第40話 森の悪魔

翌朝ドワーフとエルフ達を呼びクモを見せてみる事に「シャドウスパイダーって

これで良いのか」とパパがクモを見せると皆な顔を青くし引きつらせている。

ボブ  「こいつはどうしたんだ?偉く大人しくしているが?」

パパ  「夜にうちのゴンが捕まえて眷属にしたらしい、此処に居る者に危害は加えないし言う事も聞いてくれる」

コーダ 「このクモはもしかしてバエルスパイダーではないか?」

カイト 「おいおい!バエルスパイダーは無いだろう」


神話でバエルスパイダーは森の悪魔と言われている。森で気が付いたら糸に絡めとられ身動きが出来なくなり狩られてしまうその糸は数百人を一気に行動不能にし、口からは毒を吐き毒に触ると体が麻痺し動けなくなる森の悪魔。その動きは俊敏で影から影に移動して相手を惑わせ出会ったものはまず助からない恐ろしい蜘蛛。


パパ  「凄い蜘蛛を眷属にしたのねゴンは…」

レオ  「バエルスパイダーなぞその昔、暴れまわり創造神が使わした使途に討伐されたと言う伝説の蜘蛛ではないか?」

カイト 「そうだな昔本で読んだことが有るのだがその特徴に似ていたんだ」


漆黒の体に真珠のような目、足の先は赤く強靭であらゆる物を貫く、毒を吐き吐き出し糸は弾力があり並大抵の武器では切る事も出来ない。


パパ 「見た目はその本のまんまだな…糸は出してくれるんだろうか?」


パパがそう言うとお尻から糸を出し前脚2本で器用に丸めていくではないかサッカーボールほどの糸の玉を作りパパに手渡す蜘蛛、恐る恐る受け取ると、艶々スベスベまるでシルクの様な手触りだ、レオに見てもらうとこれは上質な糸だなと引っ張ったりしているが切ろうとしても切れなかった。


レオ 「切れなければ加工が難しいな、切る方法を探さなければ…」と呟いている


パパは蜘蛛に「ありがとうな」と言って狼の肉をあげた、嬉しそうに受けると森の木の上に登って行ってしまった。

まああそこなら塀の外だし家族が怖がることも無いかな?夜に成ったらゴンに名前を聞いてみよう。


ボブに家の水の事を相談すると魔道具を作ってくれると言う、魔石は無いかと聞かれたので今までしまってあった素材を出して使えそうな素材を受け取って貰った。

洞窟で狩った狼や一角ウサギ、熊、ミノタウロス、デュラハン、ブラックドラゴン、ミスリルゴーレム、ファイアーアントなら腐るほどあった。

ボブ 「倉庫に入りきらないな、ビルとレオも鞄に仕舞えるだけ収納しといてくれ、入りきらない物はパパさんしまっておいてくれるか?」

パパ 「そうだな邪魔だから余ったものはしまっておくよ、神銀のインゴットは出しておくか?」

レオ 「作業場にインゴットを2個ほどくれないか?色々試してみたいんだ」

パパ 「ミスリルも小分けにして作業場に置いておくよ」

ビル 「このブラックドラゴンは使っても良いのか?」

パパ 「ああいいぞ、ジョン達の防具でも作ってやってくれ、あの鎧では目立って町に行けないからな」

レオ 「武器もそうだなお前さんたちの持ってる武器は目立つし狙われるかもしれん、ミスリルで武器も作っておこう、普段はミスリルで十分だろう」

ボブ 「魔道具は水が出るのと他は何が欲しいんだ?」

パパがカセットコンロをボブに見せる、同じようなものは簡単に作れるらしいのでお願いする、後は小さい魔石を弓矢の矢じりに仕込んで爆発するのも作れるらしく作って貰う事に、旅をしたいのでジョン達様のテントも頼んでおく、他にはボブが便利そうなものを作っておいてくれるらしい。


