第58話 オーガのボス

オーガ達は突然の音の斬撃が何か分かって居なかった、村が攻撃されたと思い戦闘態勢を整えるが一向に襲撃者が現れないのだ、しばらくしてこれは天災なのではと考え壊れたか所の跡片付けをしだす、死者やけが人も多数いる。

群れのボスのハイオーガは我関せずで部下が狩って来た獲物を食べていた、村の被害は甚大だった下っ端オーガはせっせと働いてい。

魔物の群れは獣人族や人族よりも弱肉強食の世界だ、弱い物は搾取され続け強い物が子孫を残しより強い子供を産み一族を反映させていくのだ、オーガの群れは外敵が現れた時は強い物が群れを守るために戦う、弱い物を戦わせ数が減ればその群れは弱体化する、強い物が守るからこそ下の者も従う、それがオーガの群れの掟だった。


パパ達がオーガの村に近づいていく、オーガ達も気が付いた様だった、片づけをしていたオーガ達が騒ぎ出す、群れのボスのハイオーガが咆哮を上げた「フガーーー!」並みの外敵ならその咆哮で怯むのだがパパ達は全く怯まない。


おと 「気が付いたみたい」

さき 「お怒りの様ですよ?」

ほし 「ふがーーーー」とやり返している全く緊張感のない家族だった。


おと 「パパどうするの?」

パパ 「逃げるのは逃がせばいいよ、向かって来るのだけ倒そうか」

ママ 「何だか一番強そうなのが向かってきてるわよ?」

パパ 「一人だけ何だか色が違うな、ボスかな?」

おと 「ね~パパ倒していい?」

パパ 「オーガは強いぞ!油断するなよ」

おと 「分かった!良し!イッチョもんでやろう」


そう言って音がハイオーガの元に向かって行く音の3倍はあるハイオーガ


パパ 「さき危なそうなら援護してやって」

さき 「わかった!任せといて!」

ママ 「おとは大丈夫かしらね?」


皆が音の援護に入れるように見守る、ハイオーガの拳が振り上げられ音を潰そうと叩き付けられた!音はヒョイっとジャンプして躱すと振り下ろされた腕に乗りハイオーガの顔めがけて走る、ハイオーガは逆の手で振り払う様に音にビンタをしようとした、その手を音はまたジャンプして躱す。

「バチコーン!」と鳴り響く、ハイオーガは自分の顔を思いっきり張り倒してしまった、クラクラして尻もちを付くハイオーガ。


パパ 「あれは痛そうだな…」

さき 「自分で自分張り倒しちゃったよ」


尻もちを付いて居るハイオーガの後ろから音が「首ちょんぱー!」と言いながら剣を振り払った、(ボト)とハイオーガの首が地面に落ちた。


オーガ達はまさか群れのボスが簡単に倒されるとは思っても居なかったようで皆呆然と此方を見ていた。


ママ 「残りは襲ってはこなさそうね?」

パパ 「群れのボスがやられてどうすれば良いか分からないんだろうか?」


音がオーガ達を見渡すと残りのオーガ達は音に向かってひれ伏した。


おと 「これどう言う状況かな?」

パパ 「おとが群れのボスになっちゃったのかな?」

さき 「音オーガの誕生だね!」

ほし 「おと姉ちゃん魔物に成っちゃうの?」

おと 「ちょっとやめてよね!嫌だよオーガのボスなんて!」


すずちゃんがママに何か言っている様だ。


ママ 「群れのボスを倒しちゃったからやっぱりボス認定の様よ?」

おと 「ええ~可愛くないしヤダ!ごついのばっかりじゃん!」

パパ 「まあ音がボスなら皆言う事聞いてくれるんだよな?」

ママ 「音の言う事は聞いてくれる見たいよ?」

パパ 「じゃあこの道の警備やって貰ったら?人は襲わない様にって言っておけばこの道安全に成るんじゃないか?」

おと 「向こうが何言ってるか分からないけど?こっちの言葉は分かるのかな?」

パパ 「この中の一番強いオーガをママがテイムしたらどうだ?」

ママ 「なんだか可愛くないから気が進まないわね」

パパ 「すずちゃんなら話が出来るんだよな?テイムすればママの話は理解できるんじゃないか?」

ママ 「じゃあ一回聞いてみましょうか」


すずちゃんを介してオーガとお話をする、この中で一番強いオーガに来てもらう、赤色が濃い者が強い様だ、他のオーガに見つめられて少し怯えながら前に出てくるオーガ、皆に売られたようにしか見えないな…

オーガがママの前に膝まづくママがテイムをして音に「名前は何にする?」と聞いている音は全く考えてなかったのだろう「オー助で」と言った。

薄っすら光ったオー助、青色に体が変わり進化した様でハイオーガに成った様だ。


パパ 「お!なんか進化したんじゃないか?」

おと 「そうみたい?ハイオーガに成ってる」

ママ 「名前が良かったのかしらね?」


ママのボケは皆華麗にスルーする。

ハイオーガに成ったからかママにテイムされたからか此方の会話は理解できている様だった、なので村の位置を少しずらして貰い、この道に近づく魔物の退治をしてもらう事に、人族や獣人は攻撃されない限り攻撃しないでねとお願いをし、「フガ!」と鳴いて皆に何か指示を出すと一斉にオーガ達が動き出し、森の奥に消えて行った。


