第13話 結界の外に向かって

3日目の朝、今日は北に向かって進んで見ることにした、ゲームと同じなら川があるはずだ、森の浅い所に行けば魔物は段々と弱くなって行く、今いる所から南に向かうと山脈にあたる、そちらに向かえばどんどん魔物が強く凶暴になっていく。

とりあえず何日掛かるか分からないが川まで目標にしていく2泊3日を目途にして食料は多めに1週間分をママに渡した収納バックとパパの収納に入れて、食器鍋なども一式づづ二人ともが持って準備完了!

朝食を食べて終え最終確認。

ママ 「この鞄ちょっと持ちにくいのよね」

パパ 「確かにそれ持って戦闘は無理だな」

おと 「ランドセルの中にいれたら?」

ママ 「丁度はいりそうね?動きやすそうだけど恥ずかしいわ」

さき 「異世界なんだから誰も気にしないよ」

ママ 「そうね~機能性重視でランドセルの中に鞄いれとくわ」

パパ 「そう言えばママ、凍らせたペットボトルどうなってる?」

ママ 「そう言えば忘れてたわね、見てみるね」


鞄の中を確認するとまだちゃんと凍っていた、3日目だけどまだ溶けてないようだ、また鞄の中に入れて時々見てみることに、性能チェックも必要だ。

装備を確認、庭に出て倉庫の中からキャンプ用品も収納に入れる「皆準備は良いか?」

「「「準備OK!」」」

パパ 「じゃあ慎重に行こうか!すずちゃん警戒よろしくね!」「ぴっぴよ!」

ママ 「ちょっと待ってね、出かける前に種だけ植えたいわ!すぐ終わらせるから」


おとのランドセルを背負ったママ、歩きながら米、麦、胡椒、と種を飛ばして蒔いていく。中々シュールだ!

異世界3日目にして初めて皆で結界の外に出てみる、皆のLvが有れば危険は無いだろうとの判断だ、ゲームの世界では洞窟の南の川を超えるのが、中級職Lv20位が目途でLv30に成れば何とか山脈まで行けると、攻略本に書いてあった家族はパパ以外はレア職だ。余裕をもって川まで行けるはずだ、攻略本の地図では1日歩けば川が有るはず、そこからまた1日で洞窟がある事になっている、そこから北に半日も掛からずに主人公が居るはずの湖がある、余裕が有ればそこまでは確認しに行きたいが無理はするまい。


結界まで移動、森を見つめる家族


パパ 「おと風の刃でまっすぐ道作ってよ!」

おと 「良いけどどれ位やればいい?」

パパ 「調整できるなら幅2m位でまっすぐだったら良いかな」

おと 「根っこはそのままだよ?」

パパ 「ちょっと試したいことが有るんだお願いできるかな?」

おと 「わかった!いくよ」


音が剣を構え風を纏わせる!前見た時より色が濃い気がする「うんしょ!」と斬撃をとばす音、ズガガガガガーーーーー!と真っ直ぐに斬撃が飛び木をなぎ倒す!

ピロン Lvが上がりました、ピロン Lvが上がりました。


おと 「ちょっと張り切りすぎちゃったかな?」

パパ 「まあ良いだろう…またLv上がったな」

さき 「今度は何のお肉かな~楽しみだねママー」

ママ 「ええそうね~美味しいお肉だといいわね!」

ほし 「お肉!お肉!肉食べたい!」

パパ 「取り合えず収納するね」


そう言って収納していくと切り株まで収納されて行った!


おと 「切り株も収納出来る様になったんだね!」

パパ 「生えた木か咲が引っこ抜いた木しか試してなかったからな、うまく出来て良かったよ!これで咲きの負担も減るかな、穴塞いで道は作ってほしいけどね、杖使った方が楽に出来るんじゃないか?」

