迷惑なUチューバ―3

「おーい!順番守って一人ずつやるんだぞ!」パパが注意をする


銀狼族の男の子でシロ、クロ、ぽち、ぎんの年下から順番でやるみたいだ。


音が画面に向かって「此方は獣人の銀狼族のジョンさんです!」とジョンを映しながら紹介する、画面の中はお祭り騒ぎに成って居る様でコメント欄が凄い速く流れ出した、紹介が終わると「今挑戦して居るのは銀狼族の子供のシロです!」と様子を見ながら飛び移る様子を撮影して居る。


さき 「吉田さんの方人いなくなっちゃったよ、私が最期みたい…私もおと姉の方見に行く!」と吉田のチャンネルを閉じるのだった。


一方吉田は最後の坂を順調に駆け上がりあと少しの所で滑って転び下まで転げ落ちていた、「これ位ではまけない!」と誰も見ていない自分の番組に向かって話しかけてまた走って坂を上って行く所だった。


「ざぶーん」シロが水に落水しクロが挑戦しだす、おとの番組は好調に視聴者数を稼いでいる様だ。


さき 「おと姉の方結構凄いんじゃない?今3万人位が見ているみたいだよ!」

おと 「うそ!それ凄くない!皆さん見てくれてありがと~」

吉田の視聴者を見事に搔っ攫っていた、その視聴者が拡散して結構な数の人が見ている様だった。


「ざぶーん」クロも落水してぽちに変わるが浮石がランダムに動き正解が分からなくなった。

「後の方が有利だと思ったのに!」とギンが弟達に先にやらせて犠牲にして居た事を暴露してしまった、「兄ちゃん優しいと思ったらせこいな!」と池に突き落とされていた。

ポチが「じゃあお先に!」と言って凄い速さで浮石の上を駆け抜けた、2~3個は沈む足場だったようで揺れているが沈む前に駆け抜けてしまった様だった。


パパ 「おと今のぽち撮れていたか?凄い速かったけど」

おと 「わかんない!見ている人たちは見えてたのかな?」

さき 「何とか見えてたよ!凄い速かったけど」


上から映して居たから何とか画面には捉えていたようだった。

「すっげ~!」あんな事出来るように成るんだな!とギンも走り抜けようとするが「ザパーーン!」豪快に水しぶきを上げて落ちて行くのだった。


「次に行っても良いですか?」とポチが聞いてくる。

「ああ良いぞ!咲ポチが勝負をご希望だぞ!」と咲に言うと「簡単には行かせないからね!」と咲もやる気満々だ!

「え!マジですか?」と少しうろたえているポチだったが顔を引き締めてやる気に成った様だった。

「おとポチ対さきだ撮影はいいか?」と音に聞くと頷いた。

「じゃあ行くぞ!よ~いドン!」の掛け声と同時に走り出すポチ!


そうはさせるかと咲は10cmの通路の前に2m位の壁を作った、それを飛び手を壁の上に伸ばし腕の力だけで飛び越えようとするポチに咲は水の玉を次々と飛ばし邪魔をする、橋も濡れて滑りやすく成って行くが器用に躱しながら着実に進んで行くポチ!もう少しでゴールと言う所で咲が風でポチを吹き飛ばした!


「さき今のは最後のは卑怯じゃないか?全体を風で覆っただろう?」吹き飛ばされたポチは壁に激突する様に見えた「危ない!」と叫ぶママだがポチは空中で向きを変えて壁を蹴ってスタート地点に着地したのだった!


「おお~!」パチパチパチと皆で拍手をする、「凄いな!ぽち!今のはヒヤッとしたぞ!良く立て直した!」パパに褒められてポチはすこし照れているのか頭をかいていた。

「さき!あなたやり過ぎでしょ!怪我したらどうするの!」とママに叱られているさき「ごめんなさい!クリアーされると思ったらつい力が入っちゃった」


「ゲームなんだからクリアー出来なかったら駄目じゃないか!ここはさっきの水玉だけだ、良いなさき?」


「今のは良い画が取れましたよ~皆盛り上がっております!視聴者数も爆上がりですよ!」と音が変なしゃべり方に成りニヤついて居た。


吉田は誰も見て居ないのに気が付かず、ゼイゼイ言いながら必死に坂を上り転げ落ちる事を繰り返していたのだが、ふと誰も自分を見ていない事に気が付いた「おい!お前ら!放置は良くないぞ!こっちは頑張って居るんだから!」と情けない事を言っていた。

