第94回 書籍を作りたい(2)

 第81回「書籍を作りたい」の回でInDesignを使った書籍制作を書いてみました。私のイメージではInDesignに文書を流し込んでフッダーとページ番号を挿入すれば書籍になるだろう、という雑な理解で突き進んだのですが、制作作業中にいろいろ気がついたこととか忘れないようにしたいことがあったのでここで纏めておきたいと思います。じっさい今日、出来上がった書籍が届くんですよね。


 ひとつはInDesignはページ番号が連続しているとは限らないというところですね。ページをすべて通しで入れてから作業によってはページの飛びが発生することです。なんでそうなるのかは原因究明しないといけないですが、PDFのチェック中に乱丁ではなく、ページだけ飛んでいる事態があるんです。だからInDesignデータからPDFに書き出したあとも原稿チェックを怠らないというところが覚えておきたいと思いました。


 あと紙も覚えておきたい知識です。ふつうの上質紙や標準的な紙以外に、という紙もあるんです。これは印刷所のオプションにも寄りますが、書籍用紙がきちんとあり、文庫サイズの発注を受けてくれる印刷所を選んでおくことですね。印刷所は同人をやっている仲間に相談するのも手ですね。書籍用紙はだいたいクリーム色の用紙です。私はうすクリームキンマリという紙を選びました。この書籍用紙は長い間読んでいても目が疲れにくいといった利点があるそうです。


 ふたつめに印刷所への入稿の話題です。印刷所の入稿はデータ入稿が一般的になっていて、だいたいInDesignのサポートしている形式ならPDF入稿が可能です。ほかにも形式がいろいろあるのですが、データをPDF入稿するイメージだけ持っていれば、問題はなかろうと思います。入稿後は印刷所の担当者から電話をいただいて、原稿の漏れがないかといった基本的な項目を確認します。


 私はこのとき原稿のページ飛びを指摘されてめちゃくちゃ肝が冷えました。

 データは表紙データと本文、そしてカバーのデータを確認します。


 全体の印刷価格の話題も気になりますよね。どれくらいの部数を刷るかにも寄りますが、今回はたった10部だけ刷りました。印刷価格は実は文庫サイズの注文ではそれほどかかりませんが、カラーカバーをつけると倍に価格が膨れ上がります。この部分、意外と印刷所の前情報では載っていないようです。カラーカバー込みで1万円は超えます。なので同人誌っておそらくビジネスにはならない世界なんだなと思いました。あくまで自分の書いたものを届けるためのツールなんですよね。


 いよいよ今日、完成したものが届きます。楽しみのような怖いような……。

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