第39話 のんびりとしたひと時
翌日からジョンの指示のもとエルフとドワーフの家づくりが始まった。
ドワーフ達はまずジョンの作った家を見学隅々まで詳しく見ている、大体の構造は分かったようで木材をパパに頼んで出して貰うと加工を始めた、ジョンに確認しながら4人で一件分の加工を一気に終わらせたのだ、咲の作った基礎の上に手際よく木を並べて組み上げていく、下ではポチが木材を担いで走り回っていた。
パパも手伝い木材を渡していく、見回りから戻ったコーダとカイトが加わると作業速度が加速していく、屋根と壁が出来上がり一日にして外見だけ見れば立派な家が建ったのだった、明日はもう一軒の方を作ってしまい、其処から中の細かい所を仕上げていくと言う。
ボブがこれだけ早いなら倉庫と作業部屋が欲しいなと言いだす、確かに食糧倉庫は必要だが食料が傷まないか心配した、ボブは魔道具で何とかできると言う作業部屋も鍛冶をしだすなら必要だしな、土地は余っているから作る事になった、それから数日で家が組みあがり倉庫、作業場が完成した。
咲がたまに呼ばれて何かを頼まれていた、ポチとタマとハナは空いた時間のは文字の勉強をさせていた。
先生は音先生だ、星にも参加させて小学校の教科書を使って教えていた、星はもう少しで小学1年生になる所だったので一通りの1年生の教科書があり文字を習うにはちょうど良かったのだ、ポチはたまに手伝って来ると逃げ出しては息抜きをしていた。
タマとハナは文字を覚えるのが楽しいらしく真面目に取り組み、簡単な読み書きはすぐに出来る様に成って居た、冒険者ギルドの依頼書を見たが、こちらの世界は平仮名とカタカナしかなかった、それでも読めない人が居るので横に簡単な絵が書いて有るのだ。
ハナとタマには簡単な計算も教える事に、足し算と引き算が出来る様になれば良いだろう。
ママはほしとエルザを連れて果樹園の手入れと畑の手入れ、種まきで種類を増やしていた、こちらの世界は食べごろで成長が止まっている、ママはそれがこの世界では普通だと思って居たがエルザがその事を知ると驚いていたのでそれもママのスキル家庭菜園の御かげだろう。
カカオからチョコレートを作ろうとして色々試していた、結構な量の砂糖が必要だと分かりサトウキビ、ココナッツも植えて育てだす、種を蒔いて一日で成長するのを見てまたエルザが驚いていた。
草魔法を仕えれば、植物を元気にして成長をたすけ、病気も直す事は出来るようだが一日で成長して収穫出来るように成るなんて聞いた事が無いそうだ…
チョコが出来上がると女性陣が色めき立ちキャッキャ言いながら次は何を作ろうかとか言って騒いでいた、ママが卵が欲しいわね~と言っていた。すずちゃんが「ピヨ」と鳴いて何処かに飛んで行ってしまった。
数日たちママもすずと離れすぎたのか繋がらないと言う、皆がすずを心配しだすがゴンが大丈夫と言って居るらしい。
何処に行ってるのかも分からないので待つしかない。翌朝になり、ママがすずちゃん帰って来て呼んでると言って南の入り口に向かう、パパも一緒に向かい入り口に入り口はドワーフ達が跳ね橋を作ってくれていた。すずがママの肩に止まる久々に元気な姿を見てほっとする。
すずが入り口を開けてと言って居るらしくパパが首をかしげながら石壁に設置されたハンドルを回すと跳ね橋が下りてくる。
堀の向こうにダチョウの様な鳥の魔物の群れが居るのが分かった、弓を取り出し構えるパパ、すずが慌ててパパの頭をつつく、「痛い痛い!やめろすず!」パパが叫ぶがやめない、ママが「あれはすずちゃんの子分なんだって攻撃したらダメだって」とパパを止める。
「先に言ってくれよ、びっくりするじゃないか」とパパがすずに言うと「卵を連れて来たって」
ママが「助かるわ~ありがとうねすずちゃん」と言って頭を撫ぜている。パパが跳ね橋を下すと2m位ある鳥が8羽中に入って来た。
オス2羽にメスが6羽要るんだとか、順番に卵を一個産むらしいので取って良いとの事、たまに有精卵が有るのでそれは取らないで欲しいと温めだすから分かるとの事だ、ご飯は肉以外は大体行けるとの事、野菜、果物、米、麦を暮れれば文句は言わないと、「勝手に畑は荒らさないでね」とママが言うと「クエ!」と一鳴きして壁の中を確認しているのか走り回っていた。
他の皆にも鳥の事を驚いて攻撃しない様に卵を産んでくれるからと伝えて置く。
パパ 「これで後欲しいのはミルク位かな?」と呟く
カイト 「こっちの大陸にはモー牛は居ないのか?」
パパ 「ん?猛牛?」
ジョン 「モー牛だな、森の浅い所、草原との境に居ると思う」
パパ 「駄洒落かよ…そのモー牛はミルクを出すのか?」
カイト 「ミルクは出すはずだ、普段は大人しいがテイムしようとするとかなり凶暴になるみたいだな」
パパ 「それならママに頼めば何とか成りそうだな、今度捕まえに行こうか」
ジョン 「獣王国なら生息場所は分かるので案内しよう」
パパ 「次の冒険の旅は獣王国に決まりだな」