ママ 「話が通じて良かったわね、余分な退治しなくって澄んだわ!」

パパ 「そうだな、オーガはこの森では一番の脅威に成るからな助かったよ」

おと 「そうなんだね、この森じゃあもう敵に成りそうな魔物は居なさそうだね?」

パパ 「そうだなもう洞窟か南の山に行かないと強敵には会えないだろうな」


オーガを殲滅するつもりがいつの間にやら手下にしてしまった家族、深淵の森の魔物では今まではオーガ達が頂点だったのだ、100匹ほどのオーガに攻められれば今まで家族が寄った町のゴドワやエルトワの町位ならば壊滅させられるだろう。

家族のペット枠の3匹の内一匹でも暴走すれば国が亡びる可能性すらある、戦力で言えば家族とペットで国を余裕で相手に出来るほどの戦力を兼ね揃えていたのだ、まあ全くその気の無い一家なのだが…

今回のオーガ討伐で深淵の森の魔物達にとってはパパ達家族が森の主に成って居る。周りの3か国は深淵の森を開拓したいが、今までは魔物が多く強かったことで手が出せなかったのだがパパ達家族の影響が徐々に出だしていて森の中層の魔物が森の奥、山の方に押しやられている状態になっている。

森で家族たちが生活している拠点より北では強い魔物の数が減ってきているのだ、その事が今後どう影響するのか、特に東のタルト帝国は虎視眈々と勢力拡大を狙って居た、森を一気に抜けてランプ獣王国に奇襲をかける案が今まで何度も上がったが森の中を抜けれずに諦めていた経緯が有るのだ。

深淵の森を開拓できれば北のサシャ共和国にも圧力をかけれるので、定期的に森の調査はして居るのだ、これで森の魔物が移動して居る事が分かればタルト帝国は手を出してくるだろう、パパ達の家でも見つかってしまえば良い中間拠点として制圧してこようとするだろう、その事で家族達の逆鱗に触れる事に成ったらどうなってしまうか見当もつかないのだ。


~その頃天界では~


戦の女神 「創造神様~久しぶりの出番ですよね?」


創造神  「忘れ去られたかと思ってしまったぞ!」


愛の女神 「もう少し出番が欲しいですよね?」


職の女神 「そんな事より転職の事ばれちゃってますよ?」


創造神  「そうじゃな~あんだけポンポン転職させるとまずいじゃろうな~」


愛の女神 「創造神様のあの木像は愛嬌が有って良いですよね?」


創造神  「ついママさんに乗せられてポーズ取った時の奴で作られるとは思わなんだ…威厳も神々しさの欠片も無い像作り寄って」


戦の女神 「あの家族の味方に成ったもの達がどんどん転職してLv上げたらもうどうにもならんな…」


創造神  「せめてあの嬢ちゃんの鑑定が無ければ簡単には転職出来んのだろうが…」


愛の女神 「あの家族と魔物倒すと創造神様の加護のせいで他の者にもLvが上がるのに補正が掛かってしまうんですよね?」


職の女神 「Lv上がるのが半端なく早いですからね~家族は諦めるとして周りには影響が無いように出来ないんですか?」


創造神  「加護を書き換えんといかんからな5人となるとかなり力使ってしまうな」


戦の女神 「あのペットの鳥も含めて6人だなでも書き換えしないととんでもない事に成ってしまうぞ?」


創造神  「経験値の入るパーセンテージだけ下げてしまうかな、あのLv迄上がって居ればそうそう気が付かんじゃろう、職の女神よ、お前は嬢ちゃんの鑑定何とかできんか?神官程度に職だけ分かる位に出来ればそこ迄問題はないだろう?」


職の女神 「ユニークスキルですからね何処までやれるか分かりませんが取り敢えずやってみますね」


創造神たちは家族の異常さに見て居られなくなり手を加える事に、直接本人たちを弱くしたりする事は出来ないので少しだけスキルや加護の解釈を変えてみる事に。


創造神  「案外こっちは簡単だったぞ!加護を本人だけしか影響出んように出来たぞ、これで一緒に戦っても周りの者は経験値は倍増されん」


愛の女神 「家族がペットにしている魔物はもう手遅れですよね、始祖とバエルスパイダーって昔に大暴れした事が有りましたよね?」


創造神  「あれは悪用しようと無理やりテイムしようとした奴らが悪いだけじゃ、今はママさんが居るからなきっと大丈夫じゃろう」


愛の女神 「まあ最悪今いる魔物を強くしてしまえばあの家族以外はどうにかなるでしょう、山脈の方の魔物少し強くしといたらどうですか?」


創造神  「それも有りじゃな、少しずつ強くしていくか今まで居なかった魔物を創造しようとするかな…」


戦に女神 「まああの家族は今更だからな、周り迄これ以上化け物に成らなければ良い事にしておこうか、職の女神、鑑定の方はどうだ?」


職の女神 「スキルを少し弄りました、空気を読む (経験と積むと鑑定も出来るようになる) この部分を少し弄って(経験を積むと簡易鑑定が出来るようになる)に変更です」


創造神  「簡易鑑定は何処までできるんじゃ?」


職の女神 「植物なら名前と用途が分かる、人に使うと名前と職業だけですね」


戦の女神 「それくらいなら問題無いだろうな、スキルの詳細まで見えてたからな」


創造神  「十分じゃろう!Lvが分からなければ転職の為に適度に祈らなければならなくなるしな、わしらの力にもなるんじゃ良い事づくめじゃ!良くやった」


職の女神 「簡易つけるだけでかなりの力持っていかれましたよ!創造神様!褒美は期待してますからね!」


創造神  「ほッほっほっほ」


戦の女神 「これは期待しない方が良いぞ、なんも考えてないときの笑い方だ」


創造神  「ほっほっほ」

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