第81回 書籍を作りたい(1)

 前の記事でも書きました通り、文フリに行ってきました。そこで知ったのは文フリに出る・出ないに関わらず、本という実体を持つというのはどうやららしいということです。

 現在、カクヨムの有志が集まって小さな雑貨ギャラリーでSF同人誌の委託販売イベントをするといいます。私もお二人にお声がけだけしました。


 同人誌ってどうやって作るんだろう?

 文フリに回ってみたというのが大きいですが、何かしたい・何か作りたいというのは性分なのでしょう。そこでブラックフライデーでお安くなっていた組版ソフト、InDesignインデザインをサブスクで一ヶ月だけ導入してみました。


 InDesignインデザイン

 

 これは前にも違う連載で書いたことの繰り返しですが、まず押さえておくべきなのはInDesignはに特化したソフトだということです。なのでInDesignでイラストを描くとか、InDesignで画像を編集するとかはできないと考えた方が良いです。イラストは図形の描画びょうが機能などで描けないこともないですが、それが本分かと言われると明確に違います。

 レイアウトに必要な写真やイラスト、ロゴは別途illustratorイラストレーターPhotoshopフォトショップで作っておいて、先に進みましょう。絵を専門に描かれる方に外注してもいいでしょう。


 簡単にいうとInDesignは本やミニコミ誌などの体裁ていさいを整えるためのソフトです。同人誌では小説本文が重要なファクターですが、本文の形を美しく仕上げるのに適しています。かなり雑な言い方をすれば「本が作れる」ですね。もちろん、本を製本するのは最終的には製本業者です。しかしリニアで本の体裁まで把握はあくできるのはInDesignの強みでしょう。


 InDesignの使い方ですが、基本的にはテキストボックスにWordやテキストデータなどで作成した原稿ファイルを読み込むだけです。専門的には「流し込み」やInDesign上では「配置」と言ったりします。これをさまざまな処理を使って本の体裁を整えていくのが作業の肝です。また使ってみて、前に使っていたときと大きく異なるのはInDesignは親ページと呼ばれるマスターページを雛形ひながたにして複数ページをまとめて編集できます。


 文章を流し込んだら基本的にデフォルトで禁則処理きんそくしょりはされています。ここで鍵括弧かぎかっこの前後やカタカナ語などの文字の間隔を文字詰めします。専門的にはカーニング処理と言ったりします。これらの処理をざっとして文章を整えます。カーニング処理はできなくてもデフォルトで気にならない人も多いかと思います。気にする人は一歩進んでやってみてください。ただここでは小説家として本を作ってみる職業体験をするのではありません。自作を本にすることでアガる↑なとは思います。なのでほどほどにして前に進みましょう。


 またTwitterなどで調べると「ぶらさがり」処理の話も出てきます。これはテキストボックスの末尾に飛び出る形で言葉を残す手法です。出版物によって使い分けてください。このぶらさがりはデザイナーによっては美しくないと敬遠けいえんされたりします。


 本の体裁が整ってきたら、同人誌印刷所を探してみてもいいと思います。文庫サイズはA6(105mm×148mm)で文庫サイズや新書サイズを取り扱っている同人誌印刷所を検索してみましょう。いくつかサイトが出てくるはずです。調べてみましょう。


 簡単にInDesignの作業工程を説明しました。ただ導入期間はまだ二日です。これから一ヶ月付き合ってみて、何か新しい発見があったら関連記事を更新したいと思います。

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