さき 「わかったよ~やってみるねー!」


さきが腕を前に出して杖を構えた、初めて杖使った気がする、そして「えい!」と掛け声をだすと綺麗な道が真っ直ぐ出来上がった。


さき 「なんか思った通りに楽にできた気がする!」

パパ 「杖には魔法を調整しやすくなる効果が付いたものが多いからな」

おと 「剣にはなにか効果ないの?」

パパ 「良い剣になると自動修復とか切れ味強化かな」

おと 「この件には付いてそうだないつもピカピカになってるからね」

ママ 「創造神様がくれた武器だもの。きっと良い武器なのよ」


そんな緊張感の欠片もない会話をしながら歩いていく、すずちゃんが何か見つけたみたいで「チチチ」と鳴いた。


ママ 「音が倒した赤色の子供が倒れてるって」

パパ 「子供って大丈夫なのか?」


心配になった家族一同が小走りですずちゃんの元に行くと赤色のコブリン?が倒れていた。


おと 「これコブリンじゃない?」

さき 「赤色だけどコブリン?前見たの緑だったよね?」

パパ 「きっとレッドコブリンだなコブリンの上位種だ中々強くて厄介だぞ」

ママ 「パパわかるのね~」

パパ 「ゲームの中ではそうだったよ、収納すれば分かるかな」


収納すると レッドゴブリン 魔石


パパ 「やっぱりレッドゴブリンだ一匹で良かったな集団だとかなり強いぞ」

おと 「パパの知識とも一致してきた、益々ゲームの中にいるみたいだ」

さき 「私たちやられても生き返るかな?」

ママ 「生き返れたとしても家族が死ぬ所は見たくないわね!」

パパ 「そうだな、生き返れなかったらお終いだ、皆絶対に無理はしない様にするんだぞ」


~お昼時~

おと 「全く魔物も動物も出てこないよね?」

パパ 「おとの風の斬撃がここまで来てるんだそりゃ逃げるよ!」

おと 「そっか!ちょっと残念だな」

ママ 「さきは大丈夫?ずっと道作ってるけど」

さき 「大丈夫だけどお腹すいたよ!」

ほし 「疲れたー!もう歩きたくない!」

パパ 「そろそろ休憩しようかお昼ご飯食べてゆっくりしようか」

「「「やったー!」」」


ママが作ったお弁当の肉入りのサンドイッチとサラダがお昼ご飯だ、お肉もボア肉で美味しく、こちらの野菜は美味しくて子供もよく食べた、デザートに創造神様から貰った桃をママが切り分けて食べる、この桃食べると疲れが取れる。


パパ 「この桃は仙神桃だな、天界に一本だけ生えていてたまに下界に落ちてくるんだ、過去にはこの桃をめぐって戦争が起きたこともあるんだ」

ママ 「家の庭にいっぱいあるけど良かったかしらね?」

パパ 「あ!あぁそうだったな…あそこまで来れる人は居ないみたいだから良いんじゃないかな、やばそうなら切り倒そう、実が有ればまた種取れるよね?」

ママ 「そうねいつでも育てれるから良いわね」

ほし 「この桃そんなに高いの?」

パパ 「怪我や病気が治り体力や魔力も回復するし、若返りの効果もあるはずだぞ」

ママ 「!!!!!ほんとに!?」


ママの目が光り輝いててやばい!


パパ 「正確には仙神桃を食べるとその者の肉体を最盛期の状態に近づけていくだったかな」

おと 「私もせいちょうするのかな?」

パパ 「最盛期に持っていくんだから年寄りは若返るが子供は成長しないんじゃ無いかな?おとの最盛期が赤ちゃんなら若返るかもしれないが…」

ママ 「可愛さの最盛期はあかちゃんよね!段々生意気になっていくからね」


やばいと思ったパパが「そろそろ出発するか」それに子供たちも便乗する「「「はーい」」」

何かまだ言いたげなママだったが片づけて立ち上がる、「森が見えてきたからまた、さっきのお願いねおと!」パパがおとに話しかけてる、「わかった!あとどれ位で川に出るかな?」と道が途切れ森との境まで来ると水の流れる音が聞こえる。


パパ 「川が近そうだな?すすちゃん見えないかな?」

ママ 「見えてるわね、ここから川まで50mなさそうね」

パパ 「おとお願いやっちゃって今度は控えめにね!」

おと 「わかった!やるね」


音が剣を構えて横へ振りぬく!ズガガガガガーン!


ヤッパリやりすぎた音であった…川の向こうまで真っ直ぐに木がなぎ倒されていた。

川べに出ると大きな大きな熊と目が合う…

熊も木がなぎ倒さええてびっくりして固まって混乱していたみたいだった、「パパやっていいの?」おとが聞いていると横からふっとママが動いた、ズパン!ビックリして固まっている熊の脳天をかち割った。さすが脳筋。考えるより先に体が動いた感じだった。 ピロン Lvが上がりました、ピロン Lvが上がりました、ピロン Lvが上がりました。

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