第11回 SFカーニバル(前編)
一年前のちょうどいまごろ、日本SF作家クラブと
日本SF短篇50といった日本SF作家クラブが編んだSFアンソロジー、スタニスワフ・レムの「完全な真空」など都内であまり見かけないSFラインナップに興奮したものでした。
ただSFカーニバルは
SFと代官山の取り合わせにためらいを覚えるのは仕方ありません。わたしが中高生だった時代はSFが売れない、いわゆるSF冬の時代でしたから。冬の眠りから覚めて起きてみればSF夏の時代が始まっていました。そしてSFというマイナージャンルが代官山でイベントをする――とんでもない変化です。代官山はJR渋谷駅から
ちがいます。
代官山は若者が多いです。十年ほどまえからベビーブームがあり、子どもも多く、さらに若者も集うハードルの高い街という印象です。JR
SFイベントが代官山で行われることに衝撃を受けた私はいつの間にか東横線の列車に乗せられて代官山のホームに立っていました。お守り代わりにスマートフォンでTwitterを開きながら。Twitter上ではSFカーニバルのハッシュタグがもうすでにイベントの始まりを告げていました。もう後戻りはできません。蔦屋書店に入るとそこかしこでSF作家が待ち構えていました。あこがれの
もうなにも覚えていません。むこうに声優の
ほどなくして代官山から脱出したわたしはトランペットの音色を聞きながら春の陽気を
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