第80話 ダンジョン内でのモラル
Cランクパーティー烈火の剣は階段前で休憩をしている様だので先に下に降りる事にして前を通過しようとするとパパに剣を向け前を塞がれてしまった。
「見ない顔だな?挨拶も無しに先に行こうとするのか?」と凄んできた。
パパ 「まあこのダンジョンは初だからな見た事は無いだろうな、挨拶が必要なのか?休憩中邪魔はされたくは無いだろう?それとも盗賊か?」
パパが剣を差し出して前を塞ぎ凄んできた冒険者を睨みかえす。
「トーマ辞めないか面倒ごとを起こすんじゃない!こんな所で余分な体力を使ってどうするんだ!今回の探索で認められればBランクが見えてくるんだぞ!」とリーダー風の男が道を塞いだ男にめんどくさそうに話しかけている。「チッ」と舌打ちをして道を開けるトーマ、ちょっとイラっとしたパパ「ゆっくりと休憩して後を着いて来るんだな魔物は倒して置いてやるからおこぼれを貰って行きな」と前を通り過ぎて行く「何を!ふざけやがって!」とトーマが切りかかって来たがパパがさっとトーマの前に出て首にナイフを当てていた「実力も無いくせに粋がるな!死にたいのか?」
リーダー風の男が「済まない!許してくれないかきつく言い聞かせて置くから勘弁してくれ!」とパパとトーマの間に入ろうとするがパパが足を引っかけて転ばす「今までそうやって他に絡んで居たんだろう?絡む前になぜ止めない!」
珍しくパパが怒って居る、家族も滅多に見ないパパに驚いて居るが止めようとはしない様だ、何かわけが有ると思って居るからだ。
パパ 「こっちは見ればわかるだろう?子供連れだぞ!そんなパーティーを脅して何をしようとしていた!」
トーマ 「済まなかった見かけない顔だったんで少し驚かせてやろうと思っただけなんだ!許してくれ!」
残りのパーティーメンバーはどうして良いか分からないようで戸惑って居る様子だ。
パパ 「あんたらもこんなのメンバーに居れてたらいつか死ぬぞ!今回も剣を向けた時点でやられて居ても文句は言えんはずだ!」
リーダー「忠告は胸に刻んで置く!此れからは今回のようなことは絶対に起こさないと誓おう!トーマ!次に問題を起こしたら首だ!わかったな?」
トーマ 「ああ!わかった二度と他に絡むようなことはしない済まなかった!」
パパは自分のタグを相手に見せつけて「他からも話が聞こえてきたら分かった居るな?」と捨て台詞を残して階段路下りて行った。
「Aランクだとは…命が有って良かったな」と後ろから聞こえてくるのだった。
ママ 「お仕置きは済んだかしら?」
おと 「パパがあんなに怒るの珍しいよね?」
パパ 「本人は遊びのつもりだったかも知れないがな、ダンジョンの中では何が起きるか分からないんだ、ちょっとした切っ掛けで殺し合いに成ってしまうんだ、剣を向けたのがパパじゃなくって子供達やママだったらパパは迷わず奴を殺して居たと思うそれ位にダンジョンの中は無法地帯に成ってしまうモラルの無い奴は排除した方が良いんだよ」
ママ 「パパあんまり子供を怖がらせないでね?」
パパ 「力を持った者がモラルが無いと弱い物を虐げるだろう?音、咲、星にはあんな大人にはなってほしくないからな!」
おと 「弱きを助け強きをくじくだっけ?」
パパ 「それ良く言われるがパパはあまり好きじゃないかな、力が弱くても悪い奴は要るし力が強くても良い奴はいる、パパが言いたいのはモラルの話だな」
ママ 「モラルと言ってもまだ難しいんじゃない?」
さき 「良い事と悪い事の区別みたいな感じ?」
パパ 「お前たち姉妹は凄く力が有るんだ、きっとこの世界の誰よりもな、その力の使い方だな、自分が気に食わないからと言って力任せに人を押さえつけ面白半分に人を傷つける様な人間には成ってほしくは無いんだよ」
おと 「難しいよね?良いと思ってもやった事が相手から見たらこっちが悪に成ってたりしそうだしね」
パパ 「戦争なんてものはそのいい例だな自分の国では英雄でも相手の国からすれば虐殺者に成って居るだろうしな」
ほし 「良く分からないけど悪い事はしないよ?」
ママ 「そうね~ほしは良い子だからね大丈夫かな」
パパ 「お前たちは手当たり次第に人を傷つける何て事をしない様にしてくれ」
おと 「そんな事する訳無いじゃない!良心はちゃんと持ってるし!」
パパ 「日本は治安が良かったからな向こうの感覚で居ると危ないかもしれないが忘れないで欲しいんだよ」
家族は話しながら襲って来る魔物を虐殺して居る、話して居る事は凄く良い事をパパが言って居るが魔物虐殺しながら言っても説得力が全くなかった。
ママ 「3階は人が居なくて良いわね~」
さき 「そうだね~気にしなくって良いからサクサク進めるね」
おと 「人が居るかも知れないから強い魔法は禁止だよ咲?」
