第55話 銀狼族の隠れ村

朝迄休み遅い朝食を終わらせる。


パパ 「畑の収穫はもう出来るまでになってるんだな」

ママ 「昨日星ちゃんが頑張ってたわ」

おと 「さきとほしが調子に乗ってドンドン育ててたからね」

さき 「食べ物無さそうだったから頑張ったんだよ?」

パパ 「コカトリスの肉も渡したし暫くはどうにかなるだろう、これからの事なんだがな、此処と家を繋ぐ道を作ってしまった方がいいような気がするんだがどうだろう?ジョン達も故郷が付かくなる方が良いだろうからな」

ママ 「シャルバンの町はどうするの?」

パパ 「稲荷が言って居たが銀狼族だけ助ければ良い問題じゃ無く成って来ている気がしてるんだ、なのでどうすれば白虎族から王座を奪えるか皆で相談した方が良いと思ってるんだ」

おと 「確かにかなり嫌われてるよね白虎族、咲を蹴った茶々丸みたいな奴ばっかりだったら仲間を増やすって事かな?」

パパ 「それが出来れば良い事だけどどの部族が信用出来るか分からないからな、銀狼族を助けて弾圧された部族も助けたいからな、一度戻ってリキ王に相談しないと銀狼族は自由に動けないだろうからこの村の人に協力して貰えないかと思ってるんだ」

ママ 「勝手に道を繋げる訳には行かないわよね?」

パパ 「そうだな稲荷に一度聞いてみてからだな、今から話をして来るよ皆はゆっくり寛いでいて」


そう言ってパパは稲荷を探して村を歩き回る事に成った、すずちゃんに頼めばすぐに分かったはずなのに…

村を見て回るパパ、村人は皆笑顔で挨拶してくれる、村を魔物から救い食料の危機も救ってくれたパパ達家族はこの村にすっかり馴染受け入れられていたのだった。

村の皆に挨拶しながらのんびりと散歩をしているパパすっかり初めの用事を忘れていた、稲荷の方もパパを探して居た様で中々会う事が出来なかったのだった。

いつの間にか村を一周して家族の元に戻ってしまったパパ


ママ 「稲荷さんもパパを探して居たわよ?会えたの?」

パパ 「あれ!そうなのか?まだ会えていないんだよ…」

さき 「入れ違いに成ってるからここで待ってるか村の広場でも行って動かない方が会えるんじゃない?」

パパ 「そうかじゃあ広場に行って見るよ、此処に稲荷さん来たら広場で待ってるって伝えてくれるか?」

ママ 「ええ分かったわ此処に来たら伝えるわね」


ママにお願いして広場に向かうと稲荷さんが此方に歩いてきた。

稲荷 「済まないな探していたようだな入れ違いに成ってしまったようだ」

パパ 「構わないさ、村を散歩がてら見て回れたからな」

稲荷 「話が合ったんだ、パパさんも何か話が合ったんだろう?」

パパ 「そうだな立ち話も何だから、家族の所でお茶でも飲みながら話そうか」


そう言って稲荷を連れて家族の元に戻って来た、子供たちは村の塀から出なければ良いよと言って遊びに行かせた、三人は離れない様に念を押しておく。

ママがすずちゃんに3人の見張りを頼んで何かあったらすぐに知らせてねと言って居るこれで何かあっても大丈夫だろう。


ママが3人分のコーヒーを入れてくれたが稲荷は初めてのコーヒーの苦さに顔をしかめている、「砂糖とミルクを入れると良いぞ」と入れてあげると「両方高級品だなパパさん達は貴族か何かか?」と聞いて来る、「普通の平民だなこの森の奥で生活しているからな、すべてそこで取れた物なんだ」と答える。

「あの不思議な力で育てるんだな、村の作物ももう収穫できるように成って居て皆神の奇跡だ!とパパさん達家族は使徒様じゃないかと言いだしてるものまで居るんだ」

パパはドキリとしながらも平静を装い「使徒様か自分が使徒様だったら驚きだな!」

と笑い出した。

稲荷もそうだな使徒様だったら神からのお告げが有るはずだからなと言って居た。

パパは誤魔化すために話を変える。


パパ 「そう言えば稲荷の話は何だったんだ?」

稲荷 「昨日のコブリンとレッドコブリンの魔石の事なんだが、数が数だ直ぐにはパパサン達に渡せないんだが直ぐに旅立つのか?」

パパ 「魔石は村の為に役立ててくれればいいぞ?お金には困って無いんだ、村の皆の服なんか町で買ったらどうだ?」

稲荷 「何から何まで世話になって済まないな…この恩はいつかきっと返させてもらおう!」

パパ 「そう気にするな魔石なら家に帰れば他の魔物の魔石が山ほどあるかな」

稲荷 「こちらの話はそれくらいだ、パパさんの話は何だったんだ?」

パパ 「込み入った話に成るんだがな、今私たちの家では銀狼族を数名匿って居るんだ、此処の住人は皆白虎族の弾圧で逃げ出したもの達と言う事は銀狼族の関係者か協力者かと思ってな」