「ん?なんだ?構って欲しいのか?皆飽きてるぞ!あんたの番組も視聴者は0みたいだし」とパパに言われて慌てて確認をして愕然としていた。


「お前たちのせいだろうが!どうしてくれるんだよ!」


「どうするって言われてもなあ?あんたがつまらんだけだろう?あれ見て見ろ」とポチと咲の攻防を教えてあげた。


「何だあれは!人のできる動きじゃ無いだろうが…」と呆然と見ている吉田

ポチが咲に競り勝ちクリアーして吉田の横に並ぶ、初めて獣人を見た吉田は「耳と尻尾!だと!」と言って尻もちを付いて居た。

ポチが「お先に失礼しますね!」と言って坂を駆け上がって行く、最後の氷の部分も滑ったようだが手を付き爪で耐えた様で登り切った。


「おお~!」パチパチパチ!と皆がその光景を見て拍手をしていたのだった。


「吉田~ああやるんだ!頑張れよ!」とパパが言うが反応が無いまあ良いかと獣人の子供の方を見ると最後のシロが池を超えた所だった、「さき手加減して遊んであげな!」とパパが言うので3人にはたまに体に水の玉を当てる程度にした先だった。

おとの方は視聴者がその光景を案外楽しんでいた様で盛り上がっていた様だった。


「何か騒がしいと気に成って来たのですが此れはいつの間にこんな施設を作ったのですか?」と荒井さんが様子を見に来た様だ後ろには2名ほど控えている。


パパ 「連絡入れたよな?侵入者撃退するって、ちょっと揶揄って遊んでたんだ」


おと 「迷惑系Uチューバーの吉田って人なんだけど知ってます?」


荒井 「報告はうけています、この中迄侵入出来るとは思っておらずに外の警備は強化する様に言っておいたのですが、ここまで来れるとは警備の強化がいる様ですな…」


「そこの吉田かおとの動画見たら侵入する気起こす奴が今後いるかどうか分からないがな」と笑って居るパパ


獣人の子供達がそう言っているうちにクリアーした様で坂の上で此方にVサインをしていた。「馬鹿な!あんな子供に負ける何て!」と完全に心が折れてしまった吉田は座り込んだまま動かなく成って居る。


パパ 「あいつが侵入者だな、後は荒井さんに任せるよ。さきー元に戻せるか?」

「ええ~これ失くしちゃうのか?面白かったのに!」と3兄弟が言って来る


荒井 「この施設もしよければ訓練につかわして頂きたいですね!」

パパ 「これ訓練になるの?」

荒井 「良い訓練に成ると思いますよ!制限時間を決めれば効果も出るかと」

おと 「あの浮石で落ちたら一発でい終わりだね」

荒井 「あれは沈むのですか?面白いですな!集中力を養えそうです」


パパ 「じゃあ残しておくか?そろそろ良い時間だ皆帰ろうか!」


流石獣人!3mは有る壁を飛び上がりよじ登って来る子供達の頭を撫ぜながら皆撤収するのだった。


パパ 「おといつまでそれ遣るんだ?辞め時が分からない感じか?」

おと 「そうだね?どうしようか?」

さき 「みな質問だらけだけど全く見て無いよねおと姉?」

おと 「携帯じゃ画面が小さくて撮りながら字が読めんよ!」

パパ 「じゃあ今度からは咲が質問を呼んであげれば良いよ」

おと 「他のUチューバーはどうやってるんだろうね?皆器用だ!」

ママ 「一人でやっている人なんて居ないんじゃないの?大体がカメラマンとかスタッフが居るでしょ?」


パパ 「じゃあ此れからはパパがカメラマンやるか!咲が画面見ながら質問読んでおとが進行する感じで良いかな?」


おと 「次は何すれば良いの?」

パパ 「この中の事皆気に成って居るだろう?それ紹介すれば良いんじゃないか?」

ママ 「異世界の事をあれこれ話したりも良いんじゃない?パパ魔物一杯持ってるでしょ?」

さき 「ねえ!今も放送されてるよ?皆笑ってる」

おと 「うは!切るの忘れてつけっぱなしだね!じゃあ皆さん次はそんな感じです!」と言って音は中継をやめたのであった!


パパ 「あ!荒井さん!丁度いいもう暇だろう?今後の相談がてらどうだ?」と言ってパパが飲むしぐさをする。


荒井 「そうですね、そう言えば色々相談したい事が山ほどあるんです!」と言って後ろに控えてる人に何か言って二人を基地まで返してしまった荒井さん。


「じゃあ向こうで話そうか!」と言って荒井さんと歩き出すパパ

「懲りないわね~ほどほどにね」とママはあきれ顔で笑うのだった。



その頃我に返った吉田は周りに誰もいない事に気が付いた!

辺りは3mある壁に囲まれて抜け出せない様だ『まさか忘れ去られた?』と思うがまさかなきっと休憩をして居るだけだと必死に思い込む「おーい!誰か~!大事な事忘れて居ませんか~!」と悲しい声が辺りに響くのだった。


家族が吉田の存在を思い出すのは翌日すずちゃんに言われてからの事だったと言う…

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