パパ 「そうだな魔法は一匹づつ確実に当てるようにしといてくれまだこの階層では人が居ると思うケガさせたら大変だからな」
さき 「分かってるよ!派手なの使ってないでしょ?」
ママ 「さき十分派手なの使ってるからね?分かって無い感じよね?」
さき 「噓でしょ?一番魔力抑えて使ってるよ?」
パパ 「浅い階層はパパでも対処できるから咲はしばらく魔法禁止だな」
さき 「ええ~つまんないじゃん!歩いて居るだけなんてさ!」
おと 「8階以降は派手にしても良いんじゃないかな?」
パパ 「念のために10階からだな咲の魔法解禁は」
さき 「まだ3階なのにじゃあさっさと10階まで行こう!」
パパ 「じゃあ先頭は一回づつパパとママと音で交代で行こうか」
ママ 「分かったわじゃあパパさっさとこの階抜けちゃいましょ!」
そのまま4階層も何事もなく進んで行く、4階層は今まで出て来た魔物が群れに成って出てくる様だ最低で4匹で行動して居る魔物達だがパパ達家族には全く問題なく進んでいける。
パパ 「一番強くて面倒なのがグレイウルフかな?」
おと 「良く統率されてて連携が良いよね」
ママ 「ボス倒しちゃうと一気に弱く成るようね」
パパ 「ボスが何かバフを掛けて居るのかもしれないな」
さき 「コブリンも段々上位種が出て来てるから此れから面倒になるかもね?」
パパ 「まあ10階層でゴブリンキングだからな」
そのまま5階層の安全地帯に到着する、当たりにいくつかテントが張ってあるが人はいない様だ、場所取り見たいなものかな?ここを拠点に攻略をして居るのだろうな、当たりを見て回ると泉の様な物を発見したのでサイダーか確認をする。
おと 「シュワシュワしてるからこれサイダーだね!」
パパ 「やったな!炭酸ゲットだぜ!」
さき 「ハイハイ!面白い面白いよ!」
ママ 「さっさと樽に積めてしまいましょうか」
パパはそう言われて樽を取り出し泉に沈める、パパが樽に泉の炭酸水を入れている間に味見をしてみる。
ほし 「炭酸強くて味もしないから美味しくない」
さき 「そうだね炭酸が強すぎて口に中がピリピリするね」
ママ 「薄めて味付けなきゃ美味しく飲めないわね~」
目的のサイダーを手に入れた家族は今日はここで休むか先に進むか話し合う事に。
ママ 「ここで休んでも良いけどまだ早いからやる事ないわよね?」
おと 「全然疲れてないから先に進もうよ」
さき 「そうだね~今までは中々進めなくってイライラしたから人が居なくなるまで進みたいかな?」
ほし 「ほしもまだ元気だよ~可愛いワンちゃん探しに行こう!」
パパ 「可愛いの居ると良いな!じゃあ先に進もうか、誰かが休憩しようって言ったらそこの階までにしとこうか」
満場一致で進むことになった家族次の階層に向かう階段はもう見つけてあったのでさっさと下に降りる事になった。
パパ 「ここからはオークが追加されるみたいだな」
おと 「まだまだ手ごたえは無さそうだね」
さき 「パパ一気に次の階層の階段まで行っちゃおう!」
ママ 「おと斬撃は飛ばさないようにね人がいるかも知れないわ」
おと 「分かった~じゃあ行くね~」
この階は音が先頭になりパパが後ろでナビをするさき、ほしと続き最後がママだ、先頭を交代行こうと言って居たがこの隊列が一番効率が良い事に気が付き暫くはこの並びで行く事に成った。
パパのナビで進んで行くおとの索敵で魔物は来るのが分かって居る、今回はすずちゃんとゴンは連れて来ていない家に様子を見に行って貰って居るのだ、山の洞窟の氾濫がもし家の方に言って居たら大変な事に成るのでまりもと協力して守ってもらう事に、すずちゃんだけは様子を確認したらまた戻って来てもらう事にしてある。
パパも探査を使って居る最近は大分範囲が伸びて来ているので後ろからの攻撃やおとが探知できない魔物もパパが探査で探って居るのだ。
少し前に何処かのパーティーが進んでいる様で魔物の死骸が放置されている、貴重な部分だけ切り取っている様だ、死骸は数時間放置するとダンジョンが吸収してしまい消えてしまう、装備や貴重品などはそのまま残って要るので発見した者が所有権を持つ事に成る、冒険者のタグを見つけたらギルドに届けるのが暗黙のルールの様だ。
暫く進んでいると前方から戦闘音が聞こえて来た。
パパ 「戦闘して居る先が下に降りる階段が有る場所だな」
おと 「また終わるまで待つの?」
さき 「さっさと終われば良いけどね?」
ママ 「出来れば先に行きたいわよね?」
パパ 「邪魔に成らない所まで進もうか」
パパを先頭にして戦闘中の場所まで進む事にした家族、姿が確認出来る所まで進むと怒号の様な声が聞こえてくるのだった。
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