パパはエルザに魔法矢の事を教えてもらう、魔物にも属性が有り魔法矢は相手の得意な属性を撃っても意味が無いとの事、火は水に弱く風に強い、水は土に弱く火に強い、土は水に強く風に弱い、風は土に強く火に弱い、草はどれも得意不得意は無いが攻撃としてはあまり使えないとの事。

ファイアーアントは火の属性だ、其処に火の属性や風の属性を撃ってもあまり効果は無い魔法矢は相手の属性を見極めて撃たないと行けないらしい。

後は魔力を込める量も関係する、矢を居るときにどれ位の効果を出したいかイメージすると良いと教えてもらった。


おとは最近ポチと剣術の練習をしている、ポチも山の洞窟に行ってかなりLvが上がったのだろう、おとには勝てないながらも段々と付いて行くように成って居た、おともチョットづつだが体の使い方や剣の使い方が上手く成って居るようだった。

魔法剣も斬撃を飛ばす以外に突きのフォームから刺すような斬撃も出せるように成っている、咲みたいに魔法は使えないのか聞いたが使えるが、咲の魔法には見劣りするので剣から出しているだけだった、試しに魔法を撃ってもらったら普通に使えていた。

咲は相変わらず制御の練習だ水玉を周りに浮かせているが一個だと大きくなってしまう、多く出せば出すほど小さく出来制御しやすいと言う、一度に出せる魔力の最小が決まって居るのかもしれない、魔力が大きすぎるのも大変な様だ、最近は複合魔法なのか水を氷に変えたり雷かな?腕をバチバチさせたりしている、雷を使うと咲の長い髪が逆立ってほしが面白がっていた。


星はタマとおままごとやママのお手伝いをして伸び伸びと生活している。

タマは空いている人を見つけては訓練しハナを手伝い、星の遊び相手と忙しそうだが此処に来てから笑顔が増えたようだ。


ママの練習相手は最近音しか出来ない、力が有りすぎて一撃受けたら吹っ飛んでしまうのだ、ポチはもちろんジョンもパパも10回打ち合えればいい所だ、ただの棒で攻撃力半減でその状態だからな恐ろしい…


バエルスパイダーはまりもとママが名図けた、意味は特にないけど糸を貰う時に丸まってくれるのでまりもと付けたらしい、糸の色は白色だ…がまあ良いだろう。

まりもの糸はミスリルでもなかなか切れなく神銀のナイフなら切れる事が分かり色々な所で使える物になった、今はハナが皆の服にする為にと機織機をボブに作って貰い布にしている最中だ、出来上がればその服だけでかなりの防御力に成るだろう。

数日が立ち、ジョン達の装備が武器がミスリル、防具がブラックドラゴンとバエルスパイダーの糸で出来た物に変わった。

ミスリルの剣はレオが作りボブが装飾を施した、切れ味と耐久性がアップしたという、防具はビルが作りボブが装飾を施し、防御力アップ、軽量化、耐久性アップと会心の出来らしい。

それを装備したジョン達一家はどこぞの貴族様だ、神銀の鎧とは違う目立ち方をしているような気がするがまあ良いだろう…マントもデスグリズリーの革で作られている装備も出来あがり、パパがジョン達一家を奴隷から解放した。

ジョンはそのままで構わないと言って居たが半ば強引に開放したのだ。


ランプ獣王国に行く準備が整った今回の旅のメンバーはエルフ達3人にジョンとポチにパパ達家族5人の10名で行く事になった、ボブたちはパパが渡したお酒の作り方に夢中の様で留守番するとの事だ。

