第23回 【オファーの瞬間】を読み解く① ファンタジア文庫編集部

「カクヨムからのお知らせ」内にあるインタビュー企画に「オファーの瞬間しゅんかん」という記事があります。書籍化する作品を考えるにはまず読んでおいた方がいい記事です。これから7回にわたって「オファーの瞬間」を読み解いていきたいと思います。

 まず前提として、カドカワのなかにはレーベル毎に複数の編集部が乱立らんりつしていることを理解しましょう。ひとつの大きな編集部があるわけではなく、男性向けのライトノベルや女性向けのライト文芸、10代向けなど細分化された編集部がそれぞれでひとつひとつ作品を読んで書籍化したい作品を選んでいるというイメージです。


 第一回である今回はファンタジア文庫の「ぽんこつかわいい間宮さん」の記事を参考に考察します。(https://kakuyomu.jp/info/entry/offer_interview_vol.1


 ファンタジア編集部のTさんのインタビューですが、まず重要だと思うのは「どんなジャンルが主流なのか」という情報収集でしょう。小説を書き始めたころはまずジャンルの理解を進めるのが重要です。ジャンルで何が喜ばれているかを明確に意識することで、ほかとは違った差別化した作品を作れますよね。また王道と呼ばれる作品も書けます。

 編集者のTさん、ここでは学園ラブコメと差別化した社会人ラブコメを提案したいと動いています。そこからタグ検索でざっくりと検索しています。作品を探すにあたって、実は外から見える要素として「タイトル」「あらすじ」「キャラクター」「シチュエーション」を見ています。

 この段階ではただフォローしておくだけで特に目立ったアクションはありません。


 では次の段階に行くためにどうすればいいのでしょう。ターニングポイントは「カクヨムコン」ですね。カクヨムコンでは読者選考を通過した後、カクヨムの編集部による中間選考があります。つまり読者によってコンテンツとしての面白さを保証したあとに最低限の小説のていを成しているというダブルチェックが入ります。まずここは通過しなければいけないです。


 さらにここでは「ぽんこつかわいい間宮さん」は受賞を逃すのですが、ここから、第二部が始まります。付き合った後の展開が始まりました。

 ここでTさんはヒロインの可愛さにれ、オファーにつながったわけです。しかし、この段階でブラッシュアップの手前までです。


 編集者としてのTさんの作家に求める理想は「書いていて楽しい、好きと思えるものを書いてほしい」ということです。それを理解した上で、書籍化する作品についての考察をまとめます。

 ひとつは自分の作品の売り。「タイトル」「あらすじ」「キャラクター」「シチュエーション」などでアピールしようということでしょうか。

 さらに、カクヨムコンで編集部の目に触れることも重要です。意識はされていても書籍化されない作品も多いです。

 一方、きちんと手順を踏んだコンテストでの評価は絶大です。

 さらに継続は力です。受賞を逃しても書きたいページが残っているなら、書くべきです。完結まで読者が応援してくれます。

 

 ウェブ小説の書籍化は深読みすれば新人編集者や若手編集者によって担われていることが分かりました。ですから彼らはチャレンジしたいと考えています。彼らと一緒に仕事をしたいのであれば、チャレンジする気持ちや、好きな作品を書いていきたいという気持ちは大切にしましょう。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る