第31話 対人訓練
此方の世界の人々は転職システムを知らないみたいだった、タマは初め無職だった。祈っただけで職業選択はしていないようだ、生活していて自然にその人に合った職に就く感じかな、ごく稀に生まれながらにレア職に就いていた人が英雄に成ったりしたのだろう、出なければ初級職ではLv50でもステータスの最高値が20前後みたいだった、レア職に就かなければLv50でステーテスが60迄は行かないだろう。
うちの家族のステータスが異常なのは良く分かった…
転職後のパパのステータスは音がこの世界に来た時とほぼ同じだった、Lvを上げれば子供たちの様なステータスに成れるかもしれない、うちの家族の女性陣は今現在Lvが51だった、Lvが50を超えるとそれ相応の敵を倒さないとLvが上がらなくなるようだ、Lv追いつけるように狩りに励まないとな、だが北方面は氾濫があったばかりで魔物が全くいなかった、ジョン達のために西の方に向かって道を作りながら魔物を退治しLv上げしながら様子を見に行くのも良いだろう。
ジョン達がこの辺りで安全にLv上げが出来る様になるまでは一緒に行動するのが良さそうだな。
攻略本の地図を見てみると川に沿って西に行くとランプ獣王国とサシャ共和国の国境の町が有るようだ、川を挟んで町が有り北側を共和国、南側が獣王国が支配しているようだそこなら人族と獣人族が一緒に行動していても目立たないだろう。
道を作るにも直接この家からまっすぐ行くわけじゃないし侵入してきても分かれ道が有れば多少は家まで来られる確率も下がるだろう。
ジョン達の家作りが終わったら皆に聞いてみるか、それまでは此処で対人戦の訓練でもするか、確か倉庫に竹刀が何本か合ったはず、パパが高校時代に部活で使っていたものだ思い出にしまってある、古いが多少手を加えれば使えると思う、ママは木の棒かな、ハルバードの練習用なんて無いからなママが木の棒使えば、攻撃力も半減して丁度良いだろう。
ジョンとポチは家作りを再開、ママたちを誘ってさっそく訓練をすることに、竹刀出してきて音に渡す、パパと音は革の鎧を着て完全防備に竹刀だ、叩かれても全く問題ない、中学、高校時代剣道を6年間やっていたパパ多少は対人訓練に成るだろう。
音と向かい合うパパ、基本剣道はすり足だ、外の凸凹している地面でやると勝手が違い慣れるまでと感が戻るまでは時間が掛かったが、相手は素人だスキル禁止でやれば多少は有利に戦えた、剣先を合わせ距離とタイミングを計り、音の竹刀の剣先を下から叩き跳ね上げた瞬間に踏み込む、小手を狙い跳ね上げた竹刀をそのまま振り下ろすが音は片手を竹刀から離して躱す!
剣道の試合とは違い変則的な動きで翻弄される、おとがパパの後ろを取ろうと動き回るがパパはその場から動かずその場で円を描くように向きを変え常に正面に音を捕らえ攻撃をさせない、いつもならここで斬撃を飛ばす音だがスキル禁止だ。
攻め込めずにもたもたして周りを回っているだけに成って来た、単調な動きに成って来たのでタイミングを計りパパから仕掛ける、段々昔の感が戻って来たのか鋭い攻撃が出せる様になってきた、音はステータスの力で無理やり躱し攻撃をして来るが動きに無駄が多すぎて難なく防げる、しばらくそんな攻防をしていると音が段々慣れてきたのか無駄な動きが無くなってきた、攻撃も鋭さを増しパパが防ぐのがきつく成って鍔迫り合いに持ち込もうと突っ込むが逆に吹っ飛ばされて「メーン!」
子供に吹っ飛ばされるパパ…哀れ。
おと 「パパ凄いじゃん!ちょっと焦ったよ」
パパ 「ちょっとか…もっと練習しないとな」
おと 「ステータス半分以下でしょ?十分ジャン、一緒ならまず勝てない」
と音が珍しくパパを褒めている、速攻終わると思って居たが攻めきれずに危ない所もあったとパパを見直したみたいだった。
ママ 「良い勝負だったわね、おと次はママとしようか」
とニコニコしながら言っている、音はちょっと顔が引きつっているがママと練習を始めた、横ではハナとタマが対峙して訓練している。
弓でも練習するかなと皆の訓練を横目に弓の練習だ!