ハナには個々の管理を頼みタマもハナの手伝いで留守番組だ、まりもが此処の護衛はしてくれるとの事で安心だ。

倉庫は魔道具で食べ物が腐らなくなる様になったので食料の心配はない肉も塊でボアとオーク、ミノタウロスのを置いておく、畑から食べごろのが取れるしね。

売れそうな要らない魔物の素材は持っていく事に、皆に準備は良いか確認。

エルフ3人も頭からすっぽりかぶれるマントを作って貰っていた、これで見た目は人族だな。

パパ 「では出発するか、ハナ留守番を頼むな」

ジョンとポチがハナとタマと話して居る。

「良し行くか!」エルフ達は故郷に帰る方法を探しに、ジョンとポチは仲間を助ける為に、パパ達家族はこの世界を楽しむために…


北の出口から道を真っ直ぐに進んでいく、川に出ると川に沿って咲に道を作って貰う、川と森の境は木が生えて居なく岩がゴロゴロとしている、咲に道を作って貰いながら国境の町エルトワに向かって行く昼休憩を挟み歩き続ける、かなり速いペースだな、とりあえず日が傾くまでは歩くか、すずちゃんが魔物が来るのを教えてくれる、

今回は午前と午後にレッドウルフに襲われたが皆がハイスペックなので難なく撃退コブリンもチョッコチョコで見かけたが此方が大人数なので逃げていく。

カイトの占いはその時の運を占うのかバフが掛かる割合が変わるようだった、カイトの占いでポチがハイオークを難なく倒していた、ジョンも問題なさそうだ、カイトは剣術も中々の使い手だった。

コーダの戦い方は自分でも魔法を放てるが精霊も一緒に戦ってくれる、いきなり見えない所から魔法が飛んでくる感じだなあれは分かって居ても躱せないか、エルザはパパの良い見本になる弓を構えてから打つのがとにかく早い、パパが1回撃つ間に3回は放てるのだ、制度も申し分ない、速射と精密射撃が相性が良いのだろう、パパも取得を目指して練習しようと思うのだった。

成るべくジョンとポチに戦わせて経験を積ませ強く成って貰うために皆には援護程度にしてもらっていた、川沿いの森を抜けて平野に出るころにはかなりLvも上がっただろう町について落ち着いたジョンとポチのLvを音に確認してもらおう。

夜までには町につけるかも知れないがあとどれ位か分からないので森を抜けた川沿いの場所で夜営にすることにほしに結界を張って貰ってテントを立てる、一角ウサギの毛皮を下に引き準備完了、ウサギの毛皮は沢山有るしフアフアで気持ちがいいので皆のお気に入りだテントもボブがビックボアの皮で作ってくれたのでそちらを使って居る、エルフ3人とジョンとポチの5人で一個と山内家の家族一個の2個だ、準備が終わったら夜食の準備にかかる、準備と言っても今回はかなりの量を事前にハナとママが作ってしまってあるので出すだけだが、焚火を炊き周りを皆で囲み雑談しながら食事をする、コーダ達にパパが「もし帰る方法が見つかったら帰るのか?」と聞くと「ボブたちと相談しないとな、大陸を行き来できるような大きな船は無いしその技術もない」と諦めている。

おと 「ゲームでは魔王が攻めてくるんでしょ?どうやって来るの?」と聞いて来る パパ 「海の魔物に乗ってきたり空を飛べる魔物に乗って来るんだよ、魔王は魔物を支配し操れるんだ、とても恐ろしい存在だぞ」とパパが答えると

さき 「ママと一緒だね!」と爆弾を投下する。

ママ 「さきどういう意味かしら?」

さき 「ま、魔物をテイムする所が一緒だよね?そうだよねパパ!」


さきこっちにそんな振り方するんじゃない!口は災いの元だぞ!皆が目を逸らし違う話をしてかかわらない様にしている…


ぱぱ 「テイムとは違うかもしれんなママは魔物と友達に成るんだ支配とは違うな」

ママ 「そうよ咲!ママは友達なのよ?恐ろしくも無いわ」

さき 「そうだよね…ママは優しいもんね…」

何とか誤魔化して丸く収める事に成功したパパだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る