第3回 人気の指標

 カクヨムでの人気の指標しひょう。じつは二通りあります。一般的にわかりやすいのは★の数を基準にしたランキングの指標しひょうです。これは初投稿日の瞬間最大風速しゅんかんさいだいふうそくを測るものでわかりやすいですし、カクヨムのトップページから見ても人気作から探せます。

 一方で見えない人気作の指標は、フォローの数です。この指標はこれからのページビューに影響えいきょうしている要素のため、一般的によく見えません。いわゆる期待されている作品に下される評価です。

 ですからランキングを見るときは作者はまず★の数を見るよりもフォロー数がどれくらいの規模かどうかを見ておくことをおすすめします。★の数は現時点で満足したという人の数です。フォロー数はこれからに期待している人の数です。


 これまで本稿の論旨ろんし(この連載の前身である「まずは、フォローから始めなさい。」のこと。)は相互を作ろうという内容でした。これは単純な話で作家との付き合いがあれば自作のレベルアップが図れるのではという淡い期待からでした。ところがこの連載をはじめて2年、カクヨムはむしろ相互をつくることで相互評価の温床おんしょうをさらに増やし、面白い、面白ければなんでいいという感想のかさのもとでほんとうに小説として面白い作品、見るべきところがある作品なのかわからない作品までに★が与えられ、賞賛しょうさんされている現実にぶちあたりました。レベルアップをはかるどころじゃない! というのが前のアカウントで思ったことでした。


 私自身、過信かしんしていたのは私の思う面白い作品、埋もれている作品に光を当てれば、輝き出すのではと思っていたことでした。たしかにそういう面はあります。けれどそれは丹念たんねんに小説をたくさん読んで評価することが必要です。たまたま目に入った作品に気まぐれで評価をつけることとは違います。

 カクヨムでは仲間をつくって活動することは否定されていません。ですが相互扶助的そうごふじょてきな活動から相互評価へ向かう道はかなり近しいと考えるのがふつうではないでしょうか。読み合い行為自体は否定できない。けれどそこで起こる二次的な問題、三次的な問題はどうでしょうか。各個人がをもっていないと★のつけあいになってしまいます。


 かつてカクヨムではSFで「オレオ」という小説が人気作になってしまった現実があります。現象げんしょうとしてはそれは「おもしろい」と私は思います。小説としてみればそれは「わからない」です。

 足きりのポイントが各個人でそれぞれ違うことは分かります。

 小説を読んできた人間からすると「うーん」と頭を抱えます。ほんとうにこの小説は小説が好きな人が書いたのかな? と思ってしまいます。


 それってあなたの感想ですよね? と言われてしまえば確かにそうかもしれません。現代ではいろいろな人間がいろいろな小説を書いている多様性たようせいの時代です。グレーゾーンを知ることで何かを学ぶことはあるかもしれません。けれどわたしは自分の目標がありますし、ここで相互をつくる戦略せんりゃくから降りようと考えています。そのための行動はもうすでに起こしました。それがわれらの道なのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る