第52話 獣人達
翌朝に成りパパ達はシャルバン城塞都市に向かう、コーダ達もエルトワの町を出て北に向かいアイウンの町に向かうと言う。
昨日の話をコーダ達から聞き長居はしない方が良いだろうと判断からだ、もしコーダ達に危険がせまったら迷わずに家に逃げるように言っておく。
コーダ達と別れを済ませパパ達も町を出る事にする。
南町に渡り南下を始める、途中で道が西に向かって行くが道を外れ南下をすると深淵の森がせり出して来てるのでしばらく歩けばモー牛の生息地にはいる、そのまま南下すれば森沿いに歩いて行ける。
西に向かうと中継の町が何個かあり王都に向かうが道をそれて南下して行けばそのままシャルバンの町までショートカットしていけるのだ。
パパ 「ここら辺はモー牛の生息地だなあいつら元気にしてるかな?」
ママ 「代わらず元気にしているでしょ?」
おと 「牛が順番に並ぶの面白かったよね」
さき 「よっぽど甘いものが好きなんだよね」
ほし 「また仲間にするの?」
パパ 「もう良いかな、あんまり多くても困っちゃうだろ?」
そんな話をしながら歩いていくとチラホラとモー牛の群れが遠目に見えだした。
ママ 「元気そうにしているわね」
おと 「普段は草食べてるんだよね?」
パパ 「まあ刺激しない様に避けて通ろうか」
家族はモー牛を刺激しない様に群れを避けながら南に進んでいく。
もうすぐ生息域を抜けれるかなと思って居たら一匹のモー牛が此方を見ている気がする、しばらく此方を見ているモー牛、パパ達に気が付いたのか{モ~ーーーーー」と雄たけびを上げると此方に突っ込んできた!
その数が段々と増えていき当たりの群れが一つになり地響きを上げながら此方に向かって来る。
おと 「ちょっとやばくないかな?」
さき 「あの数で来られたらぺちゃんこだね」
ママ 「何か気に障る事でもしちゃったかしらね?」
ほし 「別に歩いて居ただけだよね?」
パパ 「ちょっとやばいな皆戦闘用意」
とパパ達家族が身構えると、少し離れた所で整列しだし一列に成りお行儀よく此方に歩いてきた…
ママ 「これはまた甘い物貰えると思ってるかしらね?」
パパ 「これはそうだろうな…」
おと 「どうすんの?まだ無いよねシロップ」
さき 「倒しちゃうのはかわいそうだしね…」
ママ 「チョコなら少しは有るけど皆の分は無いわよ」
パパ 「少しだけ出したら喧嘩に成りそうだしな」
モー牛達は期待の眼差しで此方を見ているが「この前全部上げちゃったからまだ無いわよ?今度来る時には用意しとくわね」とママが言うとガッカリしたのか一気に散って行った…ちょっとイラっとする表情をし此方を見ながら去っていく牛達。
「あ!少しだけチョコが有ったんだった!」と音が言うとすかさず一列に成るモー牛「しまった前食べちゃったの忘れてた!」と言うと「フン!」と言って解散しだした。
おと 「これはもう上げられないね」
さき 「そうだね、なんか態度がイラっとするんだけど」
パパ 「まあ襲われなかっただけ良いじゃないか」
ママ 「でもねえ、あの何とも言えない表情は…さすがにイラっとするわね」
持ってないのかよクソが!と言わんばかりの表情で去っていくモー牛を見て皆2度と上げないと心に誓った家族だった。
おと 「シャルバン城塞都市が銀狼族が支配していた地域なの?」
パパ 「獣王国は幾つかの種族が集まって出来た国だな、種族ごとに収める地域があり自治権が有る4年に一度その自治権を持って居る部族の代表が戦い王を決めているそうだぞ」
さき 「何部族が有るの?」