咲と星はすずちゃんとゴンを追い掛け回して遊んでいる。
ママと音の訓練は激しさを増す凄い速さでママが木の棒を振り回し音がそれを躱しながら突っ込んで押し合いしてが繰り返されている。
スキル持って居ても訓練しなければ使いこなせて居ない、スキルに振り回されて居るだけになる、スキルを自分で無意識に制御出来て初めて真価が出るんじゃないかと思って居る。
まあ弓のスキル取れるように練習あるのみだなと黙々と矢を放つ、木に刺さった矢は収納で回収出来るので永遠に撃てるので面倒が無くてよい、しばらく打って居ると弓を構えただけで矢が何処に当たるかが何となく分かるようになった、色々距離と角度を変えて撃ってみるがほぼ思った通りに矢が撃てるように成った。
咲と星に頼んで木片を投げて貰うそれを矢で打ち抜く練習だ、成るべく素早く正確に動いている的に当てれる様になる為だ、咲が投げてから3つ数えて星に投げて貰う初めは真面目に投げてくれていたが、だんだん飽きてきたのか面白がって微妙に投げる振りやら3つ数える前に投げたりしだしてきた。
それも練習になると思い当てる事に集中する、いろんな方向に投げたり高さ代えたりと色々して、矢をが外れるとケタケタと笑って楽しんでいるみたいだ。
面白がっているが投げて貰って居るので練習に成ると思いひたすら矢を撃つ、すると段々と木片の軌道が読めるように成って来て矢が当たる様になる、そうなると子供たちもムキになって目茶目茶に投げだす。
それでも矢が当たる様になると、今度は同時に投げられた木片が弧を描き空を舞う2個の木片が重なるのを感じ取って矢を放つと木片が重なった瞬間に矢が貫き2個の木片を貫通した。
「「凄ーい!」」とお褒めの言葉、パチパチパチと拍手をしている咲と星。
自分でも驚くパパきっと何かスキルを取ったんだろうとステータスを見る。
ひろ 放浪者 Lv1
攻撃 31
素早さ 28
防御 30
賢さ 27
魔力 30
運 100
ユニークスキル
器用貧乏
スキル
収納 転移術 探査 サバイバル 剣術 弓術 速射 照準
適正 ぜんぶ 創造神の加護
これは凄いな今日だけで一気に4個もスキルが取れた、早打ちが出来るようになったのが速射だろう、木片が飛んだ軌道が何となくわかったのが照準だな。
剣術も弓術も使って居ると何となくだが体に馴染むような気がしてスムーズになる補正が入るのだろう。
皆まだ打ち合っている体力あるな…
ジョン達を確認すると屋根が出来上がって下に降りてきたタイミングだったので皆を休憩に誘う、皆体を動かした後だシッカリ水分取って休む。
パパ 「今日は冷えたビールは最高だろう!」
ママ 「あらビールまだ有ったかしら?昨日飲んだので最期じゃないかしら…」
パパ 「マジか!こっちの世界エールしかないんだよな…あれあんまり美味しくなかったので買ってない」
ママ 「あと焼酎と日本酒が有ったかしら後はパパの秘蔵のウイスキーね」
パパ 「お酒の成る種は出来ないの?」
ママ 「原料の種は取れると思うけど、お酒自体は無理よね?」
ジョン 「あの冷たい飲み物は最高だったな!もう飲めないのは残念だ」
ママ 「種は取れたから有るわよ麦とホップが取れたわね、イースト菌ならあるから作れるかしらね?」
パパ 「ビール何て作った事ないよな工場見学に行ったくらいだ!!その時に貰ったパンフレットに色々な種類のお酒の作り方の工程表乗ってたよな!」
ママ 「それ見てやったら出来るのかしら?今度試してみましょう、何処にしまったかしらね?」
時は少し遡り一家が町を出た少し後
「なに?街を出ただと!どうして引き止めなかったのだ!!!」凄い剣幕で怒鳴り散らすカストロ男爵、家族を使い森を開拓すると目論んでいたのだ。
「申し訳ございません門が開くと同時に町を出たようです、依頼や狩りで出たのなら直ぐに戻ると思うのですが」とアイルが家族が森に帰った事を誤魔化す。
「帰らなかったらどうするんだ?」と怒りが収まらない男爵、勝手にこれで伯爵も夢ではないと盛り上がって居だのが家族を男爵家に仕えさせようとする前に出て行ってしまったのだ。
「家族は生活に必要な物を買いに町に来たと言っていました、帰ったとしてもしばらくしたらまた町に姿を現すと思われますがお待ちに成られては?」
興奮状態の男爵「そんないつ来るかも分からない者を呑気に待って居られるか!」と怒りが収まらないようだ。アイルはそれなら屋敷に招いた時になぜ誘わなかったのか平民と侮り見下した態度を取っておいてと呆れるのだがそれは言えない…
「今すぐに連れ戻してこい!」と命令をされてしぶしぶ騎士団に森を捜索させて万が一を考えて湖方面は自分で行く事にしたのだった。
捜索する振りをしながら騎士5人で馬に乗り森へ向かいう、氾濫後で魔物が居ないせいもあって湖までは順調に来てしまった、南に向かうと洞窟が有るとの言葉を思い出してそこまで行ってみる事に、無理はせずに危なくなったら引き返すつもりだったが洞窟までもすんなり来れてしまった。
洞窟の中には家族が居たのだが知る由もない、アイルは洞窟の前で家族の休憩した痕跡を確認する、追いついては面倒になると少し洞窟を覗いてみる事に、洞窟に入っても1階層の魔物なら騎士達なら難なく倒せるようだ、しばらく様子を見ながら進んでいくと、奥の方から爆音が響き渡って来た!「何事だ!」と慌てて身構える、それは2階層で咲が初めてメテオを使った時の爆音だったのだ。
これ以上は危険だと判断したアイル達は引き返し、捜索の結果、湖を超えて捜索し家族は見つからなかったが洞窟を発見した事、中を少し探索し魔物の対処は出来そうだと男爵に報告、上手く開発すれば町の発展に役立ちそうだと言って男爵の目を家族から洞窟に向けさせる事に成功するのだった。
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