第62回 カクヨムで必要なマーケティングの知恵

 大事なのは「いますぐ読まれたい」作品か「いずれ読まれたい」作品かの切り分けです。


 カクヨムで活動においてみなさん、読者がなかなか付かずモヤモヤしたり、イライラしたりしていませんか?

「このままで大丈夫なんだろうか」とか。私も連載を始めて数週間でフォローや★の数が凍り付き、動かなくなった経験があります。見てくれる、読んでくれる読者がいるのにも関わらず「もっと」を求めてしまう作家のさがですね。でも「どうしたらいいのかわからない」というのも本音だと思います。がむしゃらに営業に回ったり読み合いの自主企画に参加するのも手ですが、どうしたら評価やフォローに結びつくのかをひとつひとつ考えてから行動に移すのが賢い選択です。


 まずカクヨムの人気の指標には、★の数(現状に満足している層)とフォローの数(現状から将来的な期待を寄せている層)とで二つの指標があることを思い出してください。★の数はそのままランキングに反映される大きな要素ですから、よく言われるのは★の数を中長期的に確保し続ければ、成長は止まらないという帰結ですよね?

 これは爆発的に、短期的に★の数を獲得した作品でもそうです。ランキングの順位が違うだけです。

 いっぽうでフォローの数もランキング順位の確定計算に使われますが、その値は★の数ほど強力ではないと思ってください。

 ここでまず現状として、短期から中長期的に成長を持った、あるいは持ち続ける作品を生み出しましょうという目的に立ち返ります。読まれたいということはですよね?


 まず短期的な成功の指針は「いますぐ読まれたい」、つまりそうなるために何をすべきかという点でしょう。ひとつは作品が新着作品として発表された際に目に付く要素のブラッシュアップです。作品の顔となるタイトル、売りを明確にしたキャッチコピー、読みたい、損をしたくないために読むあらすじの三要素です。初投稿作品にはレビューがないので、これは考えないこととします。この三要素がうまく絡まり合ったところで読者がつきます。


 続いて中長期的な成功の指針です。「いずれ読まれたい」、つまりそうなるために(以下略)それは更新をマメにしましょう。これはなぜかと言いますと、カクヨムの読者の読まないといけないと思う、読みたいと思う、読者の頭のなかの好意的な選択肢の集合(これを想起集合といいます)にアクセスするために必要な手順だからです。カクヨムで読書するときに第一に頭に上らなければ、そこで負けています。それ以外には入ってはいけないわけです。ですから更新をマメにすることや近況ノートの更新を行うのは必要なのです。なぜ毎日更新の作品がランキングに載り続けるのか、成長し続けるのかといえば、読者の想起集合にリストアップされているからです。


 ところで、この創作論は「いますぐ読まれたい」のニーズには届かない連載です。ターゲットはカクヨムの作者であることは他の創作論と変わりませんが、「いますぐ読まれたい」には結びつきません。フォローをしていただくことによって中長期的な成功を目指しています。そのために読者の皆様にも将来的に必要な知識、内容や情報の充実を図っています。

「いずれ読まれたい」に絞ったのです。そう、中長期的な投資です。そうして現在フォローは着実に伸びています。短期的な成功はクリアしたのです。逆説的な言い方になりますが、中長期的な成功のためには短期的に成功しなければいけないのです。そのために知恵を使ってみましょう。次回は読まれるための処方箋です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る