稲荷 「…そうですね此処の者たちは銀狼族を匿ったり逃がしたりして白虎族に目を付けられひどい目に遭わされた者がほとんどです、パパさんの匿っている銀狼族は元気にしておりますか?」

パパ 「初めは皆ひどい状態だったが今では元気にして居るよ、もうすぐある王位決定戦に向けて修行をしている最中だ」

稲荷 「そうなんですね!決定戦に出る銀狼族がいるんですね!」


そう言って凄い期待を込めた目で感情を爆発させた稲荷だった。

それを見てパパも稲荷は信用できると確信して話し出す。


パパ 「初めに助けたのは元親衛隊長のジョンの家族だったんだ、ジョン達に関わっていくとジョンは銀狼族の皆を助けたいと強く願って居てな」

稲荷 「ジョン隊長が生きていたんですね!古傷で戦えないと身を引いたと言う事でしたが」

パパ 「稲荷は詳しいな、今では古傷も治りかなり強く成って居るぞ!リキ王も合流しているしな」

稲荷 「リキ王も居るのですか⁉王は生きているんですね!良かった…」


そう言ってすすり泣きだしてしまった、少し落ち着くと稲荷の身の上話をしてくれだした、稲荷はリキ王に使える魔法使いだった、魔法が全体的に不得意な獣人だがその中でも狐族と狸族は魔法が得意なものが居ると言う。

狐族の中では一番の魔法の使い手だった稲荷はリキ王の要請で使えるようになったそうだ、リキ王が襲われて敗れてしまって白虎族が王に成ると直ぐに弾圧が始まった、リキ王は自らが囮になって皆を逃がした、その集団を率いてここ迄逃げて来たのがこの村の始まりだそうだ、此処に居る者たちはかつてリキ王に使えて宮廷で働いていた者とその家族だと言うのだ。

此処から少し離れた別の場所に銀狼族の生き残りが村を作って居るとも教えてくれた、この場所かもしばれてもここには銀狼族は居ないのでやり過ごせる、この村の奥に銀狼族の村が有りこの村に何かあればすぐにっ連絡が行くようになっている。


パパ 「ここからずっと東に向かっていくと私たちの家が有る拠点に付くのだがそこと此処を道でつないでも良いだろうか?」

稲荷 「ここから東に向かうと銀狼族の村も有るんですがそこは通らなかったんですか?」

パパ 「うちらは実は北のエルトワの町から森沿いに南下しながら銀狼族の生き残りを探して来ていたんだ」

稲荷 「そうだったのですね、確かにシャルバンから逃げるとしたらエルトワを目指すか森に逃げ込むか二択ですからね、此処から丸一日森を進むと銀狼族の生き残りが村を作って居るんです、200名ほどは居ると思います」

パパ 「そんなに居るんだな生活は大丈夫なのか?」

稲荷 「ここと大差は無いと思われます、明日にこの村の者に案内意をさせます一緒にその者とその村に行って貰っても良いでしょうか?私は此処を守らねばなりませんので一緒には行けませんが…」

少し残念そうに言う稲荷だったパパはその提案を了承して明日に銀狼族の村に向かう事にしたのだった。


次の日の朝早くに狐族のお萩と言う者に案内されて銀狼族の村に森の中を向かう事に成った、まだ此処からは道は繋げない事にした、銀狼族の居る村まではかなり険しい道のりらしい、ばれない様に森の奥深く魔物の相手が出来るぎりぎりの所で村を少しずつ広げていったと言う話だった、稲荷たちは銀狼族を救ってはそこに送り込んでいたと言う事だ。

一週間ほど前から村と村の間にコブリン達が住み着いて行き来が出来なかったので銀狼族の村が今現在どうなっているかは分からないそうだ、戦士達が居るのでゴブリンにやられる様な事は無いだろうと言う事だった。

コブリン達が占拠して居たからなのか魔物自体は今の所居ない様だった、皆餌にされてしまったのだろう。

すずちゃんが警戒してくれているので安心して進める、パパも探査を一様はしているがほぼ薬草かマナ草だたまにキノコも発見するが毒々しすぎて取る気に成らなかった

適度に薬草を摘みながら進んでいく、マナ草は持ってるだけで良さそうなので摘んではいない、まだ使ったこと無いしね、薬草は獣人達が怪我を負って居る状況が多々あるのでこれからも必要になるだろう。

そして歩くこと半日、休憩しながら銀狼族の村は後どれ位か聞くと、後3時間も歩けば付きそうだと教えてくれた、「順調に来れているので早めに到着できるだろう」とお萩は言う。

休憩を挟み順調に歩いていく、銀狼族の村の外周が見えて来た丸太を並べて村を囲っている様だ、まあ稲荷達の村よりかは守りやすく成って居そうだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る