ショッピングモール1

翌朝


子供達は異常な速さで起きて来る。


「「「おはよー!」」」


パパ 「楽しみなのは分かるが何だか随分早いな!店が開くのは10時だろう?」

おと 「咲がソワソワして落ち着いて寝れないから起きたの」

さき 「人のせいにしないでよね!自分が起こして来たくせに!」

ほし 「まだ寝てていいの?」

ママ 「まだ朝の6時よ?ほしちゃん寝てていいわよ?時間に成ったらちゃんと起こすから」


ほしはうなずいて二階に上がって行った、姉二人に起こされて渋々起きてきた様だ。


パパ 「お前ら暇だったらポーション作りでも手伝ったらどうだ?」

おと 「折角おしゃれしたのに汚れるからヤダ!」

さき 「薬草の匂い着いたら臭く成るじゃないいや!」

ママ 「早くてもここ出るのは9時半よ?」

おと 「ダラダラしながら待ってるから良い!」とテレビをつける


朝のニュース番組がやって居る、今の所はまだ大きなトラブルは起きて居ない様だが魔物が各地で出現している、自衛隊の活躍で何とか大きな被害は出て居ない様だが死傷者は多数出ている様だった。


さき 「自衛隊の人たち銃あまり使って無いんだね?」

パパ 「町の中で銃は使いずらいんじゃないか?一般人でも銃でケガをさせたら大事にされそうだからな」


おと 「魔物から守ってるのに?」

ママ 「頭のおかしい人が居るからしょうがないわよね」

パパ 「自衛隊員は国民皆を守る義務が有るからな、それに此処で訓練して居るんだ簡単にはやられんさ!」


テレビでは自衛隊の職持ちの隊員が魔物と戦い切り倒す所を映している、ここ数日は平気でこういった映像を流すようになった、自衛隊員が命を懸けて戦って居る事を皆に知らせる様にしている様だ。


しかし評論家やコメンテーターは好き勝手言っている様だ、一方的に殺すのはどうなんだとまだ言って居る馬鹿が居る、少ない被害と言ってもかなりの人が怪我をしたり死んでしまって居る現状をどう思って居るのか問い詰めて見たいきもする。


パパ達家族についても言及して居る、なぜ今だに会見を開かないのか?人前に出てしまうとウソがばれてしまうから怖くて出れないんだ!と言う者が居れば、あなたは結界を試しましたか?とその者を問い詰められ口論に成って居る


ママ 「何だか少しずつ味方に成ってくれる人が増えて来たみたいね?」

パパ 「どうだろうな?テレビ盛り上げる為のやらせじゃかも知れないぞ?」


朝ご飯を食べてゆっくりして居ると佐々木さんが訪ねて来た。

外に出ていつもの席に腰かけると要件を聞くことに。


「こんなに早くどうしたんだ?」

「山内様の親族関係者の件でご相談が有るのですがよろしいでしょうか?」

「何かあったのか?」

「まだ何も起きてはいないのですが警戒して居る者からの報告で怪しい者達が頻繁に監視をして居るそぶりが見受けられるそうなのです」

「ここに呼んで素直に来るかどうかが問題なんだよな」

「今日御殿場で話が出来るようにご家族の方も呼んでおりますので話をしてみてください」

「結界に入れるかが問題なんだよな…義父さんや義母さんは試したかな?」

「自衛隊員の護衛の下皆さん試されております、山内様のお姉さまご家族、と奥様の実家のご家族は皆は居れるとの事です、残念ながら山内様のお兄様が入れなかったとの事です」

