第12回 SFカーニバル(後編)

 さて今年もSFカーニバルがやってきました。4月の22日のことでした。場所は変わらず代官山蔦屋書店です。わたしも慣れたのか当日はとてものんびりしていました。

 昼過ぎあたりで、日本ファンタジーノベル大賞を受賞され、6月には「神獣夢望伝」の発売を控えている武石勝義さん(https://kakuyomu.jp/users/takeshikatsuyoshi)がSFカーニバルにいるという情報を聞きつけて彼に連絡をとり、中目黒の喫茶店で待ち合わせる約束をしました。

 ことしはひとりではなく強力な相棒と組んでSFカーニバルをまわろうという作戦です。それに武石さんがTwitter上でお話されていた名刺も見てみたいという好奇心もありましたし、さっそく電車に乗り込み中目黒まで行きます。電車を降りて山手通りを歩き喫茶店へ。

 奥の座席に電子煙草を片手にしている武石先生がいました。あいさつを済ませると名刺をいただきました。やさしい人柄のわかるいい名刺でした。そういえば文学フリマのときも名刺のはなしをされていたような……。


 ところで……とわたしが思ったのは東京音大から旧朝倉邸まで伸びる目切坂を登っている最中でした。これはしんどい坂だ。武石先生はサイクリングがご趣味ということでぜんぜん息も切れていなかったのですが、ふだんデスクにいて運動不足のわたしは心臓がバクバクしてやばかったです。

 武石先生に受賞後のご家族の反応はいかがでしたかと聞いてみました。奥様に喜ばれていたという話にほっこりしました。受賞のお話を聞かせていただきありがとうございます。いまもデビューしたことに慣れていないという武石先生。わたしたちの前ではいつもの武石さんでした。


 旧山手通り交差点が見えてくるといよいよ会場入りです。ふつうにプロ作家が目の前を通り過ぎていくSFカーニバル、やはり恐ろしい現場です。武石先生とお話しながら、このSFがおもしろかったなどと感想をお聞きしました。竹田人造先生と武石先生がご挨拶していると、なにか違和感を覚えます。きょうは犬がいねぇぞそこ突っ込むところ?

 出版社のブースはことしはありませんでした。蔦屋書店内で書籍を物色します。文系理系垂涎の本の数々。この場所はここに一日いても飽きないですね。武石先生に棚の上にあった甲陽軍鑑(武田信玄の軍学書)を解説していただきました。これ、けっこうマニアックらしいです。

 

 SFの棚も充実していてお財布が悲しい状況になりつつ、大サイン会をたのしむ武石先生を見ていました。わたしも「ゴジラS.P」と「アシモフの雑学コレクション」(しかも星新一先生訳書!)を手に入れ満足しました。良い休日であるとともに、SFでがんばろうと思える日でした。またプロになるひとはこういうイベントに参加する可能性があることも覚えておきましょう。

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