パパ 「ジョンの話では銀狼族率いる狼族、白虎族が率いる虎族、黒熊族率いる熊族、赤猿族率いる猿族、大きく分けると4つでその下にその他の種族が従っているそうだぞ」
おと 「狼族の下に犬族とか?」
パパ 「そうそうその系統の部族が率いられている感じだな」
ママ 「じゃあシャルバン城塞都市では犬系の獣人が多いのかしらね?」
さき 「猫アレルギーだから猫少ないなら助かる!」
パパ 「加護貰ってるからアレルギー治って無いか?」
そんなどうでも良い話をしながら黙々と南下していく家族移動途中にゴブリンやらボア、ウルフと弱い魔物は現れるが此方の姿を確認すると逃げ出してしまう。
パパ 「旨そうな奴いないかな?晩御飯用に狩れればいいんだがここら辺はみな逃げてしまうからな」
さき 「前のお肉はもうないの?」
パパ 「まだまだ沢山あるぞ、なんでだ?」
さき 「お肉あるなら狩らなくても良いんじゃないの?」
パパ 「キングクラブ見たいな違う美味しいのが居るかも知れないじゃないか?」
おと 「最近鶏肉食べてないよね?」
ママ 「そうねえ鶏肉はもう無いから食べれないわね」
おと 「ダチョウの様だは食べれないのかな?」
パパ 「あいつら食べちゃうのは可哀そうだろう…」
ママ 「そうねえ、卵貰ってるし食べちゃうのは無しね」
おと 「自然にも要るはずじゃない?」
パパ 「名図けをしちゃった位だから森の奥の方にしか居ないんじゃないか?」
さき 「すずちゃんに美味しそうな奴連れて来てもらえば良いんじゃない?」
ママ 「でもすずちゃんの子分食べちゃうのも可哀そうじゃないかしら?
パパ 「支配しているだけだから子分とはまた違うんじゃないかな?まあすずちゃんに聞いてみて美味しそうな鳥連れて来てもらおうか」
ママ 「今は森の方偵察してもらってるから帰ってきたら聞いてみるわね」
しほ 「ドラゴンさんは美味しいの?」
パパ 「そう言えばブラックドラゴンの肉が有るな食べてみるか?」
ママ 「今晩少し焼いて食べてみる?」
おと 「美味しいと良いね~」
パパ 「この世界で初めてブラックドラゴン食べるんじゃないか?」
さき 「シャルバン城塞都市迄あとどれ位かな?」
パパ 「町を伝って行くと1週間ほどかかるって事だけど森沿いに進めば可なりショートカット出来るから4日も歩けば付くかな?」
おと 「ただ歩いて居るだけじゃ暇だね~」
さき 「魔力練って練習しながら行こうかな」
ほし 「私もする~」
子供たち3人が魔力を練り体に巡らせ出したパパが練習でやって居たやつだ。
3人とも魔力は自由自在に出来て居そうだった、早くしたり遅くしたり、体から出ているモヤモヤを薄く体に纏わせたりと一人がやったのを皆で順番に出来るかどうかで競争して居るのだ。
パパが真似しようとするがあそこ迄のスピードと制度は出は出来ない、才能の差を見せつけられているパパだった。
パパは探査の練習に切り替えた、意識すれば少し範囲が広まるような気がしていたのだ、少しずつでも練習して制度と範囲を広めていこうと思って居るパパだった。
そのまま何事も無く森沿いを歩くこと3日目すずちゃんが何か発見したらしい、ママがすずちゃんと話して居る、此処から森の中に半日ほど歩くと森の中に集落の様な物が有ると言うのだ。
ママ 「すずちゃんが直接見たわけじゃないから良く分からないらしいのだけど、集落が有るらしいのだけどどうする?」
すずちゃんの鳥類支配で支配下に置いた鳥が見つけたと言う集落、鳥なので報告が大雑把なのだ、見に行ったらコブリンやオークの可能性もある。
パパ 「銀狼族の可能性もあるから確認はしておきたいかな」
おと 「この前見たいに襲われそうに成らないかな?」
さき 「いきなり襲って来るかもしれないよね?」
