第14回 まとまり感
小説にはじめて着手するひとは、文章が完成されていなくても、文章にまとまり感があるかどうかという視点を持つのがいいと思います。これは骨組みに
まずはあらすじを他人にわかってもらえるように説明できるというのも、上達が早くなるきっかけです。ここで他人に梗概みたいな小説だねと言われても気にしないでください。そのときは「その通りだね」と適当に合わせてください。
このまとまりというものも特定の意味を表しているわけではなく、神話のような物語のまとまりというものもありえますし、恋愛の心の動きに焦点を当てたまとまりというものもありえます。つまり書きたいことは何なのかという根源的な問いをみずからに課してみるのです。梗概が決まったらまずは結末まで書いてみましょう。この段階では荒削りでも構いません。完成形をイメージしたとおりに書けなくてもだいじょうぶです。
ここで出来た物語を初稿としましょう。
初稿はまだごちゃごちゃして、読みにくいかもしれません。また自分の作品に没入しすぎて客観視できないかもしれません。けれどそれでまずは第一段階をクリアしました。ではここから作品を磨きます。意識は低く持て、です。
なぜこのようにごちゃごちゃを生んでいるのかはいくつか技術的な理由が挙げられます。また、使っているワープロソフトによっては
それは創作の旅のはじまりですし、邪魔してはいけません。
この段階からある程度、読みづらさを
肉付けは心理描写からはじまると思ってください。心理描写が加わるだけで読者は小説に動きを読み取ってくれます。心理描写に関してはわたしのほかの連載である「文章を考えてみよう。」(完結済み)をご覧ください。
どうして初稿を書き上げることを優先したのかといえば、小説やほかの書き物で書き始めることは、いちばん重いタスクだと思っている方が多いからです。小説を書き続けているひとはそうは感じないでしょうが、文章を考えて書くことは一般のひとはしないことです。
そして再稿を行います。再稿では視点のブレや全体の構成を見るのがいいと思います。何度も読んで問題を洗い出して原稿を編集、修正をします。これを繰り返し、文章を磨きます。さきほどの校正機能もいくら使ってもタダですから何度でも校正をしてみましょう。
文章の編集は基本的に終わりがないですが、ここで終わりという見切りポイントは設定しましょう。直し続けて逆に全体がよくない方向に行ってしまうこともよくあります。
なんとなくほどほどで良いところを見極めるのも経験やセンスですが、逆にいったんどこまでも直してみるのもおすすめします。
文章の見方は経験を積んだり、学んだりすれば次第に増えます。いきなりすべてではなくていいのでその視点を持って原稿に向かいましょう。
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