レオ 「この森にはシャドウスパイダーはいるか?」
パパ 「クモか?見た事ないがどうかしたのか?」
レオ 「上質な糸を出すんだ、夜中に黒い糸で罠を作り獲物を狩る、その糸が丈夫で肌触りがよく上質な服や鎧の材料に使えるんだ」
パパ 「それはまた良い魔物だが捕まえるのか?」
レオ 「捕まえるのは無理かもしれないな、危険を感じるとかげの中に逃げ込むんだ、糸も少量を根気よく集める感じかな」
パパ 「それは希少そうだな森で探してみるのも良いか」
ママ 「卵をさっそく産んでくれたのでココナッツミルクでパンケーキ作って見たの食べてみて」
皆がパンケーキを食べて絶賛だこんなうまい物は初めて食べるとあっという間に無くなる。
ボブ 「この上に掛けてあるのはどんな液体なんだ凄く甘いようだが」
ママ 「あの楓の木から取れた樹液で出来てるの」
ママはメープルシロップをいつの間にか作っていた、チョコに続いて甘い物を作る執念がすさまじい…
ボブ 「樹液がこんなに甘いんだな」
ママ 「調理の仕方が分からなければ取ろうとは思わないわね」
パパ 「そうだママこいつも植えて置こうか」と世界樹の種を渡す
ママ 「何処に植える?」
パパ 「かなり巨大になると思うから家と南門の間に植えて見るか?」
ママ 「まだ何もないからそこにしましょうか」
さっそく歩いていき家と門の丁度中間あたりにママが種を植えた、パパが魔法で水をやり此処に植えたと分かるように枝を地面に刺し簡単な柵を作っておいた。
夜も更け眠りにつくとピロン、Lvが上がりました!の音で目が覚めた。ゴンが夜に石壁に近づく魔物を狩ってくれているのだ、警備が優秀過ぎる、ゴンの眷属のコウモリが森の中の至る所にいてゴンに魔物の場所を教えているのだ。
パパは目が覚めてしまったので夜の散歩に出る事に、ジョンがそれに気が付いて一緒に行くと言うので二人で話しながら石壁に向かい壁の上を見回って歩いていく。
パパ 「そろそろ一度獣王国に向かおうと思うがジョンは如何する?」
ジョン 「もちろん一緒に行こう、仲間も探したいしな」
パパ 「そうかうちら家族はみなで行くがジョンは家族皆連れて行くか?」
ジョン 「…危険が有るかもしれんポチだけにしておこう」
パパ 「そうだなここの管理も任せたいしな、ドワーフの皆は此処で物作りが楽しいみたいだ、なのでエルフの3人を連れて行こうと思うがどうだ?」
ジョン 「見た目はほとんど人族と変わらないので大丈夫だと思う」
そんな話をしていると森の方から戦闘音か?聞えてきた。
ジョン 「南の方だなゴン殿が何かと戦っている様だ」
パパがそれを聞いて南門の方に走り出す、壁の上をぐるっと回って南門に向かい走っている、壁を降りまっすぐ進めば早いのに、ジョンはそう思ったが何も言わず付いて行くのだった…
南門の少し西寄りの場所に到着、森の木が揺れ戦って居るのが場所が分かる、パパはジョンに様子は分かるか聞くが、木が邪魔で良く見えないがかなり大きな魔物の様だと言う、見に行っても邪魔になるか?と思い見守る事に。
夜のゴンはほぼ無敵だろう、物理は全く効かなくなるし魔法も躱されてしまうのだパパでは手が付けれないほど強く成って居るのだ。
しばらく戦闘している音がするがその音がしなくなる、ゴンがパパの元に飛んで来た(ポン!)と人型になると話し出す「ご主人昼間欲しがっていたクモを捕まえ眷属にしました、此方に連れてきてもよろしいでしょうか?」偉くしっかりした口調でしゃべるな「ゴンしっかり話せるようになったんだな、ああ構わないよ連れて来てくれ」とパパが答えた。
ゴンが(ポン!)とまたコウモリの姿に戻り森に飛んでいく、「シャドウスパイダーだったか大きさはどれ位なんだ?」とジョンに聞くが「シャドウスパイダーは大きくても50㎝位だと言って居たぞ、さっきゴン殿が戦っていた魔物はかなり大きそうだったが?」とジョンと話して居るとゴンが戻って来た。
パパの肩に止まるゴン、すると森の中から軽自動車位の蜘蛛がヌッと出てきた…
「デカイな、ゴンあれはシャドウスパイダーなのか?」とパパが聞くが首を傾げている、種類までは考えず取り合えずクモだから捕まえたみたいだった。
デカイ蜘蛛が壁に向かい糸を飛ばし堀を乗り越えて壁を登って来た、思わず後ずさり結界の中に入るパパとジョン、結界は壁の通路の丁度半分くらいの場所でなく成って居るのだ。
凄い迫力だな、ゴンの眷属にしたらしいから大丈夫だとは思うが恐ろしい物だな、クモの魔物が結界の中に入って来た、ジョンが息を飲む音が聞こえた、パパもビビっているがどうすれば良いか分からない、試しに洞窟で前に狩った一角ウサギの肉を出してみる、クモがゴンに確認したのが分かった、ゴンが「キキ」と鳴くとムシャムシャと食べだした、食べる姿もグロイな…
これはうちの家族に見せたらどうなるんだろうか?見せない方がいいような気もするパパであった…
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