書籍化される作品、書籍化されない作品

九頭見灯火

第1回 カクヨム公募の失敗例

 第30回電撃小説大賞でんげきしょうせつたいしょうが終わりましたね。もともとウェブで作品を応募できることから前から人気でしたが、カクヨムからの応募もできるようになり、ますます応募者が増える見込みがありますよね? 今回はカクヨムからの公募こうぼができるようになったことを踏まえてウェブ公募の失敗例を挙げていきたいと思います。


・締め切り

 締め切りぎりぎりの応募は止めましょう。傾向として最終候補さいしゅうこうほに残る作品は締め切りぎりぎりに提出された作品なんてこともあるウェブの公募ですが、理想的には締め切りの一週間まえくらいには提出できるといいと思います。


・応募期間内の改稿や誤字脱字の修正

 とりあえず「公開」して、ウェブ公募の締め切り日までに改稿や誤字脱字ごじだつじの修正を考えていませんか? それはまちがいです。なぜなら公開したそのとき、一日から数日の間で下読したよみのひとが読みに来ます。下読みというのはとりあえず一次選考に通すか通さないかを決める読み手のことです。この下読みのかたは基本的に一回しかアクセスしないと考えてください。なので応募期間内でとりあえず公開して直す方法は通用しません。公開前にすべての原稿に誤字脱字がないかチェックし、必要ならば校正こうせいを入れて直してから応募しましょう。


二重応募にじゅうおうぼ

 すべての公募でこれはご法度はっと。発覚すれば出場資格を失うレッドカードです。同一期間内にふたつ以上の公募があるからといってタグにふたつ以上の賞のタグを追加しないでください。この場合、どちらかを期間中に取り下げましょう。もし公募期間中を超えた場合、ざんねんながら今年の応募はあきらめたほうがいいと考えましょう。失格になります。これはカクヨムのみならずじっさいの出版社の公募でも禁止です。


・第三者の著作権ちょさくけんを侵す行為

 作品のなかでだれかの作品や先行作のパロディをしていませんか? それは第三者の著作権を侵害する行為なので選考ではレッドカードです。もし最終選考に残ったとしても出版はできません。出版社はリスクをおかさないです。


・あらすじは結末まで書きましょう

 一般的に公募で求められるあらすじとは作者本人がみずからの作品の内容やポイントを理解できているかを測るものさしとして使われています。ですからここで使われる「あらすじ」は結末まで書くのが常識です。あらすじを「○○○が×××して、△△△だ。結末はいかに――」などはあらすじとして役に立ちません。あらすじを読まない下読みや選考者がいるのも確かです。しかし一般的な公募でもウェブ公募でも求められているあらすじは結末まで書いたものを言います。


・字数

 カクヨムでも、どの応募にしても字数の範囲は守りましょう。カクヨムコンでは連載作品であれば10万字以上という字数は決まっていますが公募ではそうはいきません。きちんと決められた字数で物語をたたみましょう。デビューを控えているとはいえ物語を決められた字数できちんと終わらせられない作家を出版社はデビューさせません。


 いかがだったでしょうか。ことし、応募して失敗を学んだ作家は来年に挑戦しましょう。そのときはカクヨム初心者ではありません。立派な作家になってください。デビューを目指してがんばりましょう。

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