ママ 「そうね~自分達を守るために攻撃してくるかもしれないわよね」
パパ 「こちら側からじゃ無く、回り込んで森の奥から様子を見る事にしようか」
すずちゃんの案内で森の中の集落に向かう事にした家族、すずちゃんに相手に気が付かれない様に裏に回り込んでもらう様に頼み森の中を進んでいく。
今回は道を作るわけには行かないのでパパが先頭で邪魔な枝を払いながら進んでいく事に途中で小川が流れている、この川の下流の畔に集落が有ると言う、少し休憩して出発しばらく回り込む為に森の奥に入って行くとすずちゃんが「ピッ」と鳴いた。
近くで戦闘音がするらしい、どうするか確認してきたのだ。
その戦闘音のする方に行くように頼んで先導してもらう、すると確かに戦って居る様で声が聞えて来た、音が様子見てくると言って木に登り木から木を跳びながら戦闘音のする方に向かって行った、すずちゃんにも付いて行ってもらう、パパの探査にはまだ反応は無い、声のする方に慎重に進んでいくと音が戻って来た。
「スタ!」と木から飛び降りてきた音、そんな事も出来たのね、忍者の様でかっこいいじゃない…と思うパパ
おと 「獣人達が5人コブリンに囲まれている様だよ、コブリンの数が多くって手こずっている様子だった、助ける?」
パパ 「そうだな音が木の上から声を掛けて助けが居るか聞いてみてくれ、木の上からだったらいきなり攻撃される心配も無いだろう」
ママ 「音気を付けてね!」
おと 「うん分かった!助けがいる様だったらすずちゃん飛ばすね」
パパ 「了解少しずつ近づいていくな」
おとが木の上に登り跳びさって行くのを見届けてパパ達も進んでいく、おとが戦って居る獣人達の元にたどり着き木の上から声を掛ける。「もしもーし!そこの獣人さん達大丈夫ですか?助けは欲しいですか?」と呑気な感じで話しかけた。
一瞬固まるコブリンと獣人、獣人の一人が音を見つけると皆の視線が音に集まる。
戦闘中なのに全員が音を見ていた、「やだ!そんなに皆で見つめないでよ!」というと『ハット』して戦闘を開始している、獣人の一人が「おじょうちゃん!危ないから逃げなさい!」と音の事を気遣ってくれている。
「悪い人たちじゃなさそうだね手伝うよ!すずちゃん皆に伝えて!」と獣人達にも仲間が居るのが分かるように大き目な声で言うと木から飛び降りてコブリン達を攻撃しだす。
木から飛び降りるのを見て慌てる獣人達、「こっちは大丈夫だから!」と声を掛けて置く、パパ達の元にすずちゃんが来てママに教えてくれた。
「パパ音が参加したみたいだから急いで!」とパパにつげると「分かった!」と枝を払いながら向かって行く、コブリン達の姿を確認して先頭をママに交代しパパは木の上に登り、獣人と音、コブリンを確認すると弓で援護に入る。
ママがハルバードで枝を払いコブリンの元に付くとすでにコブリン達は音の無双で腰が引けていた、其処に横合いからママが襲い掛かった!
一気に戦意を喪失したコブリン逃げ出そうとしている所を咲の魔法の水の矢が襲い掛かる、スパンスパン!と頭を貫かれるコブリン達はパニックになり逃げ惑うがあっと言う間に全滅させる家族だった、逃げれたコブリンは数匹だろう。
呆然としている獣人達にパパが話しかけた「大丈夫か!けがは無いか?」
刺激しない様に武器をしまい集まる家族に気を取り直した獣人が「ああ助かった大した怪我はしていない、数が多くて押されていたんだ、ありがとう!」と革のかぶり物を取ったが銀狼族では無い様だった。
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