に成ったのだった。
受付嬢 「此方にお入りください!」
部屋に案内され入って行くパパとケン、書類を見ていたギルド長が不思議そうな顔で此方を見てくる「ケンは知っているがそちらの方はどなたかな?」
受付嬢 「此方の方がAランクチームの山内家のリーダーのヒロさんです!」
ギルド長は少し固まった後理解したのか満面の笑みに変わる「そうか!やっと帰還したのだな!中の様子はどうなのか教えて頂きたいのだが!」興奮気味に聞いてきた。
パパ 「まずは暫く帰還できずに迷惑かけた様で済まなかったな」と謝罪して事の経緯を説明するのだった。
ケンたちと別れた後ダンジョン内の攻略を進めて行った10階層でオークキングと取り巻きを倒して11階層に突入し転移の罠にかかって別のダンジョンに飛ばされてやっとの思いでここ迄帰って来た事を報告、家族は疲れているので木漏れ日の宿に向かわせたと言ってパパの説明は終了したのだった。
ケン 「11階層まであったんですか⁉」
今までマウナのダンジョンは10階層までだろうとされて居たので衝撃を受けた様だった、それはギルド長も同じだったようで驚きを隠そうともして居なかった。
ギルド長 「それでは攻略は10階層まででその先はどうなっているか分からないと言う事で良いでしょうか?」
パパ 「そう言う事に成ってしまうな、だが罠にかかって此処に戻るまでに2週間は経過して居るだろう?もう大丈夫ではないのか?」
ケン 「5階層迄の様子は落ち着いている様だったいつもと変わらない感じだな」
ギルド長 「そうですか…あまり長く閉鎖するわけにも行かなくなってきています明日からダンジョンを開放する事にしましょう」
パパ 「それは良かった!暫くはのんびりさせて貰うよここ迄戻るのにかなり苦労したんでな、何かあったら木漏れ日の宿に泊まっていると思うではまたな!」
パパは疲れているアピールをしてさっさと帰る事に、ギルド長はダンジョン内の確認を頼みたかったが帰還したばかりの冒険者にそれを言うのも酷だろうと言葉を飲み込み諦めたのだった。
パパはその場を後にして足早に宿に向かって歩いて行く、宿に着くとこの前来た時と少し雰囲気が変わって居るような気がした。
中に入り受付に話しかけると「お待ちしておりました!こちらにどうぞ!」と食堂の方に連れて来られた、食堂が庭と繋がっていつの間にかオープンテラスの様に成って居た、「パパーこっちだよ!」と子供達が手を振っている。
家族が付いて居るテーブルにはこれ以上は乗り切らないと言わんばかりに食事が用意されて居て真ん中にはチョコレートホンジュが置かれて居るのだった。
ママ 「完成したので試食を頼まれたの食べて見て美味しいから」
パパ 「まずはお腹が減っているから食事から済ませるよ」
パパは久しぶりのご馳走に舌鼓をうち満腹になるまで楽しむ事が出来たのだった。
おと 「パパチョコレートも食べてあげなよ?かなりの自信作らしいよ」
パパ 「満腹でもう食えんが少しは食べないと失礼だよな!」
そう言ってデザートのフルーツを取りチョコに付け食べた。
パパ 「これは日本に居る時と比べても美味しい様な気がするが気のせいか?」
ママ 「そうなのよかなり美味しく出来てると思うわ」
料理長にそう伝えると満面の笑みで「よし!これでいけるぞ!」と満足そうに家族にお礼を言って此処での滞在費は無料で泊まらせてくれると言ってきた。
食堂を改造して宿泊客だけじゃなく一般にもチョコを食べれる様にした事で莫大な利益がすでに入って居るとの事だ、アイデア料で此れから家族がこの宿を利用する時は一切の費用は要らないと宿もチョコが噂に成り常に満席となってしまうので家族様に別の棟を専用で作ると迄言っている。
ママに言われたチョコレートだけでもすでに莫大な利益と言っている、そこにホンジュが加わればその効果は計り知れないと料理長の鼻息が荒い事に成って居る。
料理長の熱量が凄い事に成ってるようだ、その興奮具合に心配に成る家族だった。
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