「兄はほっとけば良いよ、もう10年は音信不通だ好きにさせて置けば良いよ、護衛もしなくていいぞ?」

「それはよろしいのですか?お兄様ですよ?」

「結界に入れなかったんだそれ以上もそれ以下でもない!身内でも贔屓はしない」

「それは申し訳ございません!今日お兄様のご家族も来られます…」

「ほう!来るのか!よく顔を見せる気に成ったもんだ!どの面下げて会いに来るか見ものだ!楽しみにしておくよ!」


昔話を佐々木に利かせる事に、家族の事情まで分かるはずも無いので兄弟の関係性などは知るはずも無いのだ。


パパの兄は実家を継ぐ際パパとパパの姉に実家を守って行く事を条件に遺産を放棄させていた、結構な土地と資産が有ったのだが実家が無く成るのは寂しいとパパと姉は了承。

だが相続した途端に兄弟が住んで居た実家を売り払い何処かに移り住んでしまい音信不通に。


姉は「私は嫁いだ者だからいいの!でもあなたは権利がある!あんな嘘迄ついて人としてやって良い事と悪い事がある!」

姉は激怒し兄の勤務している会社まで乗り込もうとしたのだがパパが止めていた経緯がある。


昭和の時代は長男ファーストで次男は予備の様な扱いだった、長男はなにかと甘やかされて親の前では良い顔をし裏ではパパのことをウザイと言って虐めていた。

その事を親に行っても信じてもらえるはずも無く兄を甘やかす親、辛い子供時代を過ごしていたパパは高校を出ると就職し会社の寮に入り家には寄り付かない様にしていたので実家が無く成って寂しいな、位の感情しか無かっただ。

親の墓参りに行った時にあなた達の可愛がり大事に育てた長男様は立派な屑に育ちましたね!とお参りして、少しスッキリしたパパはそこからお墓に行って居ない。

嫁には墓参りに行かなくて良いの?と聞かれるが兄が全部引き継いだんだ兄がして居るだろう?と言って行く事は無かった。


「すみません関係性までは調べておらずにお兄様と言うだけで呼んでしまいました」

謝る佐々木さんに「気にしなくって良いんだ、奴が合う事にした経緯に興味があるから、まあ碌な話はしてこないだろうがな、佐々木さんも聞いてみると言い笑えるかもしれんぞ!」と言って笑っているパパだった。


そんな話をしてこれからの話もして居ると自衛隊の隊員が「そろそろお時間です!準備は出来ております!」と報告に来たのでパパは家族を呼びに家に向かった。


パパが家族を呼ぶと子供達の歓声が上がり飛び出してくる。


ママ 「佐々木さん今日はよろしくお願いします!」

「「「おねがいします!」」」と子供達はウキウキだ。


佐々木 「今日は思う存分楽しんで下さい!では向かいましょう!」


駐屯地に向かって歩き出す、家族もそれについて行きヘリで送って貰うのだった。


ヘリに乗り込みはしゃぐ子供達、初めて乗るヘリに興奮を抑えきれないでいたがヘリで飛ぶと直ぐに目的地の商業施設が見えて来た。


おと  「何処にヘリ降りるの?自衛隊みたいにロープで降りる?」

佐々木 「それは訓練をさせた者しかやらせられませんな!」と笑って居る


ヘリは豪快に駐車場の真ん中に降り立ち皆を降ろす。


ママ  「普通ではあり得ない事をしているわよね!本当に貸し切りなのね!」

佐々木 「今日の施設の敷地には関係者しか入れません周りには自衛隊員が巡回警備をしております、安心してお楽しみください!」


パパ  「VIP要人でもここ迄しないよな?凄い事だぞみんな!」


さき  「ねえ!早く行こうよ何から見る?」

ほし  「ほしねえ!大きいぬいぐるみが欲しいな!」

おと  「私は新しいタブレットかパソコンが欲しいな!」

さき  「私もタブレットが良いかも!」


喜びが爆発して居る子供達 「タブレットは良いがいつ迄使えるか分からんだろう?」とパパが冷や水をぶっかける「ハ~」とため息を吐き「そんな事は分かってるの!テンション下がるわ~パパは何も分かってない」と言って歩き出す子供達。


ママ 「パパは相変わらずね!ああやって盛り上がって楽しんでるのよ」

パパ 「そうか…ママ子供達頼むな、皆が付くん迄待ってるから」


親族が来る事を皆にはヘリの中で話している。


「じゃあ皆が来るまでは一階にいる様にするわね」

「ガラガラだから人が居れば直ぐに分かるかな?」

「何かあれば携帯鳴らしてね」ママに言われてすっかり形態の存在を忘れていたパパは携帯を持って来ていなかった…

「すまん置いて来た」ママにジト目で見られるパパ「じゃあすずちゃんお願いね」と言うと「ピヨ」とパパの方に乗って来たすずだった。

擬態しているから近くに居てもママにしか分からないのだった。


外のオープンテラスの喫茶店まで来ると「じゃあ此処に居るから」と家族と分かれる佐々木さんが 「中にも所々に自衛官が控えております、何かあればその者に言えば私に伝わりますので、使って下さい!」

佐々木さんが言うがパパはさっきのやり取りの時に行って欲しかったなと思うが